🌊死ぬこと


死ぬことなんて、もう大きなことじゃなくなった。

日常の一部であり、それが自分から行くか自然発生的かは置いておいて、とにかく人は死ぬ。

今日、レインがフラフラしながら橋まで向かったのを見ていた。
どうでもよかった。聞きたくもない、知りたくもない記憶を思い出して共有してしまったから、こんなんが治療になるかもわからなくて、ムカついて死のうと思ったらしい。

でもそれを聞いても大それたこととは思わない。

何回も何回も死のうとした。何回も何回も辞めた。
また辞めてこうして帰って、暖かい部屋の中にいる。

これが一歩踏み出して落下していたとしても驚かない。

人はそれを裏切りと言う。でも、裏切らない人なんていなかった。
みんな裏切った。世界でただ一人この人こそ裏切らないと思った人すら裏切った。
みんな自分可愛さ、自分大事さで死にに行く。
残された人のことを考えられる人は、そもそも自殺したいなんて思わない。

みんな、死屍累々の中、立って生きている。そんな状況なら何時それの仲間入りするかなんて、大きなことでもなければ、他に意味があることでもない。

自殺欲求があることなんていちいち言わない。

死は当然で身近で触れるものだ。

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