荒牧健斗(たけと)

医療人類学者を自称するパーソナルトレーナー 病気にならない予防医学に惹かれ健康業界を勉強したが、健康業界に不健康にさせられている現状を知る。 「健康とは何か」を探求中。

荒牧健斗(たけと)

医療人類学者を自称するパーソナルトレーナー 病気にならない予防医学に惹かれ健康業界を勉強したが、健康業界に不健康にさせられている現状を知る。 「健康とは何か」を探求中。

マガジン

  • 健康データベースの作成

    自分の夢である健康データベースの作成の思案をまとめています。

最近の記事

プログラマーは皆サイバネティクス人類学者

本記事で主張したいことプログラマーは開発を通してコンピュータと会話する 会話に用いられる(広義的な)プログラミング言語は人間にも、コンピュータにも優しい 両者に優しいテクノロジーこそが複雑な世界の中で必要なものである ここ最近は普通のプログラマー?エンジニアとして働いていますが、一年ちょっと前は人文系の発信をしておりました。 しかし最近では仕事に飲まれ、人文系のことなんてさっぱりでした。 とはいえ何も人文系を捨てたわけではなく、プログラマーに参与観察をしていました(と

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    • 最も有害な職業、それはデザイン。『生きのびるためのデザイン』読書まとめ

      この強烈な文面が、読み始めて10秒で現れるのがこの本です。 ヴィクター・パパネックが48歳になる1971年に出版されました。日本では高度成長期の時代で、大阪万博の後だろうか。便利な道具がたくさん出た時代で、インダストリアルデザインの重要性が際立っていた時代だと思います。 デザインの定義の確認この本について語る前に、まずはデザインの定義を確認しておきます。今日デザインないし、デザイナーというと、イラストレーターやアーティストのような、芸術的な側面が強いと思われます。 しかし

      • 統計検定準1級ギリギリ合格体験記〜安定合格したい人へ〜

        はじめに2024/9/7、統計検定準1級に合格しました。 二週間前に一度51点で受け、今回は61点ととんでもないギリギリ合格でした。 受かったあとは色々な方の勉強にお世話になったので後続のために体験記を書こうと思っていたのですが、「こうすれば合格できるぞ!」とは言えず…ので、「こういう勉強しているとギリギリだから別途こういうのやっといたほうがいい」ということを伝えたいと思います。優秀な人と比べて試験の情報量も倍ありますし。 受けようと思ったきっかけそもそも私は人類学に興味が

        • 健康データベースを作りたい <設計編> どのようなデータを集めるか?

          作りたい作りたいと言って、2024年になって初めて健康データベースの作成に取り掛かりました。まだまだどのような形になるかもわからないので、まずは手動で、感覚的に欲しいデータを取ろうとウェブの海に潜り込みました。 取ろうとしていたデータはこれらです。 何を目的とした健康法なのか 何を大事にした、健康法なのか どのような説明原理を用いているのか どのような人たちが集まり、実践しているのか その健康法によって何を得ることができるのか 禁忌、やってはいけないことは何か

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        • 健康データベースの作成
          4本

        記事

          実存主義的健康法 ニーチェ、サルトル、キェルケゴールは健康をどのように捉えるか?

          そもそも実存主義とは?A. 詳しく知りません。 とはいえ素人ながらに分析して、簡易な意味にしていきたいと思います。まずはwikiから引用しましょう。 要はこれ、「なんで人間生きてるん?」という問いになります。 この手の問いは哲学研究が始まってから長い間議論されてきたことですが、この実存主義という言葉事態は広く広まったのは19,20世紀だと認識しております。この理由としては、神の存在が大きかったから、と私は解釈しています。つまり なんで人間生きてるん?→神様が作ったから

          実存主義的健康法 ニーチェ、サルトル、キェルケゴールは健康をどのように捉えるか?

          説明モデルから考える、健康業界に必要な医療多元社会へ向けて

           アブストラクト医療と健康に関する誤解やすれ違いが頻繁に起こる。これらの誤解は「説明モデル」によって考えることができる。 多くの現代日本人の説明モデルは「西洋医学+少しの中医学」のブレンドであるが、弱いモデルである。そのため、病気になった際には医者など他人の説明モデルを一時的に採用する。それに対して強い説明モデルを持つ人は、知識や理論を自分自身で具体化する、一人称の体験を持っている。 「治療」は病気の症状を治す行為であり、「治癒」は患者が心地よく感じる状態を指す。強い説明

          説明モデルから考える、健康業界に必要な医療多元社会へ向けて

          パーソナルトレーナーが考える「パーソナライズする」ということ

          私は一応パーソナルトレーナーとして、そして自称医療人類学者として自己紹介しています。なぜ一応なのか、というとパーソナルトレーナーという名前がとても強いからであり、なぜ自称なのかというと独学で研究しているからです。 もちろん仕事として「パーソナルトレーナー」という呼称でやっているわけですが、どうもこの「パーソナル」という言葉が、なかなか定義が難しい言葉なのではないか、と「自称医療人類学者」の私は思うわけです。今ではChatGPTなどでその人に合った答えを出してくれるし、「パー

          パーソナルトレーナーが考える「パーソナライズする」ということ

          これからの健康業界の展望は、自分が自分を表現するところにある

          私たちの社会は、長寿と無病の実現に大きな成功を収めている。その一方で、健康業界は新たな挑戦に直面している。目標が達成されつつある現状では、健康を向上させるために何をすべきかを見つけ出すことが難しくなっている。 目的が達成された健康業界RIZAPの登場により「ダイエットをする」ということはほぼ確実に達成される事柄になったし、数十年前には屈するしかなかった癌やウイルスにも対抗できるようになってきた。しかし、これからの病気の予防や治療は、実際の価値以上のリソースとイノベーションが

          これからの健康業界の展望は、自分が自分を表現するところにある

          健康データベースを作りたい<システム設計編>(構想vol.3)

          あらすじ 多種多様な健康法を載せることにより、迷ってしまうのではないか?という疑念に対しての回答としてむしろ多すぎる情報によって、概念の破壊の必要性を論じた。 さて、今回はこのデータベースをどのような設計をすべきかという点だ。データベースには以下の要件を満たす必要がある。 健康についてのデータが揃っていること 元となった文献を参考にしやすいこと 情報の信用レベルがわかりやすいこと 健康法の相似性、相関性、グループ分けがなされていること 決して身体やヘルスに関係する

          健康データベースを作りたい<システム設計編>(構想vol.3)

          現象学、サイバネティクス、社会システム理論、そして環境という膜のない世界

          ここ最近の哲学の興味は現象学、サイバネティクスだった。とりわけ、最近読んでいた本はウィーナーの『サイバネティクス』、ベイトソンの『精神と自然』と『精神の生態学へ』、そしてルーマンの入門書である『ニクラス・ルーマン入門』を読んでいた。これら現象学やサイバネティクスに関係している本というのは何かと役に立つような本ではない。社会学的なルーマンの「社会システム理論」も、理解できたからといって何かの役に立つような感じはしない。この数ヶ月、これらの著作をなんとなーく読んでいた。何かに使え

          現象学、サイバネティクス、社会システム理論、そして環境という膜のない世界

          健康データベースを作りたい<疑念解決編>(構想vol.2)

          あらすじ健康の多様性を実現するために、健康情報のデータベース化とアクセス可能なプラットフォームを作る ために、以前は目的を語った。それはデータベースによる一元的な思考を破壊することだった。破壊することにより、各々が目指す健康が現れるのではないか、と私は考えている。 だがこれにはたくさんの問題を解決すると同時に、さまざまな問題が考えられる。 健康の多様性を掲げて、正しさは担保できるの? 結論から言うと、担保できない。しかし反論させてもらうと、この正しさの担保というものは

          健康データベースを作りたい<疑念解決編>(構想vol.2)

          健康データベースを作りたい<目的編>(構想vol.1)

          以前投稿したnoteの中で、自分の夢を語った。内容としては 健康の多様性を実現するために、健康情報のデータベース化とアクセス可能なプラットフォームを作る ということだ。この夢を数年前から持ってはいるのだが、最近になって改めて声に出してみると色々な声が聞こえてくる。本当にありがとうございます。 もちろんポジティブな意見をいただくが、この夢はいささか世間ウケというところでは良くないようだ。自分がこの夢に向かって攻めあぐね、およそ3年間ほどやれ起業だのやれ哲学だのやれパーソナ

          健康データベースを作りたい<目的編>(構想vol.1)

          chatGPTとこの先の人間がすること

          所感とこの先の未来chatGPTをいじってみた感じ、思った以上の変化だった。言ってみればコンピュータの定義,AIの定義というものを改めて考えさせられた。 昔から人が得意なところは人が、機械が得意なところは機械が行うといったように、分業体制を築くことが重要であるとは思ってはいた。だがその分業する仕事というものがかなり違っているのだと感じた。 例えば、数字計算はコンピュータ登場当時から現れており、電卓が最たる例で間違いなく人間の能力を超えている。 10年以上前から数字を扱う

          chatGPTとこの先の人間がすること

          西洋哲学探究と美学

          前回、サルトルの『嘔吐』を読んで虚無主義に陥ったことを話した。 「実存は本質に先立つ」というものを腹の底から理解した時に、本質というもの、真の客観的な善がないのではないだろうか。そんな結論に至った。 西洋哲学の流れ西洋哲学を学ぶと言ったらギリシャ哲学から入ると思う。その哲学は「この世界はいかようにしてできているのか」という形而上学的な問いが多かったと思う。要は世界の真理、客観性とは何かということだ。代表されるのがイデア論だと思う。 また、倫理学もまた発展した。「人はいかよう

          西洋哲学探究と美学

          サルトル『嘔吐』と吐き気と重力

          私は映画とか小説があまり得意ではない。とくに感動的なものや、心動かされるものがとても苦手だ。おそらく、心が動かされるその感覚に慣れていないからだろう。 しかし名著や名作というものはやはり手を出しておきたい。知らないでおくのはやはりもったいないというか、そもそも心動かされることに慣れたいのもある。そこで今回はジャン・ポール・サルトルの『嘔吐』を手に取った。 そもそもなぜこれを手に取ったかというと、実存主義に興味があったからだ。「実存は本質に先立つ」という言葉が実存主義の代名詞

          サルトル『嘔吐』と吐き気と重力

          健康やヘルスケアのデジタル化の限界と人間だからできること

          近年、ヘルスケアのデジタル化が進んでいる、とはいえこのトレンドは10年以上前からある動きだ。一般に降りてきたのは、スマートウォッチをはじめとしたIoT家電の登場だろう。常に心拍数は測ってくれるし、睡眠の質も測ってくれる。体組成計は記録をグラフ化してくれる。最近では「体重計に乗る」という行為もシームレスに行って測定してくれるそうだ。なんて便利な世の中だろう。 近年のサウナブームでは「ととのい度」っていうものも測定できるらしい。 ここまでくると、全てがデジタル化し、管理されてい

          健康やヘルスケアのデジタル化の限界と人間だからできること