怖いもの知らずの治療家はダメ
日曜日は、【駆け出しセラピストに送る言葉】を配信しています。
今回は、「リスクを考える」です。
セラピストが一番最初にすること
セラピストといえば、「治療(施術)するのが仕事」というイメージがありますが、じつは一番最初にするのは治療(施術)ではありません。
「最初にするのは何でしょう?」
と質問すると、殆どの先生が問診や視診、触診、検査などだと答えてくれます。
もちろん正解です。
しかし、「何の目的で行うのか?」という質問をすると、回答が分かれます。
A:原因が何かを調べるため
B:どこを治療するか決めるため
C:どの治療法が良いかを決めるため
いずれも必要なことで、間違いではありませんが、一番肝心なことが抜けています。
先生は、それが何だか分かりますか?
治療(施術)より大切なこと
それは、『リスク管理』です。
目の前の患者さんを治してあげたいという気持ちが強いあまり、「自分が治す」ということが前提で、問診や検査等をする方がいます。
コレは大きな間違いだと、僕は思っています。
もし仮に、深刻な疾患を起因とした症状だったらあなたは責任を取れますか?
「ごめんなさい」では済まされません。
検査の一番の目的は、その症状が患者さんにとって「どの程度のリスクがあるのか?」を見極めるものでなくてはいけません。
そして、そのリスクが先生の責任が負えるものだと判断して初めて、治療につながる検査をしていきましょう。
リスクを見落とすと
「とりあえず治療して、ダメなら専門医に」というのが、甘い考えである例を1つ挙げさせていただきます。
少し前ですが、阿藤快さんという俳優が亡くなりました。
原因は、胸部大動脈瘤破裂だったそうです。
・亡くなる2ヶ月前に収録された『総合診療医ドクターG』という番組で、リスクの存在を本人が知っていたこと
・亡くなる数日前から、背中が痛いと連日マッサージなどを受けていたこと
以上2点から、リスク管理をするセラピストであれば、治療(施術)はせず、病院に救急で行くことを勧めたはずです。
運が良ければ、彼は今でも演技を続けていたと思います。
最後に
リスク管理は、どんな症状に対しても行わなければいけません。
よく聞く症状を⇩に列記しましたが、「それぞれのリスクとは何か?」答えを持っていますか?
・肩こり
・腰痛
・頚部痛
・頭痛
・背部痛
・下肢痛
・上肢痛
答えがない先生にとって、今回のnoteが考えるキッカケになることを願います。
ではまた