おじゃまします、京のまち
京都に旅するときは、いつも「おじゃまします」と靴を揃えてお辞儀して行くような感覚になる。確立された街に踏み入るご無礼をお許しください、みたいな。
先日、名古屋在住の友人と京都に行った。もともとは名古屋に1泊する予定だったけど、名古屋から京都まで30分くらいで行けると知り、「それなら京都も行こうよ!」となったのだ。東京から京都は3時間くらいかかるのに、30分で着くなんて得した気分。
駅を出ると、さっそく京都タワーがお出迎え。
今日のお宿
今回は1泊2日の予定。ホテルは事前にBooking.comで予約しておいた。荷物を預けるべく、チェックイン前に七条にあるホテルへ向かう。
外観を見た瞬間、勝ちを確信した。絶対に居心地いいホテルだ…。心の中でガッツポーズ。
中に入ると、確信が磐石なものとなった。
荷物を預け、さてどこに行こうか。一緒に回ったらどこに行っても楽しいだろう、という気持ち(慢心ともいう)から何もプランを立てていなかった。「せかせか名所を回るよりも、ゆっくり落ち着く旅にしたい」という認識はふたりの中で一致。フロントのお兄さんに相談したら、地図にあれこれ印をつけてくれた。今回の旅は、フロントのお兄さんプレゼンツだ。ありがとうございます。
東本願寺へ
地図を見ると、宿から近い場所に東本願寺があるので行ってみることに。このとき、時間は11:00くらい。
10分くらい歩くと、黒くてかっこいい建物が現れた。東本願寺だ。
大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」を見ているおかげで歴史に興味が出てきたタイミングだったので、説明の看板を食い入るように読みながら進む。
本堂の中にも入ることができた。(撮影禁止なので写真は無し)
曇りの白い空と相まって、黒を基調とした建物はキリッとしてかっこいい。
小腹を満たす、まあるいわらび餅
東本願寺を出る頃には、12:00前になっていた。そろそろお腹がすいたなぁと思いながら歩いていると、大通りに面した和菓子屋さんが。
不思議な形のわらび餅が売っていたので、思わず購入。透明のもちもちした餅にきな粉がファサーと絡まってるイメージだから、大福みたいにコロンとしているのが意外で。食べてみると、しっかりわらび餅の味がした。
京都御所へ向かう
京都といえばバスで回ることが多いけど、乗り場を間違える自信があったので今回の旅は電車+タクシーで乗り切った。
お昼ごはんは何にしよう
烏丸まで電車で行き、京都御所へ向かうべく歩く。途中で良さげなお店があれば、そこでランチをするつもり。食べログに頼らずに、己の勘が働いた場所でご飯を食べよう、と意気込んでいた。
自分たちの勘と相談しながら、右や左をキョロキョロ。
「お、良さそう」というごはん屋さんを見つけても、「でも、まだこの先に歩いていけばもっとビビッとくるお店があるかも…!」と欲張りになってしまって、なかなか決めきれない。
そうこうしているうちに、14:00になりそう。実に2時間。私たちは正真正銘の優柔不断。
よし、次に見つけたお店に決めよう!とエイヤでお店を決めた。のはいいけど、7組待ち。呼ばれる番になったらメールが来るハイテクシステムなので、もう少し辛抱して烏丸御池あたりをプラプラすることに。
耐えきれず、グルテンフリーのマフィンを食べた。空腹感が募っていたこともあり、やさしい甘さがじわーっと体を満たしていく。「おいしいね…!」とお互いに満面の笑みで目を合わせる。
チョコレート屋さんでパスタを食べる
そしたらちょうどよくランチ予定先から「もうすぐですよー」のメールが来た。ナイスタイミングだね!と自分たちの運をヨイショしながらお店へ向かう。
チョコレートを扱うカフェの2階がレストランになっている。ボロネーゼにもカカオをかけてくれた。おしゃれ。
楽しみにしていた分だけ、美味しさもひとしお。これまた「おいしいね…!」と噛み締めながら食べる。
待っている間にすてきなカトラリー展や写真展を見れたし、お土産のチョコレートも買えたし、なんだかんだいいことたくさん。計画どおりに、効率的に回るのだけがいい旅ってわけではないなとしみじみ。
京都御所に向かう
お腹を満たしたところで、京都御所へ向かう。
皇室のお宅へおじゃまします。お庭が広い。とても静か。京都に住んでたら、週末の朝に来たいな。
子供が駆け回っていたり、静かに読書をする人がいたり、穏やかな公園となっていた。
ずーっと真っ直ぐ歩いていくと、門があらわれた。(門からしたら、私たちが突然あらわれたのだけど)
閉まっている…?今日は定休日?他の方も「?」って感じで一瞬止まって左の方へ歩いていく。Googleで調べると、他に正門がありそう。私たちも右に倣って、左へ向かう。
ちゃんと正門は開いていて、中に入れた。おじゃまします。
京都御所でとても良かったのが、「この場所は当時こうやって使っていましたよ」と細かく解説の看板が立っていたこと。おかげで、当時の暮らしを想像しながら回ることができてよかった。
地面が白くて、空も白くて、なんだか現実離れした世界に来たかのようだった。
お庭。かつても、この橋を渡って庭を眺めたりしたのかな。
朱色の建物も鮮やかできれい。白の空によく映える。真っ赤じゃないのが、目にもやさしくて良い。
鴨川等間隔、スタバで川床体験
京都御所をあとにして、タクシーで鴨川沿いに向かうことに。今回の旅、タクシーアプリGOにかなりお世話になった。友達紹介キャンペーンでクーポンを持っていたので、お得に使わせてもらった。
車ってすごい。車ってはやい。あっという間に三条のあたりに着いた。
鴨川沿いに来た目的は、川床(納涼床)を体験するためだ。もうすぐ夏になる。この時期、鴨川には川床が設置される。
でも、川床でご飯食べようとするとなかなかなお値段するんですよね…。そこで、穴場なのがスタバ。三条にあるスタバにも川床が出ていて、リーズナブルにお手軽に川床を体験できる。友人は川床未経験ということで、スタバに行くことにしたのだ。(経験者ヅラして書いているけど、私もスタバの川床しか行ったことない)
猫に引き寄せられつつ、歩いてスタバに向かう。
たまたま、いちばん川側の席を取れてラッキー。
席は1度決めたら変えられず、川床席への滞在は1時間までと決まっているそう。川床、人気だろうからね。
ここで飲んだホットティーは、なんだか風流な味がした(いつもと変わらないハイクオリティー)
夜ごはんは、おばんざい
スタバを飲んで小腹を満たしたあとは、本格的にお腹を満たしたくなってきた。夜ご飯をこれから探す。なんとなく、「おばんざい食べたいね〜(お腹にやさしいものを食べたい)」って話していたのでおばんざい屋さんを探す。
この頃、時間は18:00頃。
私たち、京都の夜をナメていたようで。訪ねた先々で、「ご予約されてますか?」の先制ジャブ。「ウッ…予約してません出直します…」と引き下がる私たち。Googleマップで調べたら、評判が良さそうなお店が近くにあったからダメ元で訪ねることに。(ダメなんだろーなー)と諦めムードでお店の戸をあけ、「2名で予約してないんですが…」と声をかける。「いらっしゃいませー!2名様どうぞ^^」
え、いけた!
捨てる神あれば拾う神あり。入れないおばんざいあれば、拾うおばんざいありだ。
おいしい…!全部おいしい。手前のポテトサラダ、今まで食べたことが無い味だねって話してたら、カウンター向こうの店員さんが「それ、ガリ入ってるんですよー」と教えてくれた。ガリ!なるほど!
店員さん、基本放っておいてくれて、気になることがあると話しかけてくれて、ちょうどいい距離感でよかった。
友人とは地元が一緒で、幼稚園から知っている。会おうと思えばすぐ会えた。それが、いまは神奈川と名古屋。会おうと思っても、すぐには会えない。積もり積もった話が尽きず、あっという間に時間が過ぎた。
ホテルの部屋、やっぱりすてき
良いお店だったね、楽しかったね、と話しながらタクシーでホテルに戻る。
昼にロビーは見ていたけれど、部屋にはここではじめて入る。素敵だろうとはわかりつつも、部屋のドアを開けるときは少しドキドキした。
はーーー。やっぱりすてきだった。きれいで落ち着いた配色で、木のおかげでぬくもりも感じる。無機質すぎない、でも有機質すぎない。
このソファがとってもよかった。床とソファの間がやや開いているから、木のサイドテーブルを好きな位置に動かせるの。これ、欲しい。
お風呂は大浴場へ。案内もミニマルでかわいい。
お風呂も種類は1種類だけど大きい湯船で、1日歩いてつかれた身体がじんわり温まった。
次の日の計画を立てようとするも、話が脱線しまくって、結局1時間後になんとなく予定が決まって寝た。(最近は旅行でも夜更かししない。睡眠第一。)