天使の囀りを読み終えて。
今年を締めくくるにはかなり後味が悪い作品でしたw
いい年を越せるのか?少し不安になりましたが。
やっぱり貴志祐介さんの作品は凄まじく怖く、薄気味悪く、何処までもグロテスクでしたね…。
最初は飽くまでもフィクションだと思いながら読み進めていく内に、いやいやこれは実際にあり得ることなのかもしれないと思えてくる。
ここからはネタバレ含むので、読んだことがなく、これから読み始める方にはオススメしませんが。
兎に角今回の物語のメインテーマである、寄生虫。
アマゾンで飢えに苦しんだ調査隊メンバーがウアカリという猿を捕食したのが事の発端。
そこから徐々に周辺で起こる不可解な死。
物語の主人公である、北島早苗の恋人であり作家の高橋光彦の死の真相を探る為動き出す早苗。
その死の原因が寄生虫だと突き止め、彼の周囲で起こる死の原因が彼と似ている。それはただの偶然ではなく意図的に自殺に追い込まれたという事実。
その死を迎えるまでの不可解な行動、その全てがおぞましく、気持ちが悪いです…。
高橋光彦は昔から死恐怖症という精神病に悩まされ
とあるセミナーに参加をする。それが地球の子供達(ガイアのこどもたち)という新興宗教じみた団体であると判明
その多くの参加者たちはそれぞれ異なる恐怖症に悩まされていた。クモ恐怖症や先端恐怖症、ネコ科恐怖症に醜態恐怖症等。
そしてその参加者たちは何故かその恐怖症に対して恐怖を感じるどころかそれらを克服したような素振りを見せ始める。
そして彼らはあえて睡眠薬を大量に服用して自殺をしたり、蜘蛛を捕食😨して自殺をしたり、刃物を顔面に突き刺して自殺をしていた。
その全く真逆の行動を何故取ったのか?何故あれほど嫌っていたものを敢えて克服したかの様に振る舞ったのか?
徐々におかしくなる参加者たち。
そしてその大元の原因を探るために、恋人をなくした早苗はセミナーに敢えて足を運び事の真相を探ろうとします。
セミナーの教祖?である蜷川教授とは、以前高橋光彦が参加したアマゾンでの調査隊のメンバーであり隊長でした。
その彼もまた寄生虫に感染しており、その寄生虫を世界にばらまくといったのが彼の狙いでした。
結局蜷川はとんでもない姿に変わり果て命を落としています。
早苗は寄生虫の研究を行っていた依田教授と共に
セミナーを開催していた那須塩原の施設に乗り込みます。
そこには誰も居らず、散乱しているだけの廃墟だった、だが何処か人の気配だけはする異様な施設。
建物内を探索し大浴場に目をやると、そこには異様過ぎる光景が…
顔が異常なまでに肥大し、その頭部からはいくつもの突起物が伸び、四股は萎れ何処までも細く縮み上がりどう見ても人間の原型を留めていない死体が大量にあったのです。
その異様な光景に発狂しかける早苗。そしてその施設を燃やす事で全ての寄生虫を排除出来ると思った矢先、とんだトラブルのせいで自ら感染してしまった依田教授。
施設から帰り警察に事件の真実を打ち明けようとも信じては貰えないと考え打ち明ける事が出来なかった二人。
いつしか恋人関係になった早苗と代田でしたが
感染してしまった依田はセミナーの参加者道用おかしな行動を取り始める。
身の危険を感じた早苗は間一髪のところで依田のアパートから抜け出しました。
アパートが爆発を起こし、アパートから飛び降り自殺をする依田。
そして感動的でありながら、何処かしこりが残るようなラスト。これをハッピーエンディングと捉えるのか?もしくはバッドエンディングと捉えるのかは完全に読者に任せるといった感じなのでしょうか?
僕はなんとなくですが、バッドエンド寄りだなと感じます
まぁ最後まで気分が悪くなるような内容でしたね。
その寄生虫は食物連鎖を通して生きながらえるといったテーマも不気味極まりないです。
大元の原因であるウアカリという猿の天敵であるチーター
。感染した猿を捕食し、その排泄物を食べた昆虫に感染し
昆虫を食べたウアカリに戻るという。
数センチにも満たない寄生虫が体内に数億も越える個体が巣食うといった描写が…。
脳を直接操り、感染者から感染者へと移そうとするその行動のおぞましさが恐怖過ぎますね。
でもしかし、流石貴志祐介さんの作品です。
およそ600ページ程ある「天使の囀り」でしたが
読み始めてると止まらなく、気がつけば物語が終わっていましたwそれぐらい没頭してしまいますね。
まさしく怖いもの見たさにはぴったりの作品じゃないかなと思いました!
超怖い、超気持ち悪い物がみたければ
間違いなく楽しめる作品だと思いました!
まぁいい年を越せるかどうかはわかりませんがw
皆さん、今年も色々ありましたがお疲れ様でした!
そしていつも僕の記事を読んでくださる方
フォローをしてくれる方、コメントをくれる方
一年間どうもありがとうございました!
来年もいい年になることを願っています!
それでは良いお年を
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