駆け出しセラピストに送る言葉㉞ 「カルテ記入時の注意点」
日曜日は、【駆け出しセラピストに送る言葉】を配信しています。
今回は、カルテ記入時の注意点です。
カルテを書く目的
国家資格者の場合は、法律でカルテの作成が義務付けられていますが、私たち民間資格セラピストの場合は任意となります。
それでも、施術の根拠となるデーターを残す意味はあります。
例えば、ぼくは過去に一度、「他院で施術事故にあった方」を診た数カ月後に、裁判所から、その方の当時の状況を書面で回答してほしいという依頼を受けたことがあります。
その時もカルテがあることで、数ヶ月も前の状況を思い出すことができました。
おそらくコレは、自らが事故を起こした時も同じなんだと思います。(すいません、コレは未経験なので憶測です)
裁判所はもちろん、保険会社に対しても必要な場面は出てきます。
民間資格だから義務はないと思うのではなく、必要な状況に備えることは大切なことです。
カルテに記録する内容
僕のカルテは⇧のようになっています。
本人確認に必要な情報をはじめ、主訴や現病歴の有無、関係する問診、文字では記載しきれない情報を視覚的に記入できる欄、所見や検査項目、経過を記入しやすくしています。
問診内容は、適宜変更を加えていますが、概ねこのスタイルで対応できています。
カルテ記入時の注意点
先生がカルテを記入する際に注意してほしいことがあります。
それは、所見は(+)(ー)ともに記入しておかなければ意味がないということです。
例えば(+)所見しかないカルテの場合、施術の中で(ー)→(+)に変化すると2つのパターンを想定しなくてはいけません。
A:そもそも(+)を見落としていた
B:元々(ー)だった
いずれにしろ治療(施術)法の見直しが必要ですが、対処は全く違うものになります。
できるだけAのケースを避けるためにも、(ー)であったという記録は残すようにしてください。
また症状については、有無ではなく、ペインスケールで残すことで、良化しているか平行線なのかが分かりやすくなり、治療(施術)の方向性を出しやすくなります。
最後に
熟練度が上がると、カルテへの記載は簡素化されていきますが、それまでは必要か否かの判断はせず、検査した内容等はすべて記入していくことをオススメします。
大切なのは、数カ月後、数年後の自分が見た時に、当時の状況を思い浮かべることができるかです。
自分のためのメモが、解読不能では困ってしまいます。
特に、今回ご紹介した「(ー)所見の記載」は忘れないようにしてください。
今回の情報が、カルテづくりの参考になれば幸いです。
ではまた