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「複数主訴」の治療優先順位

日曜日は、【駆け出しセラピストに送る言葉】を配信しています。

迷わず最初にやること

患者さんの主訴の数は様々です。

問診票の症状記入欄に、大きく「腰」とだけ書く方もいますし、枠内に書ききれず裏面まで到達する方、経過を時系列でまとめた紙を持参してくれる方までいらっしゃいます。

でも、どんな方に対しても、セラピストが最初にするべきことは決まっていなければいけません。

それが『レッドフラッグの鑑別』です。

主訴が5個の場合も、20個の場合も、まずはレッドフラッグになりそうなものを探し出し、問診や検査等をしましょう。

患者さんの中には、
「それは気になるから書いただけで、今困っているものではないんだけど」と言われる方がいますが、書いている以上は最優先で行なってください。

後日その方が重篤化した時に、
「書いたけど調べてくれなかったから、問題ないと思っていました」
と主張されてしまったら、言い訳はできなくなります。

リスクがなかったら、次にするのは

リスクがないと判断したら、次にするのは『優先順位の確認』です。

カイロの専門学校では、
「人は診てほしいものを先に書く傾向がある」
と習いましたが、現実は違うという印象があります。

僕が思う、一番早く正確に優先順位を確認する方法は、「本人に聞く」です。

「○○さん、今回症状の欄にいっぱい書いてもらっていますが、今一番お困りの症状はどれですか?次は?・・・」

一通り聞き終わったら復唱です。

「では、確認しますね。1番は・・・2番は・・・」

治療(施術)の前には検査を

確認が終われば、治療・・・としたいところですが、その前には必ず検査をしましょう。

ちなみに
「腰痛ですか?どうすると痛いんですか?」
は検査ではないので、心当たりの先生は改めるようにしてください。

どの組織が、どうすると痛み、どうすると痛くないのかを、しっかり把握した上で進めてください。

検査法などの詳細については、要望があればnoteにまとめたいと思います。

複数主訴と治療(施術)はココに注意!

複数主訴の場合は、それぞれの関連の有無を想像することも大切です。

ココで大切なのは、関連づかないものは関連無しでOKだということです。

というのも、関連付けができたものについては、「1つの治療(施術)が複数の症状を消す」ということを意味するからなんです。

つまり、すべての主訴を関連付けてしまうと、患者さんに対しそれ相応の責任を果たすことがMUSTになります。

すごくかんたんに言うと、『一発ですべての症状が消えた』を実行しなくてはいけません。

まれに何でもかんでもまとめたがる先生がいるので、その傾向がある方は注意してください。

最後に

主訴は、先生と患者さんの間で交わす医療契約のきっかけになります。

まずは、自分がその契約内容を「承諾できるか否か」を判断するためにも、レッドフラッグの鑑別をし、履行に必要な情報を検査で集め、適切な処置をしましょう。

余談ですが、僕の通っていたカイロプラクティックの専門学校では、レッドフラッグの鑑別ができなければ、卒業試験通りませんでした。

それだけ重要なことなので、ぜひ習慣づけてみてください。

それではまた

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