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SMAPの影響(韓国編)

SMAPは、日本の歴代最高の国民的アイドルであり、現在のアイドルシステムを確立させ、日本はもちろん、韓国をはじめとする東アジアのアイドルシステムに大きな影響を与えた伝説的なグループと言われている。ただし、1980年代~1990年代当時の韓国では日本文化開放前だったこともあり、SMAPの知名度は低かった。韓国の芸能会社やメディアといったマスコミ・芸能関係者、または海賊版などで日本の文化を密かに楽しんでいたマニア層などにはある程度知られていたが、韓国国民(韓国の一般人やテレビの視聴者)にはSMAPの認知度は皆無だった。SMAPが韓国で知られるようになったのは2000年代以降からである。韓国では特に木村拓哉と草彅 剛の知名度が高い。一方で中居正広、稲垣吾郎、香取慎吾、森且行の4人はアジアでは知名度・人気が低い方である。

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特に韓国のアイドルでは一例として、SMエンターテインメントのH.O.TがSMAPのバラエティ、CM、ドラマなど多方面で活躍するエンターテイナーの部分を参考にしたとされている(H.O.T自体は、New Kids On The Blockとソテジワアイドゥルをベンチマークしたグループである)。SMAPは1988年に結成し、3年間のジュニア期間を経験した後、1991年にデビュー。90年代後半に全盛期を迎える。H.O.Tも1993年にグループ結成の計画がスタートし、2~3年間のトレーニング期間を経て1996年にデビュー。1990年代後半に第1世代アイドルとして全盛期を経験した。

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H.O.Tのメンバーだったカンタはデビュー当時、日本に来日したときにSMAPの草彅 剛に似ていると言われたこともある。

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俳優面ではウォンビンが、SMAPの木村拓哉をお手本にしていたのが有名。実際にデビュー当時、ウォンビンの所属事務所の社長が「日本の人気ドラマ・ロングバケーションに出演していた木村拓哉をベンチマークしてウォンビンに適用させました」と明らかにした。

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H.O.Tが出演したバラエティー番組「Log in H.O.T.」は、トークやコントなどを交えた冠番組として放送されたが、これはSMAPの冠番組である「SMAP×SMAP」をベンチマークしたものである。メンバーそれぞれが司会・トーク・コント・ドラマなどの役割を担当し、進行していく内容でグループ名を番組のタイトルにするという遣り方もスマスマの影響である。以降、韓国のアイドルグループには、SUPER JUNIORのキュヒョンやシンドン、WINNERのソン・ミンホ、FIN.K.L.のイ・ヒョリなどのようにグループの中にバラエティー(芸能)で活躍できるメンバーが必ず1人~2人存在し、このようにメンバーを選ぶ基準はSMAPのメンバーが個人でもバラエティーで活躍してるのをベンチマークしたものである。

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その後も、1999年にデビューした国民的グループgodが出演していたバラエティー番組「godの育児日記」は、godのメンバーが赤ちゃんの世話をするという内容だったが、これはSMAPの中居正広と香取慎吾が出演していた「サタ☆スマ」の中居パパの赤ちゃん預かりますというコーナーを参考にしたものである。またgodがこの番組の高評価を受けて「隣のお兄さん」・「優しいお兄さん」的なイメージで人気を獲得した。90年代後半~2000年代初頭に活躍していた韓国のアイドルとしては珍しくバラエティーから人気が出たグループであり、その点はSMAPに似ている。

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韓国を代表する長寿アイドルグループSHINHWAの冠番組「神話放送」もSMAP×SMAPに影響を受けて製作されたものだった。実際にメンバーのアンディが後年のインタビューで「SMエンターテインメントを離れるときに解散を防ぐため、個人活動やバラエティでの活躍の面で日本のSMAPをベンチマークしました」と明かしたことがある(SHINHWA自体はBackstreet Boysをベンチマークしたグループである)。

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他にも、「2PMのワイルドバーニー」や「2NE1 TV」といった番組も存在する。このように「アイドルがバラエティーに固定的に出演して、グループ名前を掲げたプログラムを企画し、進行する」という概念は、韓国を含めた現在までのアジア圏のアイドル業界でSMAPが最初に試みたと言ってもいいでしょう。

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