076上位システム/コミュニティNetsラニアケア超銀河団✳低エントロピー軌道プレート認識メタ転生/円環の理
『より大きなコミュニティの声を聴け』
これは『共同体感覚』を提唱した学者が、提言したフレーズだ。
おそらくコミュニティとはシステム(Nets)を指し、より大きな、上位システムから得られるインスピレーションな出来事かもしれない。
インスピレーションは精神的な『低エントロピー』とも言えるかも知れない。(ここでの低エントロピーは世界を動かす資源とする。統計力学でエントロピーは、低いと秩序、高いと渾沌、乱雑さを表す量)
地球には生物という細胞の集まりや、家族、団体、社会、生態系等多くのシステム(コミュニティNets)がある。
宇宙には太陽を中心に相互作用している太陽系があり、太陽に『Sync/同期』される者は『太陽意識Nets』で(より低エントロピー)な生命活動している。
それよりも小さいシステムでは『惑星意識Nets』で、より大きなシステムは、大質量ブラックホールが中心にある銀河系の『ブラックホールコア意識Nets』さらに大きいのは銀河団、超銀河団と続いてく。
ブラックホールは拡がり続けて、やがて宇宙はすべてブラックホールになるという予測もあり、神秘が隠されている。内部は光で観測できない。本当に大切なものは目に映らないのか。
銀河系には中心以外にも、規模が小さいブラックホールは多数あるとされる。
銀河団、超銀河団には宇宙と同じく中心がなく、おそらく相互作用で流転が生じる。
銀河系で恒星が2500億 ± 1500億個あるとされている為『超銀河団意識Nets』はとてつもなく壮大と言える。
より壮大なのは『宇宙意識Nets』あるいはマルチユニバースであれば『宇宙団意識Nets』『超宇宙団……』と言えるかもしれない。
地球上で生活する分には太陽意識で充分。概ね創造力/エネルギー(エントロピー)で溢れる人生になるはずだ。惑星意識は地球や社会への適応力となる。
惑星意識が主な場合は、社会で培った出会いや繋がりとなり、太陽意識以上が主では、生まれる前からの約束、縁(よすが)とされる。
そのアルゴリズムが採用されるなら、どちらも大切なめぐり逢わせなのかもしれない。
ロマン――とも言えるのだろうか。
太陽意識以上の縁(よすが)で起こりうる現象は、共時的で奇跡的であり、一見チートや抜け道に観えるかもしれないが……
実のところ『王道』あるいは『皇道』そして『宇宙道』の可能性は大いにあるのだ――。
《字面的にも、話が大きくなり過ぎても、イタくなり得ますので、一見チートや抜け道に観える出来事が続いても――それは本来受け取るはずの何か――もっと報われたり、楽しみ、味わい深く生きてもいい、資格、権利もあるのです――。そう提言します》
ガイダンスが突然、文字通り、提言したのだった。
星々の運動は物理的な、基本的には目に観える、光で観測できるシステムであり、目に観えない何がしの象徴、比喩になるのかもしれない――。
太陽意識であるなら太陽系惑星は時間軸上の点ではなく、公転が連なる『軌道プレート』で認識される。
地球の軌道プレートもその一環で、太陽系惑星の全軌道プレートが生物にインストールされると、『メタ転生』し『輪廻転生』の剄(くびき)円環の理(ことわり)から、ある種の自由を得られるようだ。
人間ゲームの卒業と言っても遠くはなさそうだ。
ケースバイケースになるが、概ね自動的に、生命活動が終わる前に完了されるようだ。
天に召された時に、ようやく実体験されることになりそうだが、生きている内に確信できるかもしれない――。
太陽の創造エネルギー(エントロピー)が十二分割されていた十ニ星座サインも、全て統合されて無色透明となるか、透明に近くなり、その中から選りすぐられる。
太陽系惑星の軌道プレートも、最適化によって選りすぐられることになる。
これらは上位システムの恒星あるいはブラックホールによっても同様だ。しかしながら、私たちは肉体的に太陽系に存在する為、太陽と銀河系のブラックホールコアは選ばれるに違いない。
さらなる上位システムNetsとなると、二億二六〇〇万年周期である太陽の、公転/軌道プレートもインストールされる。
銀河系以上の軌道プレートは私たちにどこまでインストールされるのか――
太陽系≪銀河系 ≪銀河団 ≪超銀河団 ≪ラニアケア…… ≪ ≪
測りしれない――。
科学が観測できる宇宙の、さらに上位システムには時間と空間が存在しないともされている。つまり宇宙の基本原理ではなく、限定的、局所的なのだ。
時間と空間は『量子』であるともされていて、他の量子、人間との相互作用で時空が発生する。
さらに言えば――。
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仮想世界の私たちは、焚き火の周りを変性意識(トランス)で廻っている。
物理的にはエントロピーが増えている焚き火と、きっと精神的に、もしかすると物理的にも低エントロピーで廻っている。まるで宇宙のダンス。
より大きなコミュニティの声は――『Sync/同期』『インストール』『アップデート』――聴こえているようだ。
歌ってる者、踊ってる者、笑ってる者……ひとしきり時間が過ぎて、次第に火も弱まり、終演を迎えた。
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あくる日の現実世界の私たちは……療養していた。療養しつつもアップデートされた情報を整理して、新たな方針も言語化しようとしていた。
「けっこう動いたよね」
そう私が独り言のように喋ると――
「そうねー。あちこち行ったわねー」
そうソファが独り言のように答えた。
シェリーも含む幾人かで
顔を見合わせ――
「「「エントロピったわねー」」」
そう喋っている間にもピーーーっと音が頭の中で聴こえているような、Sync/同期とインストールが生じてアップデートされているのだ――。