人体を支配するしくみ「遺伝子とポストゲノム」20
毎週水曜日は、Newton「人体を支配するしくみ」を、見開き2ページずつ読み進めるシリーズです。
どんなに難しい本でも、少しずつ読めば必ず理解できるはずというコンセプトなので、「人体の進化に興味はあるけど、難しそうだし面倒くさい」という方には、丁度いい内容になると思います。
僕も読んでいく中で学んでいく立場です。
ぜひ一緒に学び成長し、分かる楽しみを共有していきましょう。
ウィルスは感染と脱出に糖鎖を利用する
本書によると、ウィルスは細胞の糖鎖をターゲットにして、感染を試みるそうです。
ねらわれる糖鎖は、インフルエンザウィルスやエイズウィルスなど、ウィルスにより異なりますが、いずれも糖鎖を認識することで細胞に侵入し感染します。
逆を返せば、糖鎖とウィルスが結合しなければ感染は起こりません。
インフルエンザに有効なタミフルとは
インフルエンザの予防接種は、毎年変化するウィルスに対応しきれず、効き目が弱くなることがあります。
そのため、多くの型に効く治療薬の開発が求められていて、その代表がタミフルです。
インフルエンザウィルスは共通して、2種類のタンパク質(HA・NA)を持っています。
HAは細胞の中に入るために、NAは感染体内で増殖した後、そこから抜け出すために働くそうです。
治療薬タミフルはNAの働きを抑制し、ウィルスが感染した細胞から抜け出さないようにする効果があります。
つまり体内の細胞間の感染抑制、第三者への感染抑制するというわけです。
コレを知っていると、タミフルが「インフルエンザを発症してから2日以内(48時間以内)に飲み始める必要があり、それ以後に服用してもあまり効果がない」と言われるのにはうなずけますね。
子どもの学校や患者さんの周りでも、インフルエンザに感染している人が増えてきました。
みなさんは大丈夫ですか?
わが家はみんなワクチンを接種していますが、プラスα⇩の予防をしています。
できることを積み重ねて、この冬を乗り切りましょう。
次回(12/13予定)は、「糖鎖とがんの転移」です。
次回も新しい発見と出会えますように。
それではまた