見出し画像

ベルリン 20日目


 ドイツで過ごせる時間もあと10日を切ったというのに、喉が痛い、声が上ずる、鼻が詰まる。          
 腰が痛くなるまでベッドの上で寝転がる。熱はないので、そこまで体調が芳しくない訳ではないが、
「食糧がないから、スーパーに行こう」
「身体に良い筈だから、少し散歩しよう」と思っても、全然身体が動かない。まるでやる気が出ん。
 日本で培った出不精がドイツでも幅を利かせてきた。もはや病気だと思う。



 日本は江戸時代から、西洋の医学を学ぶ際にドイツを参考にしてきた。解体新書の原書はドイツ人が書いたものだし、「カルテ」、「アレルギー」、「レントゲン」など、一般的に知られている医療用語もドイツ語が多い。

 第二次世界大戦以降は医療の現場でも英語が広く用いられるようになったらしく、ドイツ医学が必須ではなくなった。

 日本のコーディネーターの方は、ドイツの薬は弱く、医者も当てにならないと言っていた。

 敗戦から医療が退化したのか、現在の特効薬は、お茶。お茶でも飲んで安静にしていろと諭され、薬はよっぽど処方されないらしい。
 病院行ってそんなん言われたら腹立って体調悪化するわ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?