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【大分】vsFC東京(H) さらに上を目指すために
引き分けってとても難しい。ビハインドから追い付けばもちろん嬉しいし、リードした展開からの引き分けはモヤモヤが残る。結果としてはドロー。良く捉えるか悪く捉えるかは人それぞれだな、と思う。
良くも悪くもない90分で、たまにハッとする事がある。この日はそんな試合だった。苦しい展開から町田のゴールでなんとか追い付いた76分。喜ぶ選手達の中で1人だけ、ゴールネットからボールを抱えてセンターサークルに戻る選手が居た。下田北斗だった。
「大分は死んでない」
あの日からもう15年以上経ち、なんやかんやありつつ再びJ1に戻ってこれた。が、少しだけ、少しだけある閉塞感。死んではいないし生きてはいるが、なんか物足りなさを感じた昨年。
なんて傲慢なんだろうとは常々思うが、大きく変わろうとしている年に一番変えるべき所は何か?戦術でも選手でもなく、クラブの在り方だと思ったりする。
マグノのあの言葉を聞く数年前。自分は小学生だった。家族で見ていて話す中で父が発したふとした一言が引っ掛かりを持っていて、今でもふと思い出す。
「トリニータって行儀のいいチームよな」
木島とかウィルとか居たし何言っとんのや?って当時は思ったが、なんかしっくりしていてふとしたプレーや言動で、感じとれてしまう。
どこかでふと足が止まって、想像の範疇をあまり越えない。セルフジャッジをしたりとかで表層に現れる。2014年の水戸戦(●2-3)とかが印象に残ってる。
一方で1つの目標のために、となると突然ポコッと想像を大きく飛び越えて、とても大きなうねりとなって感情を揺さぶる。抜群のストーリー性もあるオマケ付きで。
ナビスコ決勝の高松のヘディング。同じようなシーンで高松が外して厳しい年になることを悟った2013年ホーム鹿島戦(●2-3)。そしてJ1再挑戦の2019年浦和戦の後藤のヘディングは西川から奪った決勝点で、あの梅田とマグノが決めた日以来の埼スタでの勝利だった。
大混戦で狂気のシーズンだった2012年は林のループシュートで締め括って本当に神は居る!!!なんて思ったし、入替戦で高松が外したPKで柳田は一生許さんと心に誓ったり。
……話は逸れたが、「これだからトリニータはやめらんねぇんだよな~!」って思う。
大分トリニータは行儀の良いチーム。それで結構ではないか。行儀良くて勝てるチームになってほしい。今見たいのはピッチから伝わる「貪欲さ」だ。
球際で負けない、焦れずに相手を動かす。ここをベースに守備第一でゲームを造る。新加入の選手がたくさんいるのに誰が出てもできるのは積み上げの証左だ。ここにこだわりをみせてほしい。もっと要求してほしい。ピッチの選手どうしでも、ピッチの外の我々にも。
一致団結。ありきたりだけどとても合ってると感じる。
勝つためにできる最大限の事を増やす年になればいいな、なんて思います。そのためのサポートをします。
この勝点1を価値あるものだった、と言えるシーズンにしましょう。