映画れびゅー『燃ゆる女の肖像』
本日は2020年12月4日日本公開の「燃ゆる女の肖像」というフランス映画を紹介していきたいと思います。こちらの作品は、2019年のカンヌ国際映画祭の脚本賞を初めとし、様々な賞を受賞しています。原題は「Portrait de la jeune fille en feu」。シンプルに読み方は分からないです。笑
〜こんな人にオススメ〜
・絵画や芸術作品が好きな人。
・18世紀頃のフランスの文化や服装が好きな人。
・LGBT理解に前向きな気持ちを持っている人。
・静かで穏やかな気持ちになりたい人。
・「幸せ」や「愛」について疑問や不安を持っている人。
〜あらすじ〜
18世紀末のフランス、画家のマリアンヌ(若い女性)はブルターニュの貴婦人から、娘のエロイーズの見合いのための肖像画を頼まれる。だが、エロイーズ自身は結婚を拒んでいた。画家という身分を隠して近づき、孤島の屋敷で密かに肖像画を完成させたマリアンヌは、真実を知ったエロイーズから絵の出来栄えを否定される。描き直すと決めたマリアンヌに、意外にもモデルになると申し出るエロイーズ。キャンバスをはさんで見つめ合い、美しい島を共に散策し、音楽や文学について語り合ううちに、恋におちる二人。約束の5日後、肖像画はあと一筆で完成となるが、それは別れを意味していた。
〜感想〜
この映画の一番の驚くべきポイントは、9割以上のシーンが女性のみで構成されている点です。男性が登場するシーンは合計時間で10分にも満たない程度です。「女性」の強さ、逞しさ、生き様を感じ取れる作品だと強く感じました。
私は事前知識をあまり入れずに、この映画を観たため、女性同士の恋愛物語とは知りませんでした。私自身、セクシャルマイノリティに対して、偏見はないのですが、実際にレズビアンを主題にした映画を見るのは初めてでした。この映画で愛し合う二人は本当に美しく、シーンによってはエロさを全開にまで表現されていました。裸が映るシーンもあるのですが、異性としてのエロよりも芸術的エロが勝っていました。美しいの一言に尽きます。
二人の恋愛模様も素敵なのですが、この当時の、女性の在り方にも考えさせられる点がありました。結婚や出産、身分の問題、今にも残る様々な問題が映画の中から垣間見ることができました。
そして何よりも映画を引き締めたのは、映像の美しさ、衣装、風景であると思います。18世紀のドレスやロウソクの火の光、海を初めとした自然美が最大限に引き出されていました。この点が、この映画を退屈な恋愛映画にさせなかったポイントだと思います。個人的にエロイーズが着ていた緑のドレスがお気に入りです。
二人の恋模様でなく、屋敷のお手伝いさんの若娘にも注目してこの映画を観てください。この映画の名脇役だと思います。ちなみに好きなシーンは、女性たちだけで火を囲み歌う祭りの場面です。
ぜひこの映画を観て頂いて、感想を共有してくださればと思います。
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