その日常にクラブがある喜び
【ALB Link Vol.7 -2020.7.29 新潟vs東京V-】
前節、名前を言ってはならない(笑)あの選手のスーパーミドルで2試合ぶりの勝利をあげた我らがアルビレックス新潟。
ただ、今節は過去20年間の公式戦で一度も勝ったことのない超難敵、東京ヴェルディとの戦いです。
こんな不名誉な記録はなんとしても今回で断ち切ってもらいたいところです!
さて、ここで読者のみなさんに質問です。
皆さんは東京ヴェルディがやっているビジネスカレッジの存在をご存知でしょうか。
東京ヴェルディが2019年から始めたビジネスカレッジ。その名を「ヴェルディカレッジ」といいます。
(ヴェルディカレッジの詳細は以下の記事をご参照ください)
どうしてここで今節の相手チームが運営するビジネスカレッジについて話しているのか。
それは何を隠そう、これを書いている僕自身がヴェルディカレッジの2期生だからです。
では、どうしてアルビレックス新潟のサポーターである僕は東京ヴェルディが運営するビジネスカレッジに入ることを決めたのか。
いくつかある理由の中で一つ挙げると、東京ヴェルディというサッカークラブを教材にビジネスを学ぶことが出来る点が魅力的だったということがあります。
近年、スポーツビジネスという言葉が浸透し、自分のようにスポーツ業界で働きたいと考える学生が増えてきたこともあり、インターン生として積極的に学生を採用したり、大々的にインターンシップの開催を告知したりするスポーツチームが増えてきました。
ただ、短期間のインターンシップでは深く業務には関われなかったり、言われた業務をこなすだけで精一杯になってしまい、「ただインターンシップに行っただけ」になってしまうパターンがあります。
しかし、ヴェルディカレッジではあらかじめカリキュラムが定められており、学生の育成コンセプトがきちんと明文化されているため、ひとつひとつの講義や活動から伝わる明確なメッセージを感じながら、活動していくことが出来ています。
また、ヴェルディカレッジは活動におけるインプットとアウトプットのバランスがちょうど良いと感じています。
基本的に週一回の講義でインプットした内容を、その講義に関する課題や、配属チームでの活動に活用する流れになっているため、活動のやりがいと小さいながらも自らの成長を感じることが出来ています。
前文で「配属チームでの活動」と書きましたが、ヴェルディカレッジでは20人ほどいるメンバーがスポンサー営業やメディアプロモーション、ファンデベロップメントなどの各部署に配属されます。
僕自身は現在、ホームタウンチームで活動しているのですが、活動を通して最近感じている事がひとつあります。
それは「ホームタウンでクラブの存在を感じられることの大切さ」です。
東京ヴェルディはJ1、J2、J3の全56クラブの中で唯一、ホームタウンにホームスタジアムが無いクラブ(味の素スタジアムがある調布市はFC東京のホームタウン)であるため、ホームタウンとの連携が他のクラブ以上に求められています。
新潟においては、地域にあるJリーグクラブがアルビレックス新潟のみということもあり、駅構内や駅周辺のフラッグやバナーから新潟という街にアルビレックス新潟というクラブが存在していることを強く感じることが出来ます。
これら2枚の写真のような光景は新潟に住んでいる人達にとってはよく見る当たり前の光景かもしれません。
しかし、一つのエリアに複数のクラブが存在している地域や都市部の地域でこのような光景を生み出すことは、新潟のような地方クラブよりもハードルが高くなるのです。
前述したように、東京ヴェルディのホーム「味の素スタジアム」がある調布市はFC東京のホームタウンということで、駅を出てからスタジアムまでの道はFC東京一色になっているため、電車でスタジアムに向かうことを好まないヴェルディサポーターもいるんだとか。
(飛田給駅前の「すき家」でさえもFC東京一色です)
そんな状況のなか、東京ヴェルディは「Paint Tokyo Green」という活動を行っています。
この活動はクラブの公式サイトで以下のように紹介されています。
『Paint Tokyo Green』とは、東京ヴェルディのホームタウンで生活される皆様にとって、日々の生活の中で「ヴェルディをより身近に感じる瞬間を増やすこと」を目的に、街頭フラッグや広告の掲出などをはじめとした様々な取り組みを行っています。
僕はこの紹介文の中にあるような「クラブをより身近に感じる瞬間を増やす」ということが本当に大切だなと感じます。
この記事を読んでくださっている皆さんも、試合日だけでなく、日々生活する中で応援するクラブのポスターやバナー、クラブカラーの物を見つけるだけでクラブに対する誇り、街にマイクラブがある喜びを感じるのではないでしょうか。
またサポーターではない人達も、毎日使う駅や通る道にバナーがあったり、買い物をするお店にポスターが貼ってあれば、クラブの存在が自然とすり込まれていくのではないかと思います。
もちろん、このような街におけるクラブの存在をアピールするような活動だけでは入場者数は増えませんし、クラブの収益も増えません。
しかし、ファンがいなければ成り立たないスポーツビジネスでは、「Paint Tokyo Green」をはじめとする、いくつもの地道な活動が非常に大切なのだということもこれまでの活動で学びました。
華やかな仕事のように思われがちなスポーツ業界ですが、実際は地域の企業をリストアップして一つずつアプローチをかけていくというような、地道な活動の積み重ねで成り立っています。
僕自身、今ちょうどホームタウンの企業をリストアップする作業にとりかかっているため、早速その厳しさと大変さを実感している所です(笑)
新型ウイルスの影響で、東京に行けなかったり、試合運営に関われなかったりと様々な制約はありますが、今自分ができることを精一杯やり、ヴェルディカレッジでの活動に全力を注いでいこうと思います!
と、ここまでヴェルディカレッジについて長々と、少々熱く、書いてきた僕ですが、明日の試合はもちろん新潟を応援します(笑)
今節もDAZNでの観戦にはなりますが、東京ヴェルディからの初勝利&今シーズン初の連勝を祈ってPCの前から念を送り続けたいと思います。
誠ボランチ