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後編|海洋環境の保全に貢献したい。その思いから生まれた「廃漁網」を素材にしたマッサージ製品が生まれた。
※この記事はドクターエア ブルーライフ「HAPPY ACTION」で掲載していた記事を転載しています
前編では、ドクターエアの新しいプロジェクトブルーライフについて説明し、環境に配慮した健康機器の開発を目指していると説明いたしました。
本記事ではその後半。サスティナブル製品第一弾の素材として、漁網を選び販売まで作り上げた思いを伺いました。
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素材選びは大変だったと思います。どのようにして廃漁網をリサイクルした生地「オーシャンカレント®」*3に行き着いたのですか?
中村:サステナブルとは?ということからしっかりと情報を集めて、できることをディスカッションしながら、まずは製品に組み込む部品や素材に焦点をあてて、地球環境に優しい素材はないかとアイデアを出し合い、議論を重ねるうちに海洋素材に行き着き、海洋プラスチックに目星がついたんです。
ですが、製品にするためには加工に耐える必要もありますし、素材特性も活かしながら開発しなければなりません。素材選びはものすごく重要でかつ、難題なテーマでしたね。
しばらく時間がたち、サステナビリティを推進しているALLIANCE FOR THE BLUE*1の協働企業であるリファインバースグループとお話しする機会があり、海洋素材として漁網を利用したナイロン素材のお話を聞くことができました。実際に、この素材を活用して鞄を製品化して販売までの実績があったので、私たちはこの素材を当社の実績のある製品に利用することで貢献できるようになるのではと考えました。
この廃漁網を使った生地。見てください本当にキレイな発色なんですよ。ブランド名が「ブルーライフ」なので製品とブランド名が一致したのもよかったです。
いざ素材を用いて製品化していく際に苦労したこと、こだわりなど教えてください。
中村:加工する工程でもとても苦労しました。これまでのドクターエアで展開してる生地は加工しやすい生地を選んでたのですがこの生地は伸縮しないので張り合わせを計算して裁断を繰り返し何度もトライして開発を進めました。
菅:今回はタグもこだわってデザインしています。こちらのマークなんですが、このマークは Product for the blue として認証された製品に付けられるマークで、ALLIANCE FOR THE BLUE*1 の協業企業の間で開発された製品でないと付けられないマークなんです。なお、ALLIANCE FOR THE BLUE*1 は海洋プラスチックごみが出ない社会を築き、美しく豊かな海洋環境を次世代へつなげることを目的とした一般社団法人の組織として活動されており、海洋環境の保全に貢献できる製品である証明になります。
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菅:今回のサステナブル製品開発として、既存の製品の色が変わっただけという捉え方をしてほしくないし、このドクターエアがサステナブルな活動をすることによって、お客様に地球環境を考えるきっかけになれば、と思っています。
サステナブルな製品を作り続けるため、生地を確保することにも考えがありました。必要な量(製造供給可能な量)での生産をすることで、生地を無駄にしないように数量を限定することにしました。限定商品となることでこれまでの製品とは価値がことなるのもそうなんですが、サステナブルな意味を込めると無駄な製品を作り出さない。という考えもあります。収益も必要だと考えましたが、ブルーライフに限っては、地球貢献ですからね。
製品のおすすめポイントは?
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菅:この生地はとても良いので、ぜひ試していただきたいです。肌になじみやすく、しっかりとした作りで高級感を感じていただけると思います。環境にも優しく、品質も高いです。
さらに、この素材はバッグなどにも使われていますので、耐久性も抜群です。私たちのような健康家電メーカーが開発した製品は、肌触りが良いだけでなく、耐久性も考慮されていますので、まだ他にはないものです。ぜひ、多くのお客様に使っていただきたいです。
廃漁網から生地をどのように仕上げているのでしょうか?
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中村:廃棄漁網を国内で回収・洗浄し、その後で加工することで再生プラスチックのペレット(REAMIDE®)*2になるのですが、さらに加工して、再生ナイロン糸を作っていくんです。
私の思いとして製品の原料からストーリーがあるんですよね。国内で廃棄漁網を収集するのもすごい工程でじゃないですか。そこから粉砕して生地を作る。ドクターエアが生地を利用して更に価値を高め、消費者の手元にお届けする。お客様はマッサージ製品を利用することでリラックスしますし、身体をケアして身体を軽くしてもらう。すごいストーリーだと思いませんか。
今後の展望を教えて下さい。
中村:今回、廃漁網のアップサイクル素材を採用しましたが、地球環境を考えたブルーライフの活動として、ただ環境に優しい原材料を活用するだけではなく、その原材料となる素材を利用する際にも、再利用時に二酸化炭素や大量の水を使って活用しては持続可能とは呼べませんよね。私たちは地球そのものを配慮した活動を大切にしたいと考えています。
現在検討しているサステナブル素材としては、ペットボトルの再生プラスチックや、地球環境と生産に関わるすべてに配慮されているオーガニックコットン。さらにりんごやサボテン、パイナップルの葉などを利用してできるヴィーガンレザーです。また、素材そのものを加工せず活用したアップサイクル素材にも注目し、サステナブルなブルーライフを目指していきたいと考えています。