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「昆虫MANIAC」参加レポート
「昆虫MANIAC」へ行ってきました
上野の科学博物館で、2024年夏季に開催中の特別展「昆虫MANIAC」へ行ってきました。
夕方だったためか、思っていたほどは混んでおらず快適に見て回ることができました。
昆虫 MANIAC 国立科学博物館特別展 (konchuten.jp)
昆虫の「マニアックな視点」と新しい発見をテーマにした企画展です
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この「昆虫MANIAC」は、タイトルがマニアックというだけあって、かなり詳しい人向けの内容を展示しているように思えますが、実際は小学生やそんなに昆虫に興味を持っていない人でも楽しみやすい内容になっています。
(ただし、虫が苦手な人は無理かもしれません・・・)
特に、世界中の多様な昆虫と身近にいるのにあまり知らない昆虫の組み合わせが面白く、かなり楽しかったです。
約100万種という多様な昆虫ですが、その大多数は一般的にはほとんど知られていないマニアックでマイナーとされるムシたちです。その中には、おなじみの昆虫には当てはまらない形態や生態をもったものたちも数多く存在します。そんな例外的に見える昆虫も、昆虫全体の圧倒的な多様性からすれば、ひとつの個性に過ぎないのかもしれません。この展示を通して、おなじみの昆虫の知られざる一面や、見たこともない不思議な昆虫にふれ、ひとまとめには説明できない多様性の面白さを体感いただく
昆虫に詳しくない人でも楽しめる配慮の行き届いた解説
夏休みでもあり、親子連れのお客さんも多かったですが、最初に目を引くのがわかりやすい解説のパネルでした。
写真は「昆虫の脚は六脚」という、小学校の理科の教科書に載っているような、初歩の初歩の解説ですが、他にも変態(完全変態/不完全変態)の解説など、あまり昆虫に詳しくない人向けの配慮がなされています。
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「王道」を外さない展示と身近な虫の意外な一面
そのあとは、王道を外さないアキアカネやカブトムシ、アゲハチョウ、スズメバチなど非常に身近な昆虫の展示がありました。
展示があるだけではなく、「マニアック」な要素として、例えばアゲハチョウはどうやって食べられる葉っぱを見分けているのか?など、普段意識しない質問と解説がなされており、「確かになんでだ・・・?」となる面白い展示でした。
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メインの展示:種の多様化/新常識について
そこからはメインの展示として、「トンボ、ハチ、チョウ、クモ、カブトムシ」の5つのゾーンに分かれて、種の多様化/新常識についての展示があります。写真では一部だけの紹介になりますが、本当に大量の昆虫標本があり圧巻でした。
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また、展示のなかでは昆虫の進化の特徴である、「擬態」や「性分化(オスとメスの姿が異なる)」や「寄生」や「社会性」などをそれぞれわかりやすく紹介されており、まさに生き物の多様性を考えることができる構成になっています。
ニュースにもなっていた「素数ゼミ」も
ニュースにもなっている「素数ゼミ」。
普通のセミは地中で幼虫の姿で数年~7年過ごした後、成虫として地上に出てきます。ところが、この素数ゼミ、種類によって13年に1回だけ大発生するセミと17年に1回だけ大発生するセミがいて、なんと221年に1回だけこの両方の種類が大発生します。
そして、2024年がこの221年に1回の年に当たり、1803年以来初めて、アメリカで大発生する。ということで話題になっていました。
この素数ゼミの「鳴き声」の展示があり、非常に面白かったです。
(現地に取材に行った方のレポートも上映されていて、おもしろかったです)
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インスタ映えするフォトスポットも
また、各ゾーンには巨大な虫の像があり、フォトスポットになっていて、子供たちやカップルなどが、おっかなビックリ写真を撮っていました。
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そして、考えさせる展示と感想
展示を一通り観終わると、最後に「ムシと人」というタイトルの展示があります。
展示の構成として、身近なところから入って、世界の多様な昆虫を紹介したあと、また身近なところへぐっと引き戻してきます。
東京近郊に生息している昆虫や家の中でよくみられる昆虫の紹介があった後で、環境の変化で姿を消している昆虫、逆に変化に適応し増えている昆虫の紹介があります。
この展示を通して見えてくるテーマは「多様性」で、虫たちの多様性を感じることができました。
さらに多様性の切り口そのものが、多様性に富んでいて、群れをなすもの、小さいもの/大きいもの、肉を食うものなどなど生物の歴史の中で獲得されてきた進化の偉大さを感じることができました。
一方で、最後の「減る昆虫/増える昆虫」の展示は環境の変化について、通常の生き物の生存競争に変な圧力を人為的にかけてしまっていて、多数の種族の多様性を損ねてしまっているように感じられて、非常に考えさせられました。
作った人の「昆虫愛」がすごい
国立科学博物館の企画展はだいたい出口のところに、スタッフのインタビューが載っていて、毎回楽しみにしています。
この昆虫を生業にしているスタッフの皆さんに「苦手な虫は何ですか?」「家の中にGが出たらどうしますか?」などの質問をぶつけてみていて、その回答が掲載されています。
にじみ出る昆虫愛のある回答があり、今回も例にもれず楽しかったです。
以上、昆虫展のレポートでした!!