親権を喪失しない7つのポイント
前書
共同親権制度に法改正が成立しました。今回、この共同親権は骨抜きだという話もあり、賛否ある中で持論を述べると不勉強だと批判があるかもしれませんが、日々、どうすれば司法実務が変わるのか、何故、子どもをないがしろにする裁判所の実務運用、つまり親権者、監護権者の代理権、同意権が優先され、何故、監護権者の善意に媚び諂わせる弁護士が多いのか、なぜ親の権利ばかり尊重されるのか
当団体の一当事者は、子が引き離されたまま長男が高校生になりました。このようにボランティア活動を始めてから約10年、まだ世の中は親権者が子を無断で連れ去っても良い、ただの子連れ別居だと、ある議員が「日本の文化だ」とまで言い切る中、当事者が子どもの権利を研究する団体を立ち上げて、2018年3月に「ポスター」を作り「実子誘拐」という過激な言葉で啓発を始めました。
今では「実子誘拐」という言葉が一般的な言葉として周知されました。沢山の当事者、そして団体のおかげです。改めて、親権者であっても、一方親権者の同意なく子を連れ去れば誘拐であり、その後に金銭を請求すれば、人身取引に相当するものと啓発し、研究し勉強を積み重ねていきます。
なぜ、弊害が伴う単独親権制度が、77年も変わらなかったのか。当団体は弁護士の責任だと思っています。当然、
弁護士は「最近の裁判官は無能だ」という
話をされます。否定しません。
ただ裁判官が公正公平に裁く立場であることは、両者の弁護士の主張や証拠を鑑みて衡量するわけです。裁判官は神ではありませんから、材料が無く評価できません。つまり、その主張や証拠を有用に利用する弁護士のスキルが問われるのです。
※ ここ重要です。裁判所は主張しておかなければ、そして証拠を提出しておかなければ、それぞれを裁判官は「認容出来ない」ということを、当事者が理解しておかなければなりません。つまり、書いていないこと、出されていないことを裁判所に対して「普通、一般人なら分かるでしょ」は、通用しないという理解です。
ですので、親の権利ばかりを主張(制度がそうなっているからと)し、子どもの権利主体に弁護してこなかった弁護士の責任は、やはり「ある」と判断しています。先に子を連れ去り、先に子の監護を開始させた弁護士、司法実務を歪める弁護士の絶対数の多さ、そこに勝とうとしてこなかった、負けるとの先入観、固定概念で鼻っから相手にしてこなかった、この要因、原因が「ある」と思っています。
つまり相対して、
先に子を連れ去り、先に子の監護を開始させた弁護士
この司法実務を歪めてきた弁護士に対して、
負け続けた弁護士
の絶対数の多さ、これが原因だと思っています。
不勉強での持論ですので、言論の自由として御容赦下さい。
同意無く子連れで別居させて、監護を先に開始させ、親族相当例で通帳を盗ませ、念のため、警察に行かせて、DVで悩んでることを伝えて、DV相談センターを紹介してもらい、相談に行くだけで相談証明を出してもらう。その後に支援措置を出し、連れ戻されないようにして、調停、裁判に向かう。
制度がおかしいと思っている弁護士もおられるとは存じますが、ながらも、勝訴して報酬を貰うビジネスのため、子を拘束して親権、婚費、養育費、慰謝料を求めてくる親側の弁護士に
「勝つスキルを高めてこなかった子を有しない当事者側の弁護士、或いは子を有しない当事者側からの訴訟は請けないと決めてきた弁護士」が多いという事です。
司法実務を変えようという弁護士は素晴らしいです。しかし、いても少数派だったということです。しかし
ようやく弁護士の意識が変わってきています。
そこで今回、議員の皆様のおかげで、何とか、子の利益に資する法改正がなされました。この法改正を批判するのではなく、この制度を利用して、どう子どもの権利を司法に認めさせるか、弁護士の意識をどう変えるかに、当事者の皆様は注力した方がポジティブ思考だと思います。陰の空気は陰を呼び込みますので、当事者の皆様が勉強して、弁護士に教える意気込みで頑張りましょう。当団体は、子どものスマイル社会実現に向けて邁進します。
そこで、親権を喪失しない7つのポイントを紹介します。
ポイント【1】共同養育計画書
離婚前に夫婦間の協議が大切です。そこで共同養育計画書を取り交わす事。これは揉めた時に重要な鍵(証拠)となります。お互いに写しを持っておく、離婚届に添付するなど、様々に同意した共同養育計画書を残しておいてください。共同養育計画書を作りたくないという話になれば、夫婦間であっても、録音する事がポイントです。
まず「原則」共同親権と判断したメディアが一部いました。その件から
持論を述べます。主張する側の当事者の皆様に参考になればと思います。
それはひとえに、「親権喪失が「原則」ではなくなった」ということに尽きます。ですので親権喪失に相当する事情がなければ、親権を喪失しないという裁判実務になっていくよう、当事者の主張(民意の多さ)で変えていけます。様々な判例が変わっていきます。
仮に親権の喪失に当たる事情があると主張されても、それは親権停止に相当するものであり、喪失させうる事情とまではいえないと、答弁していくことが出来ます。
よく考えて頂きたいのですが
婚姻中は「原則」共同親権です。
この事実は改正前から変わりません。そして
強制的に一方親権者の親権を喪失させ親権者を単独にさせる制度ではなくなった
ということなのです。
つまりは、婚姻中の「原則」共同親権が
離婚という理由では「原則」が消滅しない
という事です。「離婚後」も継続するということです。
第819条1項は「父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、「その双方又は」一方を親権者と定める。」と改正され「その双方又は」を追記することで、「一方を親権者と定める」という単独に親権者を定める規定が改廃しました。
その共同親権を強制的に単独とさせる原則が無くなったということは
「原則」共同親権のまま、選択制親権喪失制度になったもの
だと解釈出来るのです。
つまり婚姻中の「原則」共同親権のまま、離婚後、原則共同親権だとか選択制共同親権だとか、そういう議論がなくなりフラットになったものと考えています。
では、なぜ共同に親権を有することが出来ることについては、「選択制」といわれているのか。「原則」ではないといわれているのでしょうか。それは共同に親権を有することを相手に求めて、相手が拒否する場合を想定するからです。
ここでも、よく考えて頂きたいのです。
分かりやすくいえば、子どもは片手(片親)に1億円の利益、両手(両親)に2億円の利益を生まれた時から持っていますが、その1億円を、子どもから喪失させたい(親権を喪失させたい)というわけです。片方の親をネグレクトさせようと目論むことは、1億円の損害が生じる(子の利益が半分になる)ということです。子にとって、それは甚大な利益侵害です。
この価値観を以て照らせば、片方の親をネグレクトさせようと目論む親が適正な親権の行使が出来る、とは言えない事になります。
「社会人として成長した暁には人格として備わっていなくてはならない二つの特性,すなわち,人間の母性原理の他,父性原理を一郎(子)自身が学習すべき絶好の機会を被告自らが摘み取っている態度というべく,決して讃められた態度ではない。子供は産まれたときから二親とは別個独立の人格を有し,その者固有の精神的世界を有し,固有の人生を歩むというべく,決して,母親たる被告の所有物ではないのである(静岡地裁浜松支部平成11年12月21日判決 判例時報1713号92頁)。」
家族法で大切な言葉の理解があります。それは「利益」です。「利益」とは何でしょうか。それは「その求めは、誰が得するための求めか」という事です。
では質問です。
面会交流調停で「子を別居親に会わせたくない。」といえば、誰が得して、誰の得しないのでしょうか。
面会交流調停の趣旨は、子の最善の利益を考慮し、子と同居する監護権者に必要な監護の一内容を求めることです。ですから同居「親」が得して、同居する「子」は得しないということになります。
これは親の利益を確保するための主張で、子の利益に資らない
と主張することが出来ます。
したがいまして子が関与する家族は、法改正で、理念法として理念が明確化する。そこで今はまだ、現行法だ、法改正されていない、としても
裁判所は引き続き、子の利益に資する実務運用が求められる
わけです。明確化しようが、しまいが、理念自体が変わる訳ではありませんから、単独で親権を有したいと希望する親は、合理的理由が伴わなければ、逆に、その親の親権を適正に行使できない「親」だと主張出来ますので、親権が奪われる可能性が、より高くなるということです。
ポイント【2】単独親権にしたいという親
相手方が単独親権が良いといえば、どうなるか。
それはポイント【1】で示した通り、相手方に親権喪失事由が生じます。
改正民法第817条の12 父母は,子の心身の健全な発達を図るため,その子の人格を尊重するとともに,その子の年齢及び発達の程度に配慮してその子を養育しなければならず,かつ,その子が自己と同程度の生活を維持することができるよう扶養しなければならない。
2 父母は,婚姻関係の有無にかかわらず,子に関する権利の行使又は義務の履行に関し,その子の利益のため,互いに人格を尊重し協力しなければならない。
このように改正されました。無論,施行前であっても,両親は子の人格を別人格として尊重すべきであり,子の人格と法定代理人である親権者の人格は同一ではなく,代理権や同意権を問わず,親権の有無を問わず,子を支え,見守る存在であって,力で支配するなどありえないことはいうまでもありません。
ただ「婚姻の有無にかかわらず,子の関する権利の行使又は義務の履行に関し,その子の利益のため,互いに人格を尊重し協力しなければならない。」というように親権の在り方が明確化されたこと、子の利益を主体とした理念が明確化されたことの理解が重要です。
ですから、単独に親権を取ろうと画策する相手に対しては、今後、逆効果になります。
親権は1つでいいという主張が、そもそも子の利益に資すらない
と主張できます。
また単独に親権を取ろうと画策する相手は、自分以外の親権者から親権を喪失させようと画策するわけですから、不合理に親権を喪失させようと目論むことは、親の利益の観点であり、子の利益に資すらず、親権の濫用的行使であると主張できます。
面会交流調停は子の利益を求めるもの(子どもに得させる制度)です。ですので、親の利益(親が得すること)を求めれば、利益相反となります。
そもそも、子どもに対して、片親にネグレクト(親権喪失)させようと目論む親は、ポイント【1】で示した通り、子どもの利益(愛育)を2つから1つに減らそうとするわけです。そのような主張をする親は親権を適正に行使できるものと評価できないと主張出来ます。
このことから、
本改正法は「子の連れ去り防止法」
といえるのではないかと、あくまでも持論ですが、考察しています。
この点、親子断絶法超党派議員連盟の馳会長の意思、後に共同養育支援法超党派議員連盟として馳代表の意思を引き継いだ柴山会長の意思が反映されたものと、それは子を連れ去られた実子誘拐被害者の民意を広く受け止めて貰えたものと自負しております。
子の連れ去りは子の利益の観点から、両親から監護を受ける権利を故意に一方の喪失を強制的に作為したことになり、顕著な親権の濫用的行使として親権者の適正を問われうる事情だと主張できます。
ポイント【3】子の連れ去り
相手が子どもを連れて、他方親権者の同意なく別居を強行した場合
相手方が親権を濫用的に行使したことを照らし「子の利益侵害」を明確に主張できます。
ポイント【1】に示した通り、静岡地裁浜松支部平成11年12月21日判決 判例時報1713号92頁の判例や改正民法第817条の12に基づけば、「子の連れ去り」は子の利益の観点から、両親から監護を受ける権利を故意に一方の喪失を強制的に作為したことになり、親権の濫用的行使が顕著となって
子の利益侵害や、監護権侵害は悪意の遺棄に相当する
といった主張が出来ます。
ポイント【1】で、本改正法は「子の連れ去り防止法」だと示しましたが、他方、ペナルティを条文として明文化していない状態は「防止」とまでいえない、という議論もあります。なぜならペナルティがないならば連れ去っても、返さなければいいというモラハラ体質のが、そもそも子を連れ去るからです。ただ、人身保護法上、子の引き渡しに関しては、法が厳しくなっています。
■ 子を連れ去られた際の手続き ■
①監護者指定及び子の引渡しの調停・審判及び審判前の保全手続き
親権者である父母間における子の監護・引渡しを巡った紛争を解決するための手続きとして想定されており,離婚成立前の父母間の子を巡る紛争は,基本的に家庭裁判所での同手続きを利用することになります。
この手続は(共同親権中)離婚前であっても
(一方親が他方親の
同意無く子を連れ去り)
両親が別居中で子どもの引渡しについての話合いが
(監護権侵害を認めず)
まとまらない場合や
(自力救済による不法を認めず)
話し合いができない場合に,
(悪意の遺棄を主張するがゆえ)
利用することができます。
https://www.courts.go.jp/.../syurui.../kazi_07_09/index.html
②親権に基づく妨害排除請求訴訟並びにその保全処分
子どもが非親権者,非監護権者に連れ去られた場合,親権者である親は,親権に基づく妨害排除請求として,子の引渡しを請求することが考えられます。妨害排除請求権の行使は,一般の民事訴訟手続で行われることになります。
判例によれば
特段の事情の具体的内容について,ⅰ)「親権者が親権を濫用し又は著しい不行跡であって親権喪失の宣言を待つまでもなく親権者又は少なくとも監護者として明白に不適格と認められる場合」や,ⅱ)「親権に服すべき子がその自由意思により親権者のもとを去り,非親権者のもとに滞在していると認められる場合」を挙げています。
その上で,より詳細な判断要素として,ⅰ)との関係では,「親権者が真摯に子を監護教育する意思を有し,かつそれが可能であると認められる限り,現に子を支配下においている非親権者と対比し,時間的,経済的ゆとりその他養育環境において仮に親権者の方が劣位にあるからといつてそのことから直ちに子の引渡しを求める親権者の側に親権の濫用があると認めるのは相当ではなく,かかる事情は,家庭裁判所が審判又は調停等の非訟手続において親権者又は監護者変更の申立に対し判断する際の資料として考慮されるべきものである。」と判示しています。また,ⅱ)との関係では,「子の自由意思については,その子が弁識能力を有し右能力に基づく判断の結果,自己が親権者のもとを離れて非親権者のもとにある経緯,事情等の概要を知つたうえで,それでもなお非親権者のもとに滞在していることが認められることが必要であり,弁識能力が低く,また,親権者のもとを離れた事情に疎い子が現に滞在している非親権者になついているという外観から直ちに子の自由意思を推断してはならないのである。特に,ようやく学令期に達した程度の子にあつては生活を共にする非親権者である実親から愛情を示されれば,これになつくのは当然であつて(そのことは裏を返せば,子が連れ去られることなく親権者のもとで養育されれば親権者になつくことになる。),民事訴訟手続における判断にあつてかかる現状を一義的に重視することを許せば,結局,非親権者が親権者から子を引取るに至つた経緯,親権者の意思等は捨象されることとなり,離婚の際,親権者及び監護者を定めた合意を無意味ならしめるものといわざるを得ない。かような現状も前同様家庭裁判所の審判又は調停等の非訟手続による親権者又は監護者変更の申立に対する判断資料として考慮すれば足るものというべきである。」と判示(千葉地判昭和57年6月14日家庭裁判月報36巻4号91頁)しています。
③人身保護請求
人身保護請求とは,法律上正当な手続きによらないで身体の自由を拘束されている者が,その救済を求めるものです(人身保護法2条1項)。
判例によれば
共同親権者による拘束に顕著な違法性があるというためには,「拘束者が幼児を監護することが,請求者による監護に比して子の福祉に反することが明白であることを要する」とされています(最判平成5年10月19日民集47巻8号5099頁)。
「請求者および拘束者双方の監護の当否を比較衡量したうえ,請求者に幼児を引渡すことが明らかにその幸福に反するものでない限り,たとえ,拘束者において自己を監護者とすることを求める審判を申立てまたは訴を提起している場合であり,しかも,拘束者の監護が平穏に開始され,かつ,現在の監護の方法が一応妥当なものであつても,当該拘束はなお顕著な違法性を失わないものと解するのが相当である。」と判示しています(最判昭和47年7月25日家庭裁判月報25巻4号40頁)。
2019年5月10日,民事執行法の改正(強制執行)
がなされました。
無断で子を連れ去った親は、子を拘束しているわけです。その子を取り戻す強制執行力が、強化されました。
ポイント【4】子の拘束(力の支配)
同意なく子を別居させ、先に監護を開始して継続性の原則、現状維持の原則への優位を作為し、子の拘束に相当する環境を作為すれば、子の身柄を確保し、利益相反を目論む親権者の濫用的行使です。
2019年5月10日,子どもの引き渡しに関するルールが変更され、強制執行の申立てが,間接強制の決定が確定した日から2週間経過したときだけでなく,間接強制では引渡しの見込みがあると認められないときや子の急迫の危険を防止するために必要があるときにも認められます(新民事執行法174条2項,新ハーグ条約実施法136条)。
つまり,必ずしも先に
間接強制を行うことなく,強制執行の申立てができる
ようになりました。
その上で,実際に強制執行の手続きを行う際,引き渡しの義務を負う
親の同意なく、執行官は、子どもが住んでいる家に立ち入り,子どもを捜索して連れてくることができる
ようになりました。
また,これまで引き渡しの際には引き渡しを命じられた親の同席が必要とされていましたが
改正後、親の同席は不要
としました。その代わり,引き渡しを受ける親が引き渡しの現場に同席することとして,執行官等の知らない人ばかりの中で引き渡しが行われ,子が不安になることがないように配慮しました(新民事執行法175条5項,新ハーグ条約実施法140条)。
これら手続きが可能となってきていますので、一方親が他方親の同意無く子を連れ去れば、婚姻中は、原則共同親権ですから、他方親権者の監護権侵害が明確となり、
子を連れ去った親は、親権喪失の虞が否定されない
ということです。
そして子を愛されていた親から強制的に分離させることは子に対して甚大な精神的負担を強いることになります。子どもを別居親に会わせない監護権者の言動は,児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと(児童虐待防止法2条の4)に相当し,不当な親子分離の強制(児童の権利に関する条約9条の3)は出来ません。つまり子を拘束することは子を力で支配していることに相当し、子の身柄を確保して利益相反を目論む親権者の濫用的行使、またその権限を利用した優越的地位の濫用が顕著となります。
ですから親権、監護権を不当に利用した親権濫用、そして優越的地位の濫用を主張出来ます。
ポイント【5】親子分離の強制
不合意で、一方親が子を長期間、別居させて、他方親に会わせないこと
これは、監護権侵害による親権の濫用的行使が照らされます。またDVの虞としても一事情として認容される虞があります。
2024年4月5日衆議院法務委員会で三谷英弘議員が
「特段の理由なく,子どもを連れ去って,相手方に会わせない,という事。これ自体はですね,引き離された側に対する,『精神的なDV』に該当するというふうに理解をしておりますが,それでよいのか,お伺いします。それからもうひとつ,正しく認識する事いう事であれば,親権者を決定するという判断に於いて,極めて,不利益に考慮される事情となる,というふうに承知しておりますが,その点について,お答え頂きたいです。」
と質疑したことに対し,法務省・民事局長・竹内努氏が
前段は「無断で子どもを転居させ,特段の理由なく別居して,別居親と一切交流させないというような場合は,個別の事情にもよるものの,これにより心身に有害な影響を及ぼした,と認められる場合には,DVに該当する可能性もあり得る,と考えられます。
後段は「夫婦相互の人格尊重義務や,協力義務を規定しているところでございまして。お尋ねのような行為は,個別の具体的な事情によりましては,この義務に違反すると評価される場合が,あるものと考えられます。」
と答弁されています。
これらを鑑みれば,児童福祉法のとおり,児童の権利条約にのっとり子の最善の利益を保障していくことは,親子再統合の理念に沿って親子が引き離されない権利(児童の権利に関する条約9条の3)を保障する,子の最善の利益(日本国憲法13条)を確保するものです。
またポイント【1】に示した質問でお分かり頂けたとおり、面会交流調停で「子を別居親に会わせたくない。」といえば、これは親の利益を確保するための主張で、子の利益に資らない。
つまり子の利益を違法に侵害していると主張することが出来ます。そこで大切なことがあるのですが、まれに
裁判所が親子交流を禁止する場合
があります。それはDVや虐待が明確に認容された場合に、合理的理由(根拠のある理由)が照らされるケースです。
つまり親子分離が不当か妥当かは、裁判所の関与があるかないかによるともいえます。
ポイント【6】裁判所の関与
裁判所を関与させず、不合意で、一方親が子を長期間、別居させて、子を強制的に他方親と会わせないこと
この点にも着目する必要があります。
自力救済禁止の原則
これは自分で何とかしようと、一人で勝手に考えて、勝手に行動に移すことです。私力の行使ともいい、権利侵害に当たる場合、立派な不法行為です。
判例によれば、
「私力の行使は、原則として法の禁止するところであるが、法律に定める手続によったのでは、権利に対する違法な侵害に対抗して現状を維持することが不可能又は著しく困難であると認められる緊急やむを得ない特別の事情が存する場合においてのみ、その必要の限度を超えない範囲内で、例外的に許される(最判昭和40年12月7日)」
つまり、原則として自救行為は法的に禁止されています。「緊急やむを得ない特別の事情が存する場合においてのみ、その必要の限度を超えない範囲内で、例外的に許される。」とありますが、これは緊迫した事情がある場合に限るということです。
未成年略取誘拐罪の違法性阻却事由
ここにも「正当な理由」がある場合には、犯罪の構成要件に当たらないとされています。
それはDVや虐待です。法改正で「虞(が大きいと認められる場合)」であっても、本当に避難すべき「真のDV」として認められるように法改正がなされました。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=413AC0100000031_20240401_505AC0000000030
ただDVがあれば、本来、警察に一人で避難すべきです。避難とは緊迫した事情あっての話ですから、余裕をもって、子を連れて別居することは「避難」にあたるのかは、個別ケースによるのでしょう。その個別ケースでは、子にも明確な害が及んでいる証明が必要だということです。
DVされた、子を虐待した、というのであれば、その証明が、必ず必要となってきます。それは証拠主義です。証拠主義は刑事だけではなく民事も適用されるものです。確かに裁判官の自由心証主義による裁量権は、独特のもので、裁判官の裁量権行使は、三権分立で認められておりますから、恣意的な判断も公的に認められます。
それは前書で伝えましたが、弁護士のいう「最近の裁判官は無能だ」ということに尽きます。その理解もありますが、さすがに何の根拠もなく、ただ「DVされた、子を虐待した」といえば、裁判所は信用するといえば、それも違います。裁判所は、ある程度の主張で前後を把握しながら、必ず合理、不合理を判断しますので、やはり、どれだけ合理性をもって主張できるかというスキルが必要だと思っています。
そこで、相手方はDV(の虞)や虐待(の虞)があったと嘯いて、裁判所に認めさせようとしてくることが往々に想定出来ます。この嘘のDV一点集中型の係争、戦略に対して、今から準備しておく必要があります。
最大のポイント【7】虚偽DVの一点縛り
弁護士が攻める策は虚偽DVの一点に絞られてくる。なぜなら弁護士は子を連れて別居しろとアドバイスしたら、今後、損害賠償請求の対象になってきます。そこで
虚偽でDVを作為されたら、どうするか。
というシュミレーションが、最大のポイントと言えるでしょう。
虚偽DV被害申告の増加と子の連れ去り
虚偽DVの目的としては、「虚偽のDV被害を訴えて裁判所から保護命令を受け取る」というパターンの他に、「転居先を知られない為に、住民票の開示拒否等の無審査で適用できるDV支援措置だけを利用する」というパターンがあります。その中には、婚姻費用や養育費のみを受ける為に支援措置を悪用し、実際には、不倫相手と駆け落ちしていたり、連れ去った子に虐待やネグレクトの実態が疑われるケースまであります。
保護命令を発令させるには、裁判所にDV(の虞)の被害状況を証明しなければなりません。そして虚偽ではないという「宣誓書」の提出を求められます。
他方
支援措置は、一時保護や住民票のブロックだけであれば、自己申告がそのまま通り、警察の捜査や特別な審査は何もありません。行政機関で申請書を提出しさえすれば、無条件で一時保護、住民票の開示拒否、国民健康保険の特別加入、子供の特別転校等の支援措置を受けることができます。虚偽ではないという「宣誓書」は、必要ありません。
無審査で通るDV支援措置
DV支援措置は、配偶者からの暴力が発生している場合、被害者の緊急保護を実施する制度です。家庭内の問題であるので、警察の捜査は行われません。基本的には、被害者は、自己申告で被害状況を説明した書類を提出するだけで、警察は意見書を行政に提出し、支援措置を受けることができます。
無審査で適用される制度ですから、婚姻費用、慰謝料、養育費を増額させたり、子供を連れ去る為に、この制度を悪用する事案が一定数発生している事案が報告されていますが、この解決については、法改正に含まれていません。
また、行政機関の窓口の担当者や家事案件の相談を受けた弁護士も、この制度を積極的に紹介し、適用を奨励している実態もあります。最初からこの制度を悪用する気がなくても、周囲からの入れ知恵で、結果的にこの制度を悪用してしまっているケースも存在します。
ある弁護士の見解
「支援措置取れば証拠がなくてもDV主張できます」 みたいなユルユルな助言は、これからは不可能になる。
「DV主張ができなくても3年別居すれば離婚成立するから大丈夫です。」 といった離婚相談をやっていたら、2年後に依頼者から損害賠償請求されかねない。
改正民法施行後の家裁実務が安定するまでの間、まともな弁護士は、かなり堅実な解釈で仕事をしないと自分もクライアントも窮地に立たされることになる。
居所指定も親権者として(婚姻中は原則共同親権だから)親権行使の根幹に関わる。「(連れ去り親のお気持ち尊重で)子の所在や情報秘匿して対応しよう、子の学校等全部黒塗りしときましょう。」なんて扱いを安易にするのは、明らかに問題となってくる。
離婚しても(合理的な理由が無ければ)単独親権にならないから、親権侵害状態は認めざるをえないことになる。
「離婚後共同親権の法改正が成立したので,今後は離婚後における両親による子どもの養育についての協力体制の構築が大切だ」という話が,裁判所側からあった
連れ去りの問題(理由と計画の正当性の有無)やそれによる子への衝撃、相手方の親権侵害状態の問題まで意識した発言・進行まで行われてる。
といった見解が見られます。
実は支援措置がなされていても、正当な理由があれば「開示」が可能です。そして支援措置の扱いが変わってきています。
https://note.com/welwel_project/n/n9b9be4083275
総務省ホームページ
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/daityo/dv_shien02.html
念のため、PDFをアップしておきます。
また、DV支援センターへの相談した証明が、DVがあった事実の証明になると弁護士がアドバイスしますが、それは嘘です。ただ相談した証明に過ぎません。もし、そのようなアドバイスを受けた証拠、録音などあれば、損害賠償請求しましょう。
厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc7546&dataType=1&pageNo=1
1 被害者に係る被扶養者認定の取扱いについて
この証明書等は、被保険者等からの暴力等を理由として当該被害者を保護したことを証明するものであって、当該被害者に対し被保険者等からの暴力等があった事実を証明するものではないことに留意されたい。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/001426110.pdf
内閣府男女共同参画局ホームページ
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/kanrentsuchi/pdf/01/n_15_199.pdf
当該被害者に対し被保険者等からの暴力等があった事実を 証明するものではないことに留意されたい。 また、裁判所が発行する「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」 (平成13年法律第31号)第10条に基づく保護命令に係る書類についても、証明書と同様 の取扱いとする。
大阪市ホームページ
DV相談証明は、DVの相談があったことを証明するものであり、暴力の事実を証明するものではありません。
https://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000459365.html
したがいまして、保護命令が発令されたからといっても、「虞」ではなく、直ちにDVがあった事実の証明とはなりません。
また保護命令を申し立てるには相当の証拠が必要です。また加害者とされてしまった側に、弁明の機会、意見聴取の機会が付与されます。
裁判所ホームページ
https://www.courts.go.jp/hiroshima/vc-files/hiroshima/file/hogo_qanda.pdf
Q10 保護命令を申し立てる場合には,どのような書類を添付し,提出する必要が ありますか?
A10 次の添付資料及び証拠資料を提出することが必要です。
ア 法律上又は事実上の夫婦であることを証明する資料(裁判所が使用する もの〔市役所等で入手した現物が必要です。〕と相手方に送付するもの 〔コピーで大丈夫です。〕の2部が必要です。) 例)申立人と相手方の両方の戸籍謄本,住民票 イ 同棲関係にあることを証明する資料(裁判所が使用するもの〔市役所等 で入手した現物が必要です。〕と相手方に送付するもの〔コピーで大丈夫 です。〕の2部が必要です。) 例)申立人と相手方の両方の住民票,生活の本拠における交際の関係にある ことを示す写真,メール又は手紙,住居所における建物の登記事項証明書 6 又は賃貸借契約書の写し,電気料金・水道料金・電話料金の支払請求書の 写しなど
暴力・脅迫を受けたことを証明する資料(最も重要です。裁判所が使用す るもの〔現物が必要です。〕と相手方に送付するもの〔コピーで大丈夫で す。〕の2部が必要です。) 例)負傷していることの診断書,負傷部位の写真,負傷した経過についての 被害者の詳細な陳述書等
相手方から今後身体的暴力を振るわれて生命,身体に重大な危害を受ける おそれが大きいことを証明する資料(裁判所が使用するもの〔現物が必要で す。〕と相手方に送付するもの〔コピーで大丈夫です。〕の2部が必要で す。) 例)被害者の陳述書,夫婦の関係をよく知る第三者の陳述書等
子への接近禁止命令を求める場合であって,その子が15歳以上のときに は,
①その子の同意書(別添2),②その同意書の署名が,その子本人によ るものであることを確認することができるもの(その子が書いた学校のテス トや手紙等)(①②とも,裁判所が使用するもの〔現物が必要です。〕と相 手方に送付するもの〔コピーで大丈夫です。〕の2部が必要です。)
親族等への接近禁止命令を求める場合には,①その親族等の同意書(別添 3,注9),
②その同意書の署名押印が,その親族等本人によるものである ことを確認することができるもの(その親族等の印鑑証明書,その親族等が 書いた手紙等。注9),
③その親族等と申立人本人との身分関係を明らかに する戸籍謄本,住民票等(注9),
④その親族等への接近禁止命令が必要で ある事情を明らかにする証拠(その親族等作成の陳述書等)(上記①~③と も,裁判所が使用するもの〔現物が必要です。〕と相手方に送付するもの 〔コピーで大丈夫です。〕の2部が必要です。) (注9) 親族等が15歳未満の場合又は成年被後見人の場合には,上記① ~③の代わりに,④その法定代理人の同意書,⑤その同意書の署名 押印が,その法定代理人によるものであることを確認することがで きるもの(その法定代理人の印鑑証明書,その法定代理人が書いた 手紙等),⑥その法定代理人の資格証明書(15歳未満の場合は戸 籍謄本,成年被後見人の場合は後見登記の登記事項証明書)(上記 ④~⑥とも,裁判所が使用するもの〔現物が必要です。〕と相手方 に送付するもの〔コピーで大丈夫です。〕の2部が必要です。)
つまり、自傷行為をして診断書を取るぐらいの精神異常者でなければ、虚偽でDVを作為する人はいません。
逆に、そこまでする人は精神異常者だということなので、逆に当事者として気を付けた方が良いです。
では、精神異常者は精神科に行って、
「言葉の暴力が続いていたことにより、毎日恐怖におびえ、精神的負荷が相当あり、情緒不安定になった」
といった診断書を医師に依頼する事案もあります。
ポイント【6】で示したとおり
裁判官の自由心証主義による裁量権は、恣意的な判断も公的に認められます。つまり、「虞」であっても裁判所がDV認定するケースがあることは、否定されません。
そこで、7つ目の重要なポイントです。
① 支援措置がなされていても、開示が可能な正当な理由
そして
② DVの事実がなかったことの証明(悪魔の証明)
それは
サポートして頂ける皆様に感謝しております。この費用はプロジェクトとは別に、子どもたちの支援活動に充てて頂いております。今後とも、どうぞよろしくお願いします。