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【防災】車いすユーザーと”家族を守る”を考える
2025年1月17日、阪神淡路大震災から30年を迎えました。そして先日は宮崎県日向灘沖で震度5弱を観測し、水道管破裂や落石など被害が出ました。
NHKの独自調査によると、東日本大震災における障害者死亡率は、全住民の死亡率の約2倍でした。災害関連死の死者数のうち障害者手帳保有者の死亡率は2011年の東日本大震災で21%、16年の熊本地震で28%と2割近くを占めることが共同通信の調査でわかっています。
国の推計によると、障害のある人は人口の9%ほどとされており、障害のある人の災害時のリスクは際立っています。
その中で子どもや家族を守る立場になった障害のある人たちができることは一体何でしょう?ウィルチェアファミリーなみなさん、これからウィルチェアファミリーになるかもしれないみなさん、この機会に家族の防災について考えてみませんか?
災害に遭う前に考えておきたい車いすユーザー家族の課題
子どものいる家庭
・車いすユーザーの親が子どもの安全を確保する方法を家族で話し合う。
・避難所での居場所の確保を話し合う。
・親子でスムーズに避難するための事前計画を立てる。
・自宅避難時の基準や対策を考える。
夫婦のみの家庭
・避難時の車いす介助の方法を一緒に勉強しておく。
・避難時の夫婦の役割分担を話し合う。
・ 避難所での居場所の確保を話し合う。
・スムーズに避難するための事前計画を立てる。
・自宅避難時の基準や対策を考える。
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☆災害は家族構成によって必要な備えが異なるため、それぞれに合わせた準備が重要です。介護が必要な家族がいる場合には、自治体や利用している事業所等にも災害時の相談をしましょう。
家族構成別の防災準備のポイント
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子どものいる家庭
• 備蓄品・非常持ち出し袋の準備
自宅避難を考慮し備蓄品は多めに、非常持ち出し袋は軽めを心がけましょう。
• 子ども用の非常持ち出し袋の準備
普段からお出かけで持ち運ぶリュックに食料やおむつ、ミルク、薬やゼリー飲料、着替えをまとめ、子どもの荷物は子ども自身が背負えるように慣らしておきましょう。
•子どもが落ち着けるグッズの準備
精神的安定のためのお気に入りの本やおもちゃ、食べなれたおやつも忘れずに。おもちゃは音が出ず、長時間集中して遊べるものが良いでしょう。
例)カードゲーム、ボードゲーム、スクイーズ、折り紙、お絵かき帳、シール帳、
• 親子での避難練習
安全な移動方法を日頃から子どもと確認し、慣れておくと良いでしょう。避難経路を子どもと一緒に歩いてみるのも有効です。
地域の防災訓練には是非親子で参加してみましょう。車いすユーザーや子連れ、障害のある人が参加するのはハードルが高いかもしれませんが、実際に参加することでイメージが湧きやすく、地域の人の安全にも繋がります。
車いすの親が避難不可能な場合の対策も併せて考えましょう。
• 周囲との連携
学校や保育園、近隣住民に事前に支援が必要な場合がある旨をお願いし、災害時のサポート体制を整えておきましょう。車いすユーザーの親が災害時のお迎えに行けるかどうか、どんなサポートが必要か、どんな配慮が可能かを話し合えると安心です。
引き渡し訓練等の際に実際に車いすの親が迎えに行ってみることで、課題が見つかるかもしれません。
夫婦のみの家庭
• 役割分担の確認
車いすユーザーが移動に専念できるよう、パートナーが物資を持つなどの分担を決めておくとスムーズです。
• 避難経路の点検
自宅から避難所まで、車いすが通れるルートや段差の対策を事前に確認し、車いすユーザー向けの防災グッズやおんぶ紐・携帯スロープを用意しておくことも有効です。
• お互いの健康状態を共有
持病やアレルギー、必要な薬のリストを共有し、災害時にスムーズに対応できるよう準備すると良いでしょう。
共通して準備すること
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防災用品リスト
• 車いすユーザー専用の備品(防水シート、薬や医療品、予備バッテリー等)。
• 共通の防災グッズ(飲料水、非常食、簡易トイレ、ライト、充電器等)。
家庭内での安全対策
• 家具の転倒防止や移動スペースの確保を図りましょう。
• 車いすで安全に避難できる経路を確保します。車いすの通路には倒れやすいものは置きません。
コミュニケーションツール
• 防災カード:必要な支援内容や連絡先を記載し、常に携帯すると安心です。
• 緊急時の連絡方法を家族や近隣住民と話し合いましょう。
みんなの防災の心得
頚椎損傷の夫と2人暮らしです。
持ち出しは市販の1人用防災リュックを買って、足りない備品や飲食料を足し、ペットの猫のご飯を入れいます。普段はローリングストックで、多めに飲食料をストックしてます。あとは座るタイプの災害用トイレを用意し、自宅避難時に備えています。夫の排泄に1時間以上かかる時もあるため、普段から私の強い味方になります。
一般的な備えをしていますが、万が一のためにペットシートを常備しています。排泄の備えには介護用の防水シートより安価で手に入りやすいペットシートがお勧めです。
夫が頚椎損傷でマンションに住んでいるため、災害時はエレベーターが止まってしまいそうで介護用のおんぶ紐を購入しました。力はあるので大丈夫ですが、子どもがまだ小さいので夫をおんぶしながら子どもを抱っこはできるかな?と心配です。
外出先では必ず避難経路を確認しています。小さい子どもがいるので車いすユーザーの夫の避難に手を貸せるか自信がなく不安です。
避難生活できっと障害がある自分がお風呂に入れるようになるのは凄く後になるだろうから、大判厚手のおしりふきシートやドライシャンプー、髪を隠せるよう帽子を非常持ち出し袋に備えています。
小学生の子どもに日ごろから、災害避難時は親を振り返らずに自分のいのちを最優先するように言い聞かせています。避難所に行って知り合いを探し、親族に連絡してもらうよう伝え、親族の連絡先や家族写真・小銭を子どもの持ち出し袋とランドセルに入れてあります。
災害時に逃げ遅れるリスクを考え、ホイッスルとライトだけは車いすのポケットに備えています。子どものランドセルにもホイッスルを入れています。
車いすユーザーの夫はいざという時は自分を捨てて逃げてねと言いますが、そんなことはできるはずがないし、子どもを守る側である自覚を持って生き抜く覚悟をしてほしいです。周囲の人にいざという時に子どもをお願いするかもしれない旨伝えています。
どの災害でも、自宅がある限りは自宅避難一択だなと考えています。備蓄や防災用トイレ、水は一般家庭より多く備えてあります。
障害のある人への防災情報
おわりに
国は東日本大震災で障害のある人や高齢者に大きな犠牲が生じたことを受け、2013年に災害対策基本法を改正し、「避難行動要支援者名簿」の作成を市町村に義務づけると同時に、一人ひとりの要支援者が避難するための「個別計画」の策定を推奨しています。
家族の形はさまざまですが、防災準備は誰にとっても重要です。子どものいる家庭も、夫婦のみの家庭も、家族が安全に過ごすための防災計画を今日を切っかけに始めてみませんか?
阪神淡路大震災で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りいたします。
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