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ギルドハウス十日町にある「ひとの集う仕掛け」がわかりにくい理由
「秋分の日」が過ぎ、今夜は「十五夜」「中秋の名月」。
そんな時季にこのnoteを書いています。
昨夜は毎月やってくる仲間のための誕生会を開きました。彼のためにと岩手県の三陸・宮古市の知人に頼んで送ってもらった大トロの秋刀魚を炭火で焼いて。茶の間いっぱいの十数人でにぎやかに食べました。
また、つい先ほどなんかは、大家さんがたくさんの栗を持ってきてくれて。「皮のむき方、知ってるかい?」「ネットで調べてみます」「ほー、わしにも見せてくれんかの」というので、いっしょにYouTubeで《栗の皮を20秒ではがしちゃおう》という動画を観たりして。
そんな初秋の今日このごろ。
「ハルさんの言う《100個以上の仕掛け》を見つけにやってきました」
というひとが立て続けに来たので、久しぶりにわが家「ギルドハウス十日町」の仕掛けについて書いてみようと思います。
まず、彼らが仕掛けをどれだけ見つけられたかというと、それぞれ0個か1個でした。その1個を見つけたひとも、それがどういう仕掛けなのかについては半分だけ当たっていましたね。
ちなみに冒頭の写真には大きなもので主に4個の仕掛けがあります。
なんとなくわかりますか?
この3年あまりで、じぶんは延べ7,200人以上の訪問を受けてきました。
なかにはプロとして仕事として場づくりをしているひともたくさんやってきました。それでも見つけられたのはせいぜい多くて3個ほど。さらにそれぞれの理由を答えられたのはひとりもいません。
しまいにはしびれを切らして聞いてきます。
そんなときにいつもじぶんが説明していることを要約すると
・場に対する仕掛け、ひとに対する仕掛け、情報発信における仕掛けの3つに大きく分かれるということ
・それが100個以上あるということ
・仕掛けは日常のなかで増えているということ
・100個以上ある仕掛けは全要素の1割程度だということ
そして、最後が肝心なのですが
・ひとの無意識なところに仕掛けているということ
です。
じぶんは無意識に仕掛けるということを常に意識しています。
というのもこの世界は、というかとくにマチナカには意識的にというか目的あって行く所ばかりのような気がします。
カフェはコーヒーなどを飲みに行く所。
テーマパークは乗り物などで遊ぶ所。
駅は電車に乗る所。
などなど。
それらには何らかの目的がないと足が向くことはないだろうし、その場所での身の振り方はたいてい意識的にならざるを得ません。
もちろんそれらは必要な場所であるけれど、そういった所ばかりだとバランスが悪いような気もします。
では反対に、無意識でいられる場所といえば?
そう、住まいです。
ほっとひと息ついて、無意識に眠ることのできる場所。
ギルドハウス十日町は、お店でも宿でもありません。
あくまで住まいなんです。
だから無意識下に仕掛ける必要があります。
そんな仕掛けばかりなので、気づかないのも無理ありません。
無意識に感じるように仕掛けているんですから。
ちなみに冒頭の写真のなかにある主な仕掛けですが。
1. テーブルの天板の角がすべて丸い
会議室によくあるような角ばった机と違い、やわらかなコミュニケーションが生まれやすくなります
2. 座布団やソファが不揃い
会議室のように同じデザインの机と椅子が並ぶのではなく、雑多なコミュニケーションやアイデアが生まれやすくなります
3. 照明が暖色系で薄暗い
落ちつきます。さらに家のなかで明るい場所が限られるので、そこにひとが集まりやすくなります
4. じぶんの席を決めてあります
いちばん奥のだけ背もたれの広い椅子がありますね。そこがじぶんの席。ほぼこの席にいるというだけで、住人や訪問者に安心感を与えるようで、じぶんと話をしたい人は自然と近くに寄ってきます
いかがでしたか。
「あ、やっぱり!」
という仕掛けはあったでしょうか。
ギルドハウス十日町を立ち上げる前、3年以上も全国の交流の場をめぐる旅のなかで、いろんな仕掛けを学びました。
その多くが意識的に仕掛けるものばかりでした。
たとえば
「立地は駅から徒歩5~10分以内で、ひとどおりの多い所に」
とか。
あくまで無意識でいられる住まいであること。
シェアハウスでもゲストハウスでもなく、ただの住まいに100個以上の仕掛けを施した家がどれだけあるでしょうか。
あるようでなかった住まいは、こうして出来ているんです。
とここまでnoteを書いていたら、午前中に出かけたひとたちが戻ってきました。するとさっそくふたりが横になって無意識の世界に眠り込んでいます。
あなたにとっての、無意識でいられる第三の場所、ありますか?
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