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日常に必要なお金の知識㊺景気動向指数
景気動向指数
景気全体の現状を知ったり、将来の動向を予測するために使われる経済指標を「景気動向指数」といい、内閣府が毎月発表します。
先行指数
「先行指数」は景気の動きに先んじて上下動する指数で、景気の先行きを予測する目安として用いられます。
株価も、この先行指数に分類されます。
<新規求人数>
求人が増える → 企業が景気が良くなると見込んでいる
<新設住宅着工床面積>
住宅が増える → 着工数が増えると仕事が増え景気が良くなる
<実質機械受注>
受注数が増える → 好景気を見込んで設備投資が増えている
一致指数
「一致指数」は景気の現状を把握するために用いられる指数で、景気の動きとほぼ同じタイミングで変化します。
一般的に、景気動向の判断には一致指数が使われます。
<有効求人倍率>
求人倍率が上がる → 現在 景気が良い
<鉱工業生産指数>
指数が上がる → 生産活動が活発になっている
遅行指数
「遅行指数」は景気の動きに遅れて反応する指数で、景気の事後検証などに用いられます。
<完全失業率>
失業率が低かった → 景気が良かった
<家計消費支出>
家計消費が増えた → 給与が増え家庭の購買意欲が高まった
<法人税収入>
法人税が増えた → 企業の収入が上がった
CIとDI
景気動向指数には、CIとDIがあり、現在はCIを中心に発表されています。
「CI」とは、景気の勢いを測るものです。
<例>CIはマラソンランナーのスピード
CIが上がっている:景気が良くなっているとき。ランナーがスピードアップしているイメージです。
CIが下がっている:景気が悪くなっているとき。ランナーがスピードダウンしているイメージです。
「DI」は、景気が色々な場所に広がっているかを測るものです。
<例>学校の運動会で、応援団がどれだけいるか
DIが上がっている:景気が色々な会社やお店に広がり、良くなっているところが増えているとき。応援団の声がどんどん広がって、たくさんの人が応援しているイメージです。
DIが下がっている:景気が悪くなっているところが増えているとき。応援団の声がだんだん小さくなって、応援している人が減っているイメージです。
なぜCIが主流なの?
以前はDIが主流だったようですが、景気の強さが分かりにくく、CIの方が景気の変化を詳しく見れることから、切り替わったそうです。
<DIの問題点>
①景気の強さがわからない
「景気がよくなった会社が多い」ことはわかるけど、「どれくらいよくなったのか」がわからない。
例えば、「10社のうち7社がちょっとだけよくなった場合」と「7社がすごくよくなった場合」は、同じDIになってしまう。
②景気の変化を細かく見れない
景気は少しずつ変わることが多いけど、DIだと「良い or 悪い」の2択しかわからない。
だから、景気の流れを正確につかみにくい。
経済は専門用語が多くて、覚えようとすると嫌になりますが、分かる言葉に置き換えて内容だけ把握すれば、そんなに難しいことではないですよね。
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