AIはオウンドメディアのコンテンツを作成する救世主になれるのか?
AI(ChatGPT)の普及により、
「ライターはいらない」
「AIに記事を書いてもらえればいい」
という言説が広まっています。
では、今後オウンドメディアを始めとする文章を作る作業は、すべてAIに任せればいいのでしょうか。
残念ながら、AIのみでコンテンツを作成するには、まだ技術上の課題がありそうです。
AIが作成するコンテンツに足りないもの
現時点で言語モデルAIの代表格であるChatGPTが作る記事には、次のような問題点が指摘されています。
最新情報が反映されていない
たとえば、ChatGPTの情報源は2021年9月までに収集されたデータに限定される(2023年8月現在)一般的、汎用的な話に終始しているため、専門的な話を書くことができない
ChatGPTは文法上の誤りを修正できない
そのため、ChatGPTが作成した内容については正誤チェックや、最新情報のキャッチアップを人間側で行う必要があります。
AIが出力する情報は一元なため、使っている会社が違っても出力される内容は代わり映えのない似通ったものになってしまいます。それでは、他社とコンテンツで差別化できません。
AIが普及し始めた今だからこそ、「人間が書く」ことの重要性が増しているのです。
オウンドメディアの目的を、AIだけでは果たせない
オウンドメディアの目的の1つは、自社のファンを作ることにあります。しかし、ChatGPTに記事を作らせると、他社と似たりよったりの記事ができてしまいます。
自社メディアに何度も訪れるファンを作るためには、独自性のある記事を掲載する必要がありますから、ChatGPTが生成した記事だけでは不十分なのです。
SEO対策の観点からも、AI生成記事は不十分
独自性は、検索でトップに表示させる技術=SEO対策の観点からも重要です。Googleは、独自性が高い記事を検索でトップに表示させると発言しています。
そのため、ChatGPTが生成した記事=一般的な、他社と似た記事では、Google検索でトップに表示されにくくなってしまいます。これでは、ファンを作ろうにも、新規アクセス数が望めません。
実際に、自社でChatGPTが生成した記事のページと、人間が生成した記事のアクセス数を比較したところ、約1割閲覧数が減少しました。ChatGPTは頼りになる相棒ではありますが、人間の手を加え、最終記事に仕上げる必要性があると言えます。
AIに勝つコンテンツを作る方法
それでは、「AIに書けないもの」というのは、どんな記事でしょうか。以下に、答えを列挙します。
AIには書けない記事1 「事例」を含める
1つ目は「実在の例」を含む記事です。たとえば弊社は、ウェブサイトや、SNSの原稿を作成する会社です。そこで単に「SNSでこんな記事を作れます」と語っても、他社との差別化はできません。
ですが、代わりに「これまで自社が携わってきた案件で、乗り越えた課題」を実績として語った場合は、独自の体験を含む記事となりえます。自社サービスが気になる方にとっても、実例をご覧いただけたほうが参考になるでしょう。
AIに書けない記事2 「自社文化」を含める
2つ目は、「自社の文化に関する情報」を含む記事です。AIは「一般的、汎用的」なことしか書けません。そのため、自社独自の文化を反映した記事制作は、事前にAIへその情報を深くインプットしない限り難しいと言えます。
たとえば、ChatGPTへこのような命令文を出したとします。
その結果、ChatGPTが出した文章は、以下のとおりです。
これをご覧になった方は
「悪くはないけれど……」と思ったのではないでしょうか。
これでは、どこにでもありそうな採用ページになってしまうのではないかと。
そこで、弊社のサービス「WERITE」では、社員のみなさまに取材を重ね、会社独自のメッセージが伝わるよう尽力しています。実際に弊社が作るとすれば、以下のようなユニークな文章も作成可能です。
ずいぶんと尖ったメッセージで、この会社を受けない人も出てくることでしょう。ですが、一方で「絶対に応募したい!」と感じる候補者も出てくる。そんな採用メッセージを、弊社では作ることが可能です。
実際に、この「ワークライフバランス重視」な社風をPRして人材採用を支援させていただいた実例がございますので、ご覧いただければ幸いです。
こういった文章を、AIが生成するにはまだ時間がかかりそうです。
AIに書けない記事3 「感情」を含める
最後に、「人間の感情」を深くあらわす記事の作成は、AIのみでは厳しいと思われます。たとえば、社員のお話を伺ったうえで作る「なぜこの会社に入ったのか。入ったうえで、苦労したことは何か。苦労を乗り越えられた理由」といったコンテンツは、唯一無二のものです。
インタビューでは棒読みで質問文を読むのではなく
「そこまでして、◯◯さんが踏ん張ろうと思えた原体験はあったのでしょうか」
「面白いですね。もともと◯◯さんは、そういった業務をしたいと思って入社されたのですか?」
といった質問を追加することで、よりリアリティのある記事制作を実現しています。こういった臨機応変な対応も、AIにはまだ難しいとされる分野です。
ただし、記事の書き起こしにはAIを活用することをおすすめします。弊社ではNottaという文字書き起こしツールを使い、取材と同時にインタビュー音声を文字化しています。AIが話者を自動判定してくれるため、ただの文章の羅列ではなく、整ったインタビュー形式で文字起こしされるのが特徴です。
さまざまな都合で、せっかくインタビューを実施したにもかかわらず、原稿が掲載できないケースもございます。そういったとき、文字起こし情報を残しておけばリーフレットやSNSなど、他の媒体でそのインタビューを活かせる可能性が残ります。
AIとの上手な付き合い方
この記事では、主に「AIにはできないこと」を中心として説明してきました。しかし、AIを上手に使えば、オウンドメディアの運営へ役立てることもできるのも事実です。
AIでネタ切れを防ぐ
自社メディアの更新が滞る理由の1つに、ネタ切れがあります。最初は自社サービスを紹介したり、成功事例を掲載することができても、徐々に書くネタが無くなってしまうのです。
ネタ切れになってオウンドメディアが放置されると、その会社が今も稼働しているのか不安になるお客様が生まれてしまいます。
そんなときこそ、AIの出番です。
ChatGPTに、こんな質問をしてみましょう。
こういった質問を打ち込めば、ChatGPTを始めとするAI言語モデルは、記事のアイディアを出してくれます。そして、「他にもいいアイディアはありませんか?」と問いかければ、いくらでも追加の案が出てきます。
ここでは「紅茶のいれ方」をテーマにしたアイディア出しを、ChatGPTに依頼した場合のアウトプットを見てみましょう。
なんと、一言依頼しただけで10個もの大テーマと、それに付随する記事のアイディアが出てきました。
人間なら疲れたり、思考停止したりする場面でも、AIは止まることなく記事のテーマを提案し続けてくれます。AIから出力されるネタを自社独自のテーマに昇華することで、新しい記事ができあがります。
AIで「知らなかったこと」を知る
AIが頼りになるのは、ただ単に「コンテンツの案を出してくれる」だけではありません。
AIが出力する情報は誤ったものも多いですが、その情報の出典は何か?を提示してくれるAIもあります。たとえば、Perplexity AIはその一例です。ChatGPTでもプラグインを追加することで、論文などを参照しながらフレッシュな情報を提供してくれます。
その情報源を使って、記事を作成できれば、新しい切り口の記事ができあがることでしょう。
AIを使いこなすのが難しいときに
AIは魔法だ、いや、AIにはできないこともある――。こういった議論が、日々かわされています。現状では、いずれの答えも「イエス」です。
AIは、わたしたちが苦労するアイディア出しの面で、大量の提案を実現してくれます。しかし、オリジナリティのある文章をゼロから作るほどの魔法は、まだ錬成できません。
そこで、AIを助手として活用しつつ、インタビューに基づいた深い記事を作ったり、最新の法律に遵守した正確な記事制作を行うサービスがございます。弊社は特に「人の魅力」が重要となる採用、そして薬機法のルールが厳格に適用される医療・美容分野で記事を制作しております。
記事制作についてお悩みのことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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