療育ジプシー
今でこそ、落ち着いて息子と楽しくやれていますが、ここに至るまではバッカじゃないの!と思われるくらい色んなことをやってきました。そうなったきっかけがあります。
1歳半の検診でひっかかり、発達検査、発達支援センターの面談を経て、2歳の4月から自治体の発達支援センターの教室へ週1回通うことになりました。
子どもは10~15人くらい、先生が3人。体操からはじまり、その日によって体育のような体を動かすことをやったり、みんなで遊んだり、最後におやつの時間があって終了という教室でした。
しばらく通った後、途中で親子別室の時間が設けられるようになりました。親は別室で交流会をしたり、勉強会で作業療法士さんの話をきいたりします。
この時、作業療法士さんや理学療法士さんに直接つま先歩きについて質問をしてみました。「ハイカットシューズ履かせてみたら」「ジャングルジムをのぼらせたり・・・」という返答だったので両方やってみましたが、残念ながらうちの子には成果はありませんでした。
夏頃、センター内で任意で発達検査と医師の診察を受けられると案内があり、私は医師の診断を受けるにはまだ早いと思って発達検査だけ受けることにしました。
次の週、教室で知り合ったママと帰っていて、そのママのお子さんが自閉症の診断をくだされたとききました。(正式には自閉スペクトラム症ということになるのでしょうか。当時の診断名はわかりません。)
「わかっていたけど・・・わかっていたけどね・・・いざはっきり言われると・・・つらい・・・」そのママは目に涙をためながら声をしぼりだすように言いました。
そして私の前だったからだと思いますが、気丈にふるまって「わかってすっきりした部分もあるけど・・」と言いました。
「これは何とかしなければ・・」
そのママのお子さんはウチの子とは比べものにならないほど会話ができて理解力もあり、最初、どうしてここに来ているんだろうと思うほどだったから、診断を受けたということに私もかなりショックを受けたからです。
そして他にできることは何かないかと探して、ABAのフリーオペラント法に行ってみることにしました。
療育の中で、元々ABA(応用行動分析)というものがあり、そこから発展(派生?)させた方法で、かなりざっくり言うと、子どもをイスに座らせての訓練(支援者の方からのアプローチ)ではなく、子どもの日常の行動や発した言葉に支援者が合わせるという療育方法でした。
初日、教室には室長らしき先生と実際に子供と関わってくれる指導員の先生がいて、教室長の先生と話しをしている間に子どもの様子をみてくれることになりました。おもちゃがたくさんあって、うちの子は最初おそるおそる触っていましたが、教室長の先生と話しているうちに気がついたら指導員の先生の膝の上にのって足裏のマッサージを受けていました。
この時、室長先生の最初の言葉が「お母さん、がんばってますね」だったから泣きそうになったことは忘れられません。
次の週、自治体の教室で支援者からのフィードバックがありました。「Yくんはお友達とのかかわりの前にまず、大人とちゃんとかかわれること。まず大人とかかわれて、それからお友達だから」。発達検査をふまえたものだったけれど、上からの物言いとダメ出しに何か違和感がありました。
確かにウチの子はいつもひとり離れてアシカみたいなポーズをとってました。でもABAの教室では、初対面ですぐ先生のひざの上にのって遊んでましたけど!?
支援者の先生のいうことを素直にきく人なら「そうですか」で終わりなんでしょうけど、私はひねくれ一匹狼の負けず嫌いなのでそこでカチンときてしまったんですね(^^)本来複数の子どもを同時に見るのとマンツーマンではやることも違うし、比べられないですよね。
その後自治体の教室は辞めることにしたのですが・・・
いつもの親子別室の時間、親の前でいきなり支援者の先生が「Y君はやめることになりました。途中でやめられると困るのよね。他に入りたい人いっぱい待ってるからね。いろいろと手続きがあるし・・。やめるときは2カ月前に言ってね。」と言いました。
前出のママに帰り道で「見せしめみたいやったね」と言われました。私もそう思いました。私以外にやめていった人を知っていたからです。
支援者の皆さんはがんばってやってくださっていて、何より自治体ということは税金ですから通わせてもらっていることに感謝しなければなりませんが、その時はそんなことを考える余裕が全くありませんでした。
「私が絶対に治してやる」
そして療育ジプシーの道へと入っていくことになるのです・・・