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自分が自分で無くなる時、果たしてどうなるのだろう?東野圭吾さんの変身を読み終えて。

久しぶりの小説読み終えました記事書きます。

お前最近、小説の記事作ってないから飽きたんじゃないのか?って思われるでしょうが、かなりの数を読んでますw読んでるんだけど記事にするのがしんどいし、どんどん次々読むので追いつきませんw

今年が終わるまでに沢山読んで、面白かった本のランキングを作ろうかな?と考えているので、使命的な気持ちで読んでいる次第でありますw(性懲りもなく、図書館で本をどかっと借りたので、返す前に読まないとと焦っているだけですがw)


さぁさぁ本題に入りましょうか。


読み終えた感想は、さすが東野圭吾さんだなって。不意な事故によって死を彷徨い、治療によって奇跡の生還を果たす。のはよくありがちなストーリーですが。その治療というのが、「脳移植」。これが本作のテーマとなります。


主人公の成瀬純一は、産業機器メーカーに務めるごくごく平凡な、密かに画家を目指す青年でしたが、不意な事故に巻き込まれて、頭を銃で撃ち抜かれてしまう。

10万分の1の確率だと言われているドナーが見つかり、脳の一部が適合した。その脳のドナーの名は関谷時雄。彼の脳の一部は純一の脳と適合した。大人しく、争いごとを好まない純一と性格も傾向もよく似ていた。

純一の彼女である葉村恵は、純一が事故後昏睡状態に陥り、彼をずっと支えていた彼の理解者であり、純一を深く愛していた。退院した純一は、以前の彼ではあるが、少し違う。彼でありながら彼ではない。彼女は純一が生きていた事に喜びますが、同時に彼が彼で無くなるのではないか?と懸念します。今までの幸せが壊れてしまうのではないかと、心の何処かで恐れていたのです。

日に日に純一の心は何かに支配されていく。あれだけ打ち込んで来た絵も、終いには手がつかなくなっていく。彼は彼でありながら、何か別の人格が支配していく。

凶暴性が増して、人々を見下し、自分の能力を過信する。とても以前の彼の姿とはかけ離れた行動。この行動や思考は、ドナーの性質によるものなのか?と純一は疑い始めます。ですが提供者は、とても穏やかで、人を大事にする人物であった。以前の純一とよく似た性格だったのだ。


ではこの脳を支配するのは誰なのだろうか…。


確か昔、ユーチューブか何かで見た事があるのですが、自分の性格や傾向を変える為に脳手術をする。というのが大分昔にブームになったというぶっ飛んだ内容を思い出しました。

おとなしい性格が嫌だと悩んで来た人が、脳の一部にメスを入れる事によって、活発になるという。また、家庭内暴力を繰り返す夫を変える為に、脳手術を依頼するという内容。

これ実話らしく、多くの人が脳手術したいと依頼したらしいです。で、結果性格が著しく変化をして、瞬く間に世間に認知され始めたらしいです。

ですが、日に日に性格に支障が起きてくる。普段しないような行動を取ったり、情緒が不安定になったり、手術前に好きだった物を拒んだり等、奇行が目立ち始めたそうなのです。

結果廃人状態になったり、極度のダウナー状態や、興奮状態が続き、それが一種の社会問題となり、それ以降手術は行われる事が無くなったそうです。


人間は神の領域の生き物であって、性格や個性等は、全て人生を生きていく為に必要なものである。それを人間の手で作り変えてしまう事は、僕は不可能だと思うんです。まぁでも出来事の付箋というか、その行動が無ければ起きないイベントや、学ぶなどがあるのは事実だと思います。

この物語の終盤以降で、世の中を支配する層の老人たちが、若く優秀な脳を持続させたいが為に、脳手術を施し、滅びぬ知を持続させるというシーンがあります。肉体は医学の進歩によって維持が出来たとしても、脳は衰えていく。その実験材料として、医学が進歩していくという内容が、かなりリアルだなと。人間の手で人間の人生、これからの未来を変えてしまう。自らのカラーを変えてしまう。それが可能となって、一般化されたとして、果たしてそれが幸せに繋がるのだろうか?正しいと言えるだろうか?と。僕は医学を否定することはしませんが、大元を辿ればそこへ行き着くとは思っています。なんというか、そういった者たちの都合の良い世界?


僕が何故東野圭吾さんの作品に惹かれるのか?まさにそこなんですよ。彼が言いたいこと、伝えたいこと。それがはっきりとわかるからなんですよね。さまよう刃でもそうですし、彼の物語には、そういうものへのアンチテーゼ的な物語が多いですよね。だから彼の小説が好きなのかもしれません。


物凄く引き込まれるストーリーでした!やはり東野圭吾さんは凄い。冒頭のシーンからラストまでの展開へ持っていく技術が天才だなって思います。流石に中盤に行く手前位で、大方のトリックがわかってしまったのですがwそれでもどんどんのめり込んでしまいましたね!


ほぼ一気読みみたいな感じで読み終えた「変身」。実は前から読みたいと思ってて、ひょこっと家の中から出てきた本ですw買いに行こうかなって思ってた矢先で、なんか凄く得した気分でしたねw


最後にもし自分が性格を変えるのならば、どうなりたいかなって考えていました。そうだなぁ、出来れば何事にも石橋を叩いてる様なナマケモノじゃない、活発な性格になりたいなと思ってました。

でも、幾ら脳が変わっても身体は全力で阻止しそうww


長年染み付いたナマケモノ体質は、そうそう変わらないと言うことなんだよ!残念だったな…。はははは。


書いてて悲しくなって来たwww


それではまたwwwwww


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