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日常に必要なお金の知識㉑自営業者/フリーランス専用「年金+α」

自営業者やフリーランスが公的年金を補うために、「付加年金・国民年金基金・小規模企業共済」という制度があります。

付加年金

自営業者やフリーランスが、国民年金に追加で加入できる制度です。

毎月の国民年金保険料に付加保険料(400円)を追加で支払うことで、将来の年金受給額を増やすことができます。

付加年金の額(年額)=付加年金保険料を支払った月数x200円

例えば、付加年金保険料を48ヶ月間支払った場合、年金の受取額は年額で9,600円増額されます。

この増額分は、年金受取期間中続くので、2年で元が取れる計算になります。

<例:48ヶ月間 追加した場合>
実際支払った額:400円x48ヶ月=19,200円
2年目までで受け取る額:200円x48ヶ月x2年=19,200円

繰下げ受給でさらにUP!!

国民年金を繰下げ受給すると、付加年金も増額されます。

具体的には、付加年金の受給開始を1か月繰下げるごとに、付加年金の受給額が0.7%増額されます。

例えば、1年繰下げると8.4%(0.7%×12か月)の増額になります。

この増額は、生涯にわたって受け取る付加年金の額に反映されるため、繰下げるほど将来的な受給額は大きくなります。

繰上げ受給は注意!

繰上げ受給を選択すると、通常の国民年金と同様に付加年金の受給額も減額されます。

具体的には、1か月早めるごとに年金額が0.4%減額されます。

例えば、1年(12か月)繰上げると、付加年金は4.8%(0.4%×12か月)減額されます。

国民年金基金

国民年金基金は、自営業者やフリーランスが厚生年金の代替として加入することができる年金制度です。

掛金は全額社会保険料控除の対象となり、確定申告により税金が軽減されます。

また受け取る年金も、公的年金等控除の対象となります。

*付加年金と国民年金基金の両方に加入することはできません。

詳細は公式HPを参照ください⇩。

小規模企業共済

自営業者や小規模事業者が、毎月掛け金を積み立て、退職金や老後資金として受け取ることができる制度です。

掛け金は、全額が所得控除の対象となります。

小規模企業共済は、中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営しており、以下で加入することができます。

・金融機関
・商工会や商工会議所
・中小企業基盤整備機構(中小機構)への直接申し込み

詳細は公式HPを参照ください⇩。

国民年金免除中・滞納中の場合

付加年金・国民年金基金

国民年金の上乗せ年金として機能するため、基礎年金の保険料を納付していることが加入の条件となります。

つまり、全額免除中・滞納中は加入することができません。

ただし、国民年金の「一部免除」(4分の3免除、半額免除、4分の1免除)を受けている場合は、免除されていない部分の保険料を納付している限り、国民年金基金に加入することができます。

小規模企業共済

小規模企業共済は、国民年金とは別の制度であり、主に自営業者や中小企業の経営者が退職金を積み立てるためのものです。

そのため、国民年金の免除状況にかかわらず、加入や掛け金の積立を行うことが可能です。

「国民年金は免除中だけど、将来が不安」という方は、こちらを検討してみてください。


毎週土曜日は「日常生活で必要なお金」について、FP3級の知識を共有するシリーズになります。

たかが3級と思われるかもしれませんが、知っていると知らないでは大きな違いがあるもんです。

これからの人生で「お金の知識」は必ず役立つものです。

ぜひ一緒に金融リテラシーを高めて、人生をより良いものに変えていきましょう。

それではまた

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