
Youtuber版・男性アイドル
2010年代に入ると「エンタの神様」・「めちゃ2イケてるッ!」・「笑っていいとも!」といったお笑い&バラエティ番組が軒並み終了。さらにテレビで活躍しているジャニーズなどの男性アイドルたちもファンも含めて高齢化が進み、若者のテレビ離れや少子化等も相まって10代~20代が憧れるアイドル的人気の有名人が不足していた。
その代わりにYouTubeで活動している男性ユーチューバーたちに人気が集中する状況が続きました。彼らは「近所のお兄さん」・「年上の優しい先輩」・「男友達」といったイメージを掲げながら親しみやすい存在として10代の中高生を中心に人気を博した。

2010年代は芸能人がYoutubeへほとんど参入していなかったのでネットではYouTuberが人気を独占した。またユーチューバー界は男性の人口が多く、ファン層も10代~20代前半の女性層(ティーンズ)が中心であるため、事実上、「男性アイドル」に近いポジションだと見ることが出来る。
●UUUM

「Youtube版のジャニーズ事務所」
Youtuber事務所として有名な¨UUUM¨は起業当初は委託された商品をYouTuberに紹介させて収益を得ていたが、YouTuber個々人を一人のタレントとみなしてマネジメントを行う方が良いと判断して軸足を移した。このときにUUUMがお手本にしたのがジャニーズ事務所である。男性のユーチューバーをたくさん所属させ、視聴者のターゲットを10代・20代女性(または子供)にして、男性アイドルと同様に若い女性向けに売り出していくように方向転換したところ、成功を収めた。
※代表的な男性ユーチューバー
●HIKAKIN / はじめしゃちょー

日本のYouTuberのパイオニアと呼ばれているHIKAKINはゲーム実況・商品紹介・検証系・ビートボックスなどのジャンルの動画を投稿しており、彼のファン層は主に児童層と10代~20代の女性層が中心である。はじめしゃちょーは実験系や体を張ったネタ・ドッキリ系などのジャンルで、またこの2人に加えて、タケヤキ翔・ワタナベマホト・ヒカルなども低年齢層や若い女性に人気を獲得した。これらのソロユーチューバーたちは事実上、現在では珍しいソロの男性アイドル的なポジションに位置していると言えるでしょう。
●東海オンエア

「Youtuber版の嵐」・「Youtuber版のももいろクローバーZ」
グループで活動しているユーチューバーの中で人気はトップであり、10代~20代の女子層からはジャニーズ並みの圧倒的な人気を得た。「グループの仲良し的なイメージ」・「女性ファンが多い」・「男性アイドルのような側面」・「人気ぶり」はジャニーズの嵐に近い雰囲気を感じられる、東海メンバー本人たちもテレビで嵐を見て育った世代である。{メンバーそれぞれにイメージカラーが設定されている}・{コメディ・ギャグ要素が強い}点はももいろクローバーZに似ている。
当初は男女共にファン層が同じくらいの比率であったが、2017年に現在の所属事務所であるUUUMに加入した後、ファン層はほぼ女性が中心になった。2020年代に入り、芸能人やタレントがYoutubeに多く参入するようになった。彼らは他のユーチューバーたちが再生回数・登録者・収益が激減し、人気が低迷している中で古参のグループYoutuberとして活動を続けているため人気を維持している。
●フィッシャーズ

東海オンエアとライバル構図となったグループであり、同じUUUM所属、女子中高生のファンが多い、メンバーにイメージカラーがある、同時期にブレイクしたこともあって何かと比較されることが多かった。しかし、2020年代に入ると以前と比べて少し勢いが衰えた。
●QuizKnock

「楽しいから始まる学び」 や「身の回りのモノ・コトをクイズで理解する」 をコンセプトに東京大学などの卒業生及び現役生らにより結成された。メンバーが男性のみで構成されており、U-Fesなどのイベントでは他のユーチューバーと共演したり、テレビにも出演することもあるので自然に女性のファンが多く付くような構図となっている。女子学生のファンが中心であることや学生たちの憧れ(先輩のような)的な存在となっている点は男性アイドルに近いポジションと見ることができる。
●NextStage

2016年11月にヒカル、ラファエル、禁断ボーイズ、怪盗ピンキーによって結成されたYoutuberグループ。もともと女性ファンが多かったヒカルだがグループとして活動することでよりアイドル性が強化された。賞金レースやゴチバトル、アカペラカラオケなどグループならではの企画を投稿し、人気を集めた。
●コムドット

「Youtuber版の三代目JSB」・「Youtuber版のLDH」
2018年、¨地元ノリを全国ノリに¨ というスローガンを掲げ、幼馴染み5人組で結成された。2020年代に入り、東海オンエアの対抗馬的なポジションだったフィッシャーズに代わって人気を獲得し、今度は東海オンエアとコムドットがライバル構図となった。

東海オンエアがYoutube界で嵐のような存在であれば、コムドットはEXILE系(三代目JSBやGENERATIONS)のようなポジションだと言えるだろう。また彼らは東海オンエア、フィッシャーズ、HIKAKINといった他のユーチューバーたちと比べてメンバーのルックスが良く、全員が高身長なのも特徴的である。2022年にはフジテレビ系列で初の冠番組「コムドットって何?」が6話限定で放送、株式会社eStreamとコラボした「コムドットチップス」が発売され売り切れが続出、ユーチューバーとしては異例と言われるファッション雑誌の表紙を飾るなど10代の若者に絶大な人気を得ていることが証明された。
男性グループだけでなく、近年では混成グループも人気を得ていますね。
●Team48(フォーエイト)

「Youtuber版のAAA」
もともと個々でTikTokerとして活動していたメンバーで結成された男女混合のアイドルYoutuberグループで、ドッキリ・ダンス、歌・恋愛を題材にした様々な動画で10代を中心に人気を集めている。楽曲の発表やライブも行っており、2022年にはユニバーサルミュージック内の邦楽レーベルVirgin Musicからメジャーデビューした。
2010年代後半から2020年代前半まではYoutuberが台頭しましたが、近年では若い女性たちの間でもゲームが人気を得ているので次世代はプロゲーマーやゲーム実況者などがアイドル的な存在になるかもしれませんね。