人体を支配するしくみ「人体にみる進化の痕跡」11
毎週水曜日は、Newton「人体を支配するしくみ」を、見開き2ページずつ読み進めるシリーズです。
どんなに難しい本でも、少しずつ読めば必ず理解できるはずというコンセプトなので、「人体の進化に興味はあるけど、難しそうだし面倒くさい」という方には、丁度いい内容になると思います。
僕も読んでいく中で学んでいく立場です。
ぜひ一緒に学び成長し、分かる楽しみを共有していきましょう。
ヒトの喉の特殊な進化
”話す”への進化は、喉の特殊な構造に秘密があった
多くの生物は仲間に意思伝達をする際、音を発することで行っていますが、多種多様な音とその組み合わせ(以降、言語)を使っているのはヒトだけです。
ヒトの大脳は他の生物より進化していると言われますが、言語は大脳皮質にある「運動性言語中枢(ブローカー中枢)」「感覚性言語中枢(ウェルニッケ中枢)」によりコントロールされています。
また発声にかかわる器官として、喉頭(こうとう)の位置・声帯の発達が言語を幅を広げたと本書に記載されていました。
直立二足歩行がヒト特有の喉の構造をつくった
音は声帯を震わすことで発生させますが、ヒト以外の霊長類は咽頭の先端が鼻腔近辺まであることから、作り出された音が鼻に抜けてしまうそうです。
この原因を本書では、直立二足歩行と咀嚼(そしゃく)機能の退化と説明されていました。
直立二足歩行にともなって背骨が頭部の中央により、咀嚼機能の退化によって歯列が後退したため、結果としてスペースが生まれ咽頭が下がったそうです。
会話ができるのは大脳の発達だけが理由だと思っていたので、今週も新しい発見と良い学びになりました。
次回(6/28予定)は、「人体の器官」です。
それではまた