First Hunt-「いただく」ということ
山奥の道を車で走っていた。人里離れたそこはとても静かで、小さな集落が1キロほど離れたところにあるくらいだ。この日は鴨撃ちの場所探しのため鳥が居そうな池を転々と回っていた。程なくして前を走っていた他県ナンバーの車が川沿いで停車した。ふと右の川を見ると、雪に深く覆われた丘の横で鹿がじっとこちらを見ていた。その姿は美しく雪山の間に凛々しく佇んでいた。僕も車を路肩に停め、車内からその光景をじっと眺めていた。前の車からは子供を抱き抱えた父親と母親が出てきた。暫くしてその家族は車へと戻り