90年代にデビューしたSMアイドル

韓国エンターテインメント界を代表する芸能事務所の1つであり、韓国でK-POPアイドル市場を事実上初めて開拓した会社でもある。90年代にSMエンターテインメントからデビューしたアイドルたちをご紹介します。

●ヒョン・ジニョンとワワ

韓国で初めてヒップホップを取り入れたダンス歌手

「韓国のBobby Brown」
本来はアイドルというよりもソロ歌手という立ち位置であるが、音楽番組などではバックダンサーの"ワワ"と共に3人組で出演することも多かったため、事実上、アイドルグループのような活躍をした。アメリカの歌手、ボビー・ブラウンをベンチマークしたとされ、ソテジワアイドゥルよりも先に韓国でヒップホップを取り入れたアイドル的歌手である。

ヒョン・ジニョンのロールモデルとなったBobby Brown 

彼らの踊るぴょんぴょんと跳ねるようなステップは「うさぎダンス」と呼ばれ、現在のK-POPと呼ばれるアイドル中心のダンス音楽を開拓した最初の先駆者の一人。韓国で初めてヘッドセット型マイクを使用しながら歌って踊るスタイルで登場し、歌手＋ダンサーという構成で活躍したのも彼らが初だった。

●H.O.T 

第1世代を代表する国民的アイドルグループ

「韓国のSMAP」・「韓国のNew Kids On The Block」
韓国の第1世代を代表する5人組の男性アイドルグループで日本で例えればSMAPのようなポジションに近いグループである。デビュー当時、表面的には日本のジャニーズのような雰囲気が感じられたが、実際にSMエンターテインメントがベンチマークしたのは同じ5人組だったアメリカのボーイ・バンド"New Kids On The Block"である。1996年のデビューから2001年の解散まで韓国で圧倒的な人気を誇り、韓国アイドル界の歴史を変えたとも言われている。

●S.E.S

第1世代を代表する3人組のガールズグループ

「韓国のSPEED」・「韓国のTLC」
K-POPアイドルにおいて最初のガールズグループであり、韓国の女性アイドルグループの歴史はS.E.Sから始まったと見るのが一般的である。韓国の大多数の業界関係者や大衆、そしてさらには海外のK-POP専門家やファンもS.E.Sが今のような現代的なK-POPガールズグループの元祖と評価している。男性グループのH.O.Tと同様にグループの雰囲気、見た目や容姿など表面的には日本のアイドルのような側面が見られるが、実際にSMエンターテインメントが手本としたのは同じ3人組だったアメリカのガール・グループ"TLC"である。

●SHINHWA

H.O.Tに続く90年代、第1世代を代表するボーイズグループ

「韓国のBackstreet Boys」
デビュー以来、一度もグループが解体したり、メンバーの脱退や交代がなく、韓国男性アイドルグループとしてはもっとも長く活動しており「最長寿アイドルグループ」と呼ばれている。日本では活動期間が長いということでジャニーズ事務所所属だったSMAPに例えられることが多いが、実際はアメリカのボーイ・バンド"Backstreet Boys"をお手本としたグループである。

●Bad Boy's Circle

90年代後半にデビューした3人組のパンクロックバンド

1998年にデビューした3人組のアイドルロックバンドでSMエンターテインメントの創設者であるイ・スマンが日本のヴィジュアル系バンドやロックが好きだったことからパンクロックバンドの結成を思いつき、SM初のバンドグループとして売り出された。

(左)Bad Boy's Circle - Click-B(右)

デビュー以後、あまり人気を得られず、アルバムを1枚発表した後、解散した。翌年の1999年にDSPメディアから同じアイドルバンドコンセプトでデビューしたClick-Bは、このグループに対抗して結成され、Bad Boy's Circleとは異なり、ある程度の人気を獲得した。

●Fly To The Sky

90年代後半にデビューした初の男性R＆Bデュオ

1999年に事務所の先輩アイドル、H.O.Tのレギュラー番組「Log in H.O.T」の出演と同時にデビューした。SMはそれまで2人組のデュオをデビューさせた例がなかったため、彼らがSM初のデュオだった。当時、多くのアイドルがハウスダンス曲を中心に活動していたが、それとは異なり彼らはR&Bを選んだ。アーティスト的な印象を持たれることが多いが、初期の頃はアイドルに分類された。悲しい愛の曲を歌うバラード歌手といったイメージが強く、SM出身の実力派歌手を論じる際によく言及される歌手の1つである。