見出し画像

デスメタルから考える、なぜデスメタルは死を歌うのか?なぜ魅了されるのか?

ブラックメタルの象徴として
コープスペイントを施す習慣がある。
これは勿論メタル界隈の中でも取り分け最高な世界観を題材にしているブラックメタルの特徴なのだけど。

そもそもなぜ死を予感させるものを敢えて題材にしているのだろうか?と疑問に思うことありませんか?
そもそもメタルというのはダンスミュージックに対するアンチテーゼであり、耳障りの良い縦ノリのリズムに合わせて踊る若者に対し、俺等の音でノれるもんならノッてみなっていうメタラー自身の反抗心からくる。

これはすなわち、イケイケの流行りのシティーボーイ達に対して「流行り廃りに乗った商業的主義者な軟弱な奴らめ!!」というメタラーの怒りから来たものだとマーティーフリードマンは話していた。

メタルは基本的にオタッキーな音楽である。
メタルギタリストは毎日のように、朝から晩までギターを弾いている。若者がクラブへ入り浸っている中でコソコソとギターを弾きまくる日々。

窓のグラインダーをめいいっぱい降ろして、邪悪な音楽を常に流して、世の中から隔離されていく、落ち行く自分に更に追い打ちをかけていくのがメタルという音楽な理由

そんな音楽を1日中浴びていれば、嫌でも精神が崩壊していくだろう?ただ崩壊してからが始まり。そう、崩壊していないのならばまだまだスタートラインに立てていないというらしいのだ。

じゃあなぜメタルは怒りを増幅させて、死を助長させる物があるのだろうか?メタルは癒やしの音楽にはならないのだろうか?と僕は考える。

音楽とは少なからずでも人の心を癒やして、人を楽しませてくれる物のはずだ。音を楽しむと書いた音楽。
それがデス(死を)感じさせる音楽ならばそもそも音楽の趣向から外れているのではないか?とも思うんだ

最も死を感じられる音楽としてデスメタルが挙げられる
言葉の通り、デスとは死という意味。死のメタル=死の音楽。とてもじゃないが聴くに耐えない邪悪なリズムに、まるで死の囀りの様なガテラルボイス。
髪はボサボサ頭で、身体は肥大化し、身体にはトゲトゲの鋲を身に着けている。
彼らは決まって死を題材にして曲を作る。
殺人、犯罪、暴力など、どれも死を連想させられる物が多い。通常の精神を持った人間ならば耳を背けたくなるものばかりなのだ。

ブラックメタルで有名なバンドMayhemはボーカルのデッド(死)がショットガンで頭を撃ち抜いて自殺した有名な事件。それを発見したユーロニモスがなんと、アルバムジャケに採用するといったキチガイ極まりない出来事がありましたね。Dawn of the Black Heartsのアルバムです。

※グロすぎるので検索するなり自分で調べて下さい。

元々デッドは精神が不安定な青年で、メンヘラ状態の中バンド活動をしていた。彼が自殺を選んだというのは、周りからすればさほど不思議なことではなかったのだろう。
その死を悲しむどころか、アルバムジャケに採用したユーロニモスのキチガイぶりには驚くばかりだ…。

本題に入っていくと
じゃあなぜそもそも死なのか?
そしてその死の音楽に対して、これだけフォロワーがつく理由とは何なのだろうか?
それを追求する、すなわちエクストリームメタルとは何なのだろうか?までに掘り下げて考えていかないといけないのかもしれない。これは究極の課題なのかもしれないな。

そもそも先ずデスメタルの元祖はナパームデスだと推測している。ただ現在のデスメタルスタイルとは大きく違い。ハードコアパンクを更に激しくした音であった。
こちらを今現在継承し、更に発展させた物がグラインドコアなのだが、ここまで掘り下げると諍いがないので今回は割愛させてくれw
ナパームデスは英国出身のバンドなのだが、社会的な物に対する不満、アナーキーなパンクロッカーからより残虐的に発展させていった。
アメリカで大流行したスラッシュメタルも、勿論ハードコアパンクから派生させたものである。
(Metallicaのファーストアルバムなんかもそちらの影響が色濃く出ていた。)
アメリカのスラッシュ、イギリスのハードコアパンク&グラインドが融合し、更に暴力的に、更に残虐性の高い音を追求したのがすなわち「デスメタル」である。


休日のお父さん風。あまり外見には拘らない様だ


ちょいワル、スタイリッシュな雰囲気


そしてデスメタルはこうなるのだ

よりファストに、よりブルータルに、よりテクニカルに音楽を追求した結果デスメタルは独自のスタイルを確立していったのだと思う。

そして死という隣り合わせの恐怖
人は皆、死が怖いと感じるものだ。
そしてここ最近では、米国の「Journal of Pshychology of Popular Media」では驚くべき記事が連載されていた

「死に立ち向かう勇気を与えてくれる音楽ヘヴィーメタル」

という記事。

この研究は30人の試験者を対象に(意外と少ねえw)Slayerの名盤Angels of Deathの中で数曲聴かせた後、心理学的なアンケートに答えて貰ったという。
その内容をまとめた結果、被験者は皆同じ回答をしたのだそうだ。

ヘヴィーメタルはファンでないものからしたら死を連想させるものでしかないのに対し、ファンはヘヴィーメタルを聴くことにより、気分の落ち込みを避け、死に立ち向かう勇気を与えてくれるものだとわかったそうです。

死を連想させるすなわち死というものに向き合い
死に対して憧れを抱いているかの様なファッションや音楽。以外にもデスメタルという音楽は、人々に不安や恐怖や怒りを助長するわけではなく、人の心を癒やし、人の心に寄り添っていく音楽なのだと言うことがわかった。
(飽くまでもメタラー内での話ですがw)

メタルバンドのメンバーが過去に暗い経験をし
世の中に希望を見いだせず、世の中を憎み嫌い
メタルという音楽だけが心の拠り所になり
いつしか自分もこのネガティブな感情全てを音楽に込めて
腐りきった世の中を潰してやろう。
メタルで世の中を変えてやろうと目論み
激しい音楽に魅了され、日々ボロボロになりながらも
音楽にすべての感情をぶつけているのに対し
多くのリスナーは死を助長されるどころか、その邪悪な音楽は人々を癒やして、生というものを強く感じさせてくれるなんてなんだか非常に皮肉なものだ。

メタルと一口で言っても
パワーメタルやメロスピ等のメタルは完全にクリーンだ
それこそ日の当たる場所で、さんさんに太陽の光を浴びて
気持ちの良い潮風に当たりながら美味しいお酒を飲むような感覚。
インターネットで言えば、僕たちが普段閲覧している表面上のもの(GoogleやYoutube)であるのに対して
デスメタルやブラックメタルは完全にディープウェブだろう。同じメタルというワードを使っていても、全く持って似ても似つかない音楽になっている。
爽やかな高音シャウトでキラキラとした衣装を身に着けて
拳を上に上げて客を煽る。
そこには一切の死の要素は微塵も感じられない。

本来人間ならば、わざわざ聞きざわりの悪い物を聴くのならばせめて聞きざわりの良い物のほうがいいはずだ。
目の前にとても良い香りの美味しい食事があるのに対して、
敢えて腐敗した肉をむさぼり食う様な感覚。
僕自身もデスメタルを1日中聴くくらいならば、アイアンメイデンやハロウィーンを聴いていた方が遥かに心地が良いのである。
ただ、敢えてデスメタルを聴きたいという気分にさせる物は何なのだろう?とも思えてくる。
これだけエクストリームメタルが好きだと公言しておきながら、じゃあなぜそこまでブルータルな物が好きなのか?と聴かれればはっきりとは答えられない。
アイアンメイデンの良さを聴かれれば腐る程答えは出てくるのにだ。

要は多分人々の心にある後ろめたい気持ち
もしくは何かに大きく反抗したい気持ちから来るのだろうか?とも思える。
僕の少年時代。聞きざわりの良いポップスが流れたら敢えて隣の部屋でデスメタルをかけたくなる衝動に駆られた。

「そんな聞こえの良い音楽なんて聴いてんじゃねえよ!」

といった反抗心から来ていたのかもしれない。
先程のダンスミュージックのくだりじゃないけど
そういった物が世の中に蔓延る程、メタラーは激しい音楽に魅了されるのかもしれない。

あるメタラーが「ジャスティンビーバーを見るとブルデスが無性に聴きたくなるんだぜ!!」

と話していたのを憶えている。
ジャスティンビーバーはかなりの影響力のある歌手で
見た目もカッコいい!勿論むさいメタラーなんかよりも数倍カッコいい。
そんなむさいメタラーはジャスティンビーバーが大嫌いだ
それこそメタルで葬り去ってしまいたいと考えるだろうw

きっとデスメタルの背景はそこから来ているんだ
俺等には到底ジャスティンビーバーみたくはなれない
ならばいっそのこと逆を行ってやれば良いのだと
奴が聞きざわりのいい音楽をリリースすればするほど、メタラーは更に激しさを増すのだろうな。

なんとも悲しい現実であるw

男の嫉妬は女の嫉妬に比べものにならないほどであるらしい。
僕も高校時代、元々僕を良く思っていなかった男が
周りの女の子と楽しげにしていたり、カラオケで盛り上がっている時などは執拗に嫌がらせを受けた。
それこそ僕がジューク歌えば、やつは変なラップを歌い始めて明らかにその場の雰囲気を濁していたんだ。
彼は暫くずっと僕に対しそういった行為を繰り返し
いよいよ嫌になった頃には自然と去ってしまった。
それほど悪いルックスではなかった彼は、見る影がない位にヒゲを伸ばしてきたならしい服を身に着け始めた。

僕はその現象と凶悪なメタルに魅了される理由が似ている気がした。

確かにその理由も痛いほどに理解できる。
男というものは永遠にそういったテーマと戦っている
劣等感や自意識過剰などによって自分を確立してしまうものだ。

そうだそもそもメタル。エクストリームメタルとは劣等感の塊の音楽なんだ。

そうでなきゃ、普通の精神状態ならば間違いなくジャスティンビーバーを聴いている。BTSにだってワーワー言いたい(僕はBTS結構好きだけどw)でもこんな俺ではそんな事は言えない。出来ない。

だからメタルを聴いて、メタルのショウで汗を流して、汚い砂埃を上げて押しくら饅頭して熱狂するんだと思う。

そしてすぐ隣でジャスティンビーバーがライブをしていたのならば、彼らはアンプの音量を上げに上げまくって隣の観客にまで迷惑をかけてモッシュでめちゃくちゃにしてやりたいと考えるのだと思う。

凶悪なメタルは悲しい音楽だ
行き場のない男たちの終着駅だ。

だからメタルを悪く言うのは止めてあげよう。
彼らにアイデンティティを取り上げないでくれ
メタラーはその音楽で癒やされ、精神状態保っているんだ
それらが亡くなれば彼らには何もないのかもしれない。

メタルは悲しみだ、怒りだ、行き場のない叫びだ

メタルよ永遠に

🤟HeavyMetal is Forever🤟

それでは🫰

※これは飽くまでもジョーク記事です。本気でメタルに打ち込んでいる方々の気分を害する内容であるならば申し訳ありません…


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?