健康経営度調査フィードバックシートを経営戦略に活用しよう(令和3年度の評価ポイントを解説)
「健康経営度調査」は、企業の健康経営の取組促進を図るため経済産業省が2014年から毎年行っているもので、この調査回答の結果に基づき「健康経営銘柄」「健康経営優良法人(大規模法人部門)」が認定されます。
健康経営度調査で重視されるポイントには、SDGs/ESG投資など、投資家が健康経営のどこに魅力を感じ、何を評価しているかといった最新の動向や、今後の経営戦略で参考にすべき要素が満載です。
調査に回答した企業に対しては、健康経営の実践レベルなどを分析した評価結果として「フィードバックシート」が返送されます。令和3年度の健康経営度調査に回答した企業には、すでに速報版が届いているはずです。
令和3年度の健康経営度調査フィードバックシートの着目ポイントについてみていきましょう。
経営課題に注目する傾向がより鮮明に
健康経営度調査は質問項目が多岐にわたります。個別項目をクリアしようと現場の従業員の健康状態や環境整備に目を向けがちですが、令和3年度ではより大きな観点からの課題分析として、経営課題に関する取組みが注目されるようになっています。
【新規掲載】経営戦略が明記された
令和3年度のフィードバックシートには「健康経営の戦略」に関する項目として、経営上の課題と期待する効果および情報開示媒体が明記されるようになりました。
健康経営度調査で公開について同意した企業は、経済産業省のホームページ上でフィードバックシートが公表されます。成績だけでなく、経営戦略や方針も対外的に発信する機会となるのです。
【追加】総合評価の偏差値が記載された
これまで偏差値は各評価側面に関して記載され、総合的な評価は総合得点のヒストグラムで示されていましたが、令和3年版からは総合評価も偏差値で表されるようになりました。
評価の重み付けについては、引き続き「経営理念・方針」「評価・改善」に重点が置かれています。
また、総合評価の偏差値は直近5回の結果が明示され、前年からの増減がわかりやすく上下の矢印で示されています。
【追加】評価項目に「Q番号」が明示された
各側面の詳細分析では、各項目に対応する設問番号(Q番号)が追記されました。これにより、健康経営を進めるにあたっての具体的な課題点や改善ポイントがより明確に分析できるようになりました。
課題に対する対策の実施状況についても、各項目に対応するQ番号が明示され、分析しやすくなっています。
また、「重点を置いている具体的な施策とその効果」に回答内容が記載され、課題分類との紐付けされ、課題に対する実際の効果検証がどの程度行われているのかがひと目でわかるようになりました。
フィードバックシートの変更点を経営戦略・方針に活用しよう
健康経営の取組みが偏差値という相対評価で示されるフィードバックシートにより、回答した法人全体あるいは同業種内で自社がどのレベルと認識されているのかが明らかになります。
社内での施策が有効なのか、健康経営の戦略・方針が社会に評価される適切なものになっているのかを客観的に評価することができるのです。
評価の詳細分析や課題への対応度では、Q番号が付されたことにより、健康経営で目指すべき具体的な取組みの方向がより明確に把握できるようになりました。
さらに令和3年度の健康経営度調査からは、経済産業省のホームページ上でフィードバックシートの公開が進みます。
シートそのものが健康経営の取組みを社外に発信する強力なツールとなっていくのです。
SDGs/ESG投資をはじめ、健康経営は企業の持続性や社会貢献の取組みの重要な指標と認識されるようになってきています。投資家だけでなく求職者からも注目されています。
フィードバックシートの変更点は企業評価のトレンドといえます。企業の経営戦略・方針に積極的に活用していきましょう。
経済産業省ホームページ「健康経営とは」
(各種顕彰制度や調査結果・関連データなどへのリンクがあります)
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「令和3年度健康経営度調査票」の解説(WellGo記事)
WellGoでは、「令和3年度 健康経営度調査」のポイントについて、大規模法人向けの調査票をベースに令和2年度調査からの変更点や重要なトレンドの変化などについての解説動画を作成しています。
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