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ダイレクトOTCとは?

ホワイトヘルスケアの薬剤師・生越です。先日、社内のメンバーから「スイッチOTCがあるということは他にも何かあるの?」という質問がありました。今日はその疑問について整理と具体的に深掘りしてみます。



先日スイッチOTCについて記事を記載しました。
↓ご興味がある方はこちら↓

スイッチOTCとは?(復習)

前回のブログにスイッチOTCは2,740品目の商品があるよというマニアックな内容をお伝えしました。

簡単に記載すると、スイッチOTCとは、
医療用医薬品から一般の市販薬に転用(スイッチ)された医薬品です。解熱鎮痛薬のイブプロフェン(EVE)やロキソプロフェン(ロキソニン)、鼻炎薬のフェキソフェナジン(アレグラ)をはじめ、幅広い医薬品がスイッチOTC化され、病院に行かなくてもドラッグストアや薬局で購入できるようになりました。

スイッチOTCと比較される言葉は「ダイレクトOTC」

ここからはよく比較される言葉です。
過去に医療用医薬品としての使用実績が全くない新しい有効成分を含んだ医薬品のこと「ダイレクトOTC医薬品」をいいます。要は直接(ダイレクト)に一般用医薬品(OTC)になったという事ですね。

簡単に比較イメージを図示してみました。

イメージ図(WHC作成)

具体的にダイレクトOTC医薬品にはどんな製品があるの?

そういった中で、ダイレクトOTCという言葉が初耳の方もいますが、具体的な製品までは知っていても良いかと思います。なんといっても有名な商品はダイレクトOTC医薬品として有名な商品は「リアップ(大正製薬)」でしょうか。成分名はミノキシジルと言います。
効能は「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防。」の効能が認められている男性用発毛剤です。第1類医薬品に属しています。
なんとなく商品名のリアップ名前の由来は想像できますが、髪が再び復活する願いを込めて「リアップ」と名付けられているそうです。
(Re UPではなくRiUP と書くのですね・・)

リアップ(成分名:ミノキシジル)第1類医薬品


【余談1】リアップは元々、毛生え薬が目的ではなかった?

ミノキシジルは、もともと高血圧治療の内服薬の成分として、1960年代に米国のアップジョン社(現Johnson&Johnson社)によって開発されました。その臨床試験中に、治験で服用されているかたが体毛が濃くなる症状(多毛症)の発現が報告されたことから、改めて頭皮に塗るタイプの発毛剤の成分として開発が進められました。

【余談2】発毛剤と育毛剤の違いは??

育毛剤は、髪の毛の伸びるスピードを早くする薬ではなく、「抜け毛を防ぐ」効果なのですね。

・発毛剤の効果
毛包(毛を作り出す場所)を活性化させて、新しい髪の生成を促す。血行を促進させて細胞に栄養を行き渡らせ、発毛を促進する。つまり「新たな毛を増やす効果」があります。

・育毛剤の効果
頭皮を清潔に保ち、髪が育ちやすい環境を整える。薄毛の原因物質の生成を防いで、これ以上の抜け毛を防ぐ、つまり「抜け毛を防ぐ効果」があります。

大正製薬HPより参照:https://brand.taisho.co.jp/contents/riup/223/

他にどのようなダイレクトOTC医薬品があるの?

厚労省の資料には下記の4つが例として挙げられています。

  • ミノキシジル

  • 赤ブドウ葉乾燥エキス混合物

  • チェストベリー乾燥エキス

  • オルスタット

参照:一般用医薬品等(OTC医薬品)の在り方について(R6.2.9厚労省資料より)

特にオルリスタットは内臓脂肪やウエストの減少に効果があるという事で、注目されていくでしょう。

まとめ

本日は「ダイレクトOTC」についてご紹介しました。これまで「スイッチOTC」は花粉症、発熱、痛み止めなどの作用の医薬品が多いことも記載しましたが、今回ダイレクトOTCでは発毛、足のむくみ、内臓脂肪を減らすといった事などでより幅広いセルフメディケーションの可能性をお伝えしたかった事です。ただしこれら医薬品で要指導医薬品や第1類医薬品に該当するので薬剤師に必ず相談して使ってみてくださいね。