クレームにこそ宝が有る
NHKの知恵泉を観ていた。
先週に続いて岩崎弥太郎の特集であったが、今日の場合はコメンテーターとして出演していたヤマトホールディングス代表取締役会長の瀬戸薫氏の言葉にフォーカスしたいと思います。
何故、瀬戸薫氏に興味が湧いたか。
それは番組最後、瀬戸薫氏の言葉だったのですが、「全員経営」という聞き慣れない単語でした。
現場、最前線でサービスを提供する従業員達が経営権を持つ経営者になるという意味です。
結局お客様とダイレクトに接しているのは現場の人間。
そして幹部達は基本的に接する機会が少ない事から、真のニーズは現場の人間こそ知り得ると言う事です。
「そんな事したら収集つかないだろ!!」「管理が面倒だ!!」なんて聞こえてきそうですが、これこそサービス業の本質、あるべき姿だと素直に感動した事から、記事にしようと考えたわけです。
全員経営から生まれる物は何か。
それは新たなサービスや商品です。
ヤマト運輸の場合、クール宅急便が有名です。
クール宅急便自体は今でこそ当たり前のサービスとして浸透していますが、サービス開始当時の1988年は革命だったとの事。
温度の管理を行い、エンドユーザーが不在時でも鮮度を保ち続けられる。
そして、こんな画期的なサービスはどのようにして生まれたかというと、お客様からのクレームだったと言います。
このように、真摯にお客様からのクレームを吸い上げて改善、新たなサービスのヒントにつなげる。まさに理想です。
しかし、こんな理想的な仕組みはそうそう簡単にできる事ではありません。
だって、提供する側ももちろん人間ですもの。
そりゃあ、クレーム聞いてればストレスも溜まりますよ。
そんなクレームを「いや、うちの業務外ですから。」「それは無理ですね。」などと言い訳をしてから、聞き流しているといつまでたってもそこそこの成長しかできないってことですよね。
故にクレームにこそ宝有りってわけです。
「いや」とか「でも」なんて誰でも言えるんですよ。
それを言わない様にしていかないとね(自分に対して)。
フィリピン英語学校に置き換えた場合、多いクレームは?
まずは先生の遅刻。
これは言い訳しようとすれば「フィリピン人ですからね」で片付ける経営者も多いはず。
これに関して私は、講師にこれでもかと言う程に徹底して教育はしているのだが、それでも改善には限界がある。
それに気付いたからこそ「生徒様がいない日は徹底的に遅刻しても良い。そのかわり生徒様がいる日には絶対遅刻するんじゃねえぞ!!!」と言う様にした。
開業当初から比べればだいぶ改善した様には思えるのだが、まだまだである。
次にやはり施設面。特に水圧問題だ。
「シャワーの水圧が弱い」。これはかなりの確率で頂くアドバイスである。
これに関しては、ひとまず応急的な処置として日本の高圧シャワーヘッドを購入、設置はしているのだがまだ不十分。
資金が準備できた際には真っ先に弊社専用の貯水タンクを購入する。
最後に一番大きな所、カリキュラムだ。
これは、どこの学校様でも独自のスタイルがあるはずだ。
しかしこれ、結構な確率でお客様本位ではないと私は感じている。
どんなお客様でもそのカリキュラムに沿って学習すれば成果がでます!!出ない場合はお前の努力が足りないからだ!!
もはや、ジャイアンではないでしょうか?
故に私たちは自分たちの置かれている立ち位置を自覚、認識し(カリキュラムだなんだと、偉そうな事を言える立場ではないと言う意)、まずはヒアリング。
そしてお客様を満足させる事ができなければ更にヒアリングと改善の繰り返しを行い、その先のカリキュラムなのではないか。
結果、現場の力が伸びて講師に応用力がつく。
そして個人個人に合った、半オーダーメイドのカリキュラムが作れる様な講師の地力こそが、一番このフィリピン留学という商売に必要な商品なのだと考えます。
カリキュラムはカリキュラムではなくお客様を満足させる為の商品であり、商品はお客様本位で考えてこそ成長する。
そして学校という名前でこそあるが、この業態は教育という物と同じ場所に商売という物が共存しているのです。
故に校長先生はカリキュラムを作る立場ではなく、カリキュラムを作る為にお客様から意見を吸い上げる事こそ仕事なのではないだろうか。
と、これが私の意見ですが、まだまだ達成できていない事は山積みです。
如何でしたか?これは実は前にブログで公開した記事なのですが、好きな記事だったのでこちらにも転載しました。
良ければこの記事はいくらだったら購入したか?をコメント頂ければ幸いです。