実子誘拐を肯定的に助言した弁護士にも賠償命令110万円
親権を持つ男性から2人の子どもを連れて別居したのは違法だとして、男性の元妻と、元妻に連れ出しを助言した代理人弁護士2人に110万円の損害賠償を命じる判決
が東京地裁で25日にありました。市川多美子裁判長は「子どもを守るために必要だった」とする元妻側の主張を退けた。
子ども連れ去りにつき、妻側の弁護士が「違法な助言」をしたとして、損害賠償を命じられたことは快挙です。
「判決は、元妻の代理人弁護士2人が子どもの連れ出しを肯定したのは人身保護に関する過去の判決にそぐわず、「独自の見解に基づく違法な実力行使を(元妻に)助言した」として賠償責任を認定した。子どもの親権をめぐって代理人弁護士の賠償責任を認めた・・・。
判決で賠償を命じられた弁護士は取材に、「子どもが虐待の被害を受ける可能性がある場合、親権の有無にかかわらず子どもを連れて逃げたほうがいいというアドバイスを弁護士がしづらくなる。弁護活動の萎縮につながらないかが心配だ」と語った。」
離婚後,親権者ではない親が,親権者と一時同居し、その後に子を連れて再び別居した。この「子の連れ出し(子の連れ去り)」をアドバイスした弁護士に東京地裁が損害賠償責任を認めた。この実務運用は婚姻中(共同親権中)、つまり、親権者から子どもを連れ去ることの助言を行った弁護士は損害賠償の対象になることを意味している。
連れ去り別居は違法になる?
連れ去り別居について、法律は私力の行使(自力救済)の適用が監護権侵害として評価されうる。
連れ去られた方の配偶者は、子どもを誘拐されたと思ってしまうでしょう。監護の継続性という観点から、連れ去り別居して監護の環境を既成事実とできるため、好ましいとする古びた運用があり、家庭裁判所も監護の継続性を重視し、親権者の指定にあたって、連れ去る行為については、無視する実務運用がほとんどでした。
しかし日本がハーグ条約を締結し、家庭裁判所において連れ去り別居の経緯などを重視する傾向に変化がある。親といえども相手方配偶者の同意なくして子どもを連れ去って別居を開始した場合には、不法ではない、とはならず、違法ではない、とはならないことを認容する裁判官が増えてきたのです。
連れ去った側の配偶者が親権者であったとしても、相手が親権者であれば、連れ去りの態様、経緯などから、未成年者誘拐罪等などの刑事責任を問われる可能性もあります。また、家庭裁判所において違法な連れ去り別居だと認定されれば、悪意の遺棄であり、有責性が明らかとなって、親権者指定の際に適格性がないとの判断の一要素になります。
一方、配偶者からのDVが原因で別居をする場合など、子どもを残しておくことが妥当ではないケースもあります。そのような場合には、連れ去り別居が違法ということにはならないと考えられます。
ただし、ここにもDVをでっち上げて子を連れ去るよう指南する弁護士が当然いるわけです。
DV防止法を利用した母親による子どもの連れ去り被害が深刻化しています。たとえ婚姻関係にあったとしても、どちらか一方の親から子どもを連れ去る行為は犯罪に当たります。
虚偽DVは虚偽親告罪で告訴が可能です。すぐに虚偽申告の被害を訴える場合は、軽犯罪法で被害届を出せます。合理的、つまりDVを裏付ける的確な証拠が示されていなければ、被害を訴えることが出来ます。
ただ、子どもを連れて別居するに至った経緯などについては、配偶者双方の言い分が相容れないケースが多くあります。そのため、当事者にとって不本意な別居であったとしても、必ずしも違法な連れ去りと認定されないケースも多くあります。
違法にならずに子どもを連れだす方法はあるか。
子どもを連れ去って別居する行為は、自力救済であって、民事上、不法ではない、とはならない。特に、その態様や経緯から違法と判断される可能性があり、その場合は、刑事上、未成年略取誘拐罪に相当し、違法ではない、とはならない。
他方の配偶者の承諾なく連れ去る行為をしようと目論んでいる親の弁護士は、悪徳弁護士と罵られないよう助言に十分、注意が必要です。まずは、他方の配偶者と合意をしてから、子どもを連れて別居するようにしましょう。
ただし、話し合いをした結果として、離婚に向けた別居の原因が相手方配偶者のDVなどによって、そもそも話し合いをしたりすること自体困難な場合もあります。上記のとおりDVなどによって明らかに違法な連れ去りとならないと判断できる場合は別ですが、そうではないときには、家庭裁判所に「子の監護者の指定調停」を申し立てる必要がある。
自力救済とは、裁判所の手続きを無視して、自分で決定することです。ですから実際にはどういう状況なのか適切に見極めて進め方を決める必要があり、法律的な判断を迫られることになりますので、実行に移す前には、正義より金儲けという悪徳弁護士と罵られている弁護士に、相談することは避けた方が良いでしょう。ネットで検索すれば、案外、出てきます。連れ去った側も、弁護士によっては、後で後悔します。後悔する親は、自分の私怨や私憤による高葛藤を乗り越えた、まともな親で、本当に子の利益を考える親です。
監護者の指定は、子どもの健全な成長を助けるためという観点から、子どもの監護者に相応しい親を決定する手続きです。
子を連れ去る前に、監護者の指定を行えば、その後に相手が子を連れ去っても、明らかに裁判所を無視したことが明らかになるので、相手方が親権者として適任となる可能性は低くなります。
調停手続きでは、監護者の指定を希望する事情や親権者の意向、子どもの今までの養育状況、双方の経済力や家庭環境等の他、子の福祉の観点から、子どもの年齢、性別、性格、就学の有無、生活環境等に関して第三者である調停委員が事情を聴取し、必要に応じて資料等を提出してもらうなどして、事情をよく把握した上で、子どもの意向も尊重した取り決めができるように、話し合いがされます。
「子の監護者の指定調停」にて合意に至ることができなくなった場合には、調停不成立となりますが、自動的に「子の監護者の指定審判」の手続きに移行することになります。審判の手続きでは、裁判官が一切の事情を考慮して、配偶者のいずれが監護者として適切かを判断し決定することになります。裁判所による決定になりますので、審判によって決定した場合には当事者の合意を必要としません。
具体的事例(判例)に基づく子の引渡し強制執行
離婚前に、父親が、子共を連れて、別居に至った場合に、母親が、仮の、子の監護者の指定と引き渡しを求めた事案で、審判前の保全処分を認めた東京家裁の平成28年4月7日審判を覆して
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