アメリカのSMAP・最も売れたボーイ・バンド『Backstreet Boys』について
『Backstreet Boys』は、1995年にデビューしたアメリカの男性アイドルグループ(ボーイ・バンド)である。グループ名の由来は結成当時オーランドで人気のあったフリー・マーケット「バックストリート・マーケット」(Backstreet Market)から取ったもので最初は3人組だったが、最終的に5人組体制となった。「BSB」・「バックス」の愛称で親しまれている。CD総売り上げは1億8000万枚を超え、世界で最も売れたボーイ・バンド(男性アイドルグループ)となっている。アイドルグループでありながら踊ることよりも歌うことに力を入れていたため、歌って踊れるダンスグループというよりかは『コーラスグループ』または『アカペラグループ』といったポジションに近い。
音楽プロデューサーであるルー・パールマンは、レコード、ツアー、グッズ等の売り上げで何億ドルも稼いでいたNew Kids On The Blockの成功に魅了され、彼らのボーイ・バンドのビジネスモデルに影響を受けてトランス・コンチネンタル・レコード(Trans Continental Records)というレコード会社を設立する。このレコードレーベルの第1号アーティストとしてパールマンは300万ドルをかけて5人の少年を選抜し、グループが結成された。
1992年、従兄弟だったケビンとブライアンが2人で音楽活動を開始。その一方でニック、ハウィー、AJは現在とは異なるメンバー2人と一緒に5人組編成のバンドで活動していた。その後、バンドからメンバー2人が脱退したため、3人組となる。そこにケビンとブライアンが新メンバーとして合流し、再び5人組体制となってBackstreet Boysが結成された。その当時、ルー・パールマンがボーイ・バンドのメンバーを募集するという広告を出し、そのオーディションに参加した5人が合格してジャイヴレコード(Zomba)との契約を結びながら本格的に歌手活動を始めることになる。マネージメントは、元ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックのマネージャーであるジョニー・ライトと妻のドナが担当した。
1995年に米国でデビューシングル「We've Got it Goin 'On」を発売したが、ビルボードチャート69位という非常に不振の結果になった。ここで会社は、方向性を欧州(ヨーロッパ)へ変更してシングルを発売。するとオランダ、ドイツ、スイス、オーストリア、フランスなど欧州5カ国のチャートのトップ5に入る快挙を達成した。これを基盤にヨーロッパでの活動を開始し、欧州ツアーを回りながら、1996年にアメリカを除く国に1stアルバムを発売した。このデビューアルバムは、ヨーロッパ各種チャートで上位圏を占め、約300万枚を販売した。そして1997年、2ndアルバム「Backstreet's Back」でブレイクする。もう一度、アメリカに戻って活動する事にしたが、ヨーロッパでは既に人気が爆発しており、後にアメリカ諸国やアジアでも人気を獲得する大人気アイドルとなった。全盛期は、1997年~2000年頃で「I Want It That Way」、「As Long As You Love Me」、「Everybody」「Shape Of My Heart」、「Larger Than life」など多くの名曲を残した。
■日本での人気
バックストリート・ボーイズは、日本でも大ブレイクした。1999年発売のアルバム『ミレニアム』、次作の『ブラック・アンド・ブルー』の2作品は日本でも連続ミリオンヒットとなり、2001年発売の初ベストアルバム『グレイテスト・ヒッツ- チャプター・ワン』は150万枚を超える空前のヒットを記録した。以後、積極的に来日やライブ公演など日本での活動も増加した。またライジングプロダクション所属だったMAXが『Larger Than Life』を「バラ色の日々」(18枚目のシングル)として、DA PUMPが『Back To Your Heart』(3枚目のアルバム「BEAT BALL」収録のISSAのソロ曲)を日本語でカバーした。w-inds.の6枚目のシングル「Because of you」がMillenniumに収録されている『Don't Want You Back』に酷似していると盗作疑惑が起きたこともある。日本では「1990年代後半に全盛期を経験した」・「5人組の男性アイドルグループ」・「大衆にも分かりやすい・歌いやすい簡単なメロディーの楽曲(ポップス・バラード曲が中心)を発表する」といった点でSMAPに例えられることが多く、メディアでも「アメリカのSMAP」と紹介される場合もある。特に『I Want It That Way』は、SMAPで言えば『夜空ノムコウ』や『らいおんハート』のようなグループを代表するバラード曲の1つと言えるだろう。
■韓国での影響
韓国ではSMエンタテインメントから1998年にデビューしたSHINHWAや2004年デビューの東方神起がBackstreet Boysをベンチマークしたことが知られている。SHINHWAは、日本の音楽番組「僕らの音楽」にゲスト出演した際に『As Long As You Love Me』を披露したことがある。東方神起は、当初「アカペラ・ダンスグループ」としてデビューし、最初から海外進出を目指して売り出された。Backstreet Boysもコーラス&アカペラグループとしての側面を持っており、当初は本国アメリカよりもヨーロッパなど国外(海外進出)で人気を獲得した。デビュー当時、Backstreet BoysはMBCの「人気歌謡BEST 50」に出演したことがあり、同じくMBCの「土曜日土曜日は楽しいです」では同じ5人組のH.O.Tと共演したことがある。
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