動物園をゆっくり楽しむ
歳を重ねるごとに飲み会が減って、ランチの機会が多くなった。ジャンキーなものを食べなくなって、和食が増えた。年齢と共に物事の楽しみ方が変化している。動物園での楽しみ方も、昔とは少し変わった。
よく晴れた日曜日、午後からゆっくり行動開始。電車とモノレールを乗り継いで、動物園に向かった。高架を走る電車とあまり変わらない気がするんだけど、モノレールってやけにワクワクする。むかし夢見た近未来の光景っぽいからだろうか。
モノレールで行く動物園といえば、そう。多摩動物公園にやってきた。
園内マップはスマホで読み取れるようになっていた。便利。(でも結局紙のマップをもらって見てた)
この日は動物園に行く!ということで、気合を入れてカメラを2台持ってきた。1台はいつも持ち歩いている、軽くて小さいカメラ。これに加えて、フルサイズのガチンコカメラを持ってきた。撮るものがはっきりしているし、動物とは基本的に距離が離れているから、少しでも寄れるレンズを持って行きたくて。
冒頭で動物園の楽しみ方が変わったと書いた。昔は、とにかく全部の動物を見るぞ!制覇するぞ!って感じでせかせか小走りで周っていた。はい次!さあ次!って感じで、ポイント通過することが大事だった。
のだけど、とあるドラマがきっかけで、考え方が変わった。
それは「ソロ活女子のススメ」というドラマで、主人公、早乙女恵さんがいろんな場所をひとりで楽しむというお話。このドラマの中で動物園の回があって、そこではせかせか動物園を走って焦って巡る人たちが描かれていた。(それを否定するのではなく、そんな楽しみ方もあるよねと許容するのがこのドラマの良いところ)
では、ソロ活女子である早乙女恵さんはどんな楽しみ方をするのかというと。自分の推しの動物をじっくり堪能するのだ。彼女の推しは、ゴールデンイーグル。一眼カメラを片手に、自分のために推しの写真を撮る。1匹の動物にじっくり向き合う。
その楽しみ方を知ってから、以前よりも好きな動物に集中してゆっくり回るようになった。私の推しは、3種類の動物たち。
レッサーパンダ
まずは、レッサーパンダ。山のように坂が多い多摩動物公園の、いちばん上のあたりが住処。好きという気持ちを原動力に、会いに行きました。(体力がないので休憩しながら)
最初は、ずっと遠くにいた。穴から出たり入ったり。
10分以上見ていたら、ふいに近くに来てくれて。
そして、こちらを見てくれるという特大ファンサをしていただいた。(きゃ〜〜〜〜〜)と心の中で歓声を上げながら目尻を下げて口角を上げてシャッターを切りまくった。
とっても可愛い眼差しをこちらに向けてくれて、レッサーパンダはまた穴の向こうへ去っていった。かわいい姿を見せてくれてありがとね。人は、こういうとき語彙力を失うね。かわいいという単語しか口から出てこなかった。
キリン
推し、次はキリン。
これ!というはっきりした理由はないけど、昔からキリンが好き。高校の文化祭で、私がキリン好きという勝手な理由でクラスTシャツの絵柄をキリンにしたことも。
ちょうど飼育員さんが掃除をしていて、キリンたちが一箇所に集合していた。
親子かな?首を伸ばして触れ合う姿がほほえましい。
猿
猿は、ずっと見ていても飽きない。猿山に集団生活していて、そこに社会が出来上がっている。人間関係ならぬ猿間関係が垣間見える。こっちを見れば「あ、あの2人は仲が良いんだな」、あっちを見れば「喧嘩してる!」。私たちに見せるために動いているわけではないけど、勝手に覗き見させてもらって、勝手に楽しませてもらっている。
リアクションがオーバー気味なのも、感情を読み取れるような気がして面白い。
いろんな動物たち
推しとは言ったものの、ソロ活女子早乙女恵さんと違って、私は結局いろんな動物を見て回った。
サイ
サイはやさしい目をしているのだと知った。
ユキヒョウ
暑くてぐでーんとなる姿が、我が家の猫と重なった。ネコ科だもんね。ボールで遊んでいる姿も見たけど、仕草は猫そのもの。
ライオン
サファリパークのように道路が通っている広場のようなところに、何頭ものライオンたちがいた。
みんな、撮らせてくれてありがとうね。
おわりに
せかせかせずに動物園を回ると、良いことがたくさんある。動物の姿をたっぷり愛でることができるだけじゃない。時間に余裕があるぶん、動物の解説文をじっくり読むことができる。恥ずかしながら、私は今まであまり読んでなかった。
今回は飼育員さんによる解説をしっかり読んで、それぞれの動物の名前や生態を知った。見ているだけではわからない、性格や生い立ちまでそこに書いてある。飼育員さんが日々動物と向き合っているからこそ知り得る情報。私はこの日の中のほんの少ししか動物と対峙していないけど、飼育員さんと動物園の子たちは、きっと家族みたいに濃い時間を過ごしているんだなあ。元気な姿と詳細な解説を見て、飼育員さんとたくさん楽しい時間を過ごしてほしいな、と願うような気持ちになった。
動物園に行くときは、ゆっくりたっぷり時間を使って、好きな動物と飼育員さんの愛情詰まった解説を読んでみてはいかがでしょうか。