【まとめ解説】無関心層に響くポピュレーション・アプローチのポイント
8月22日から開始された「令和4年度健康経営度調査」から1か月経ちました。調査結果からこれまでの成果と課題を洗い出し、次年度から取り組むべき健康経営®の方向を検討されている方も多いことでしょう。
健康経営の推進でよく聞くのが、いわゆる「笛吹けども踊らず」です。
ある程度健康経営が進んでくるとぶち当たる壁ともいえるでしょう。
調査票に盛り込むべき健康の取り組みは一通り仕組みにしたはずだが従業員の利用率が上がらない。どうやったら主体的に健康行動をとってくれるだろうか。健康経営をサポートする中でそのようなお悩みをよく伺います。
このような課題解決のヒントになるのが従業員の「やる気」を喚起し、自発的行動を促す「ポピュレーション・アプローチ」のしかけです。
本記事では、これまでに掲載したポピュレーション・アプローチに関する記事をご紹介します。これからの健康経営の取り組みの方向を考えるヒントとなれば幸いです。
「やる気」のスイッチはどこにある?
健康管理の呼びかけは、病気を防ぐという観点で考えれば「リスクコミュニケーション」の一種といえます。ただ、「このままの生活を続けると病気になる」とリスクを強調しすぎると、リスクから目をそらそうと、自分に都合の良い情報だけを取り入れ不都合な情報を遮断する可能性があります。
従業員が自ら行動するよう促す際には、このような人間の認知の特性をよく理解して働きかける必要があります。
以下の記事では、やる気に直結する損得の心理状態として「促進型/予防型モチベーション」「利得/損失リフレーミング」「損失回避」「時間割引」について解説し、具体的な仕掛けのヒントをご紹介しています。
心理的効果を高める「動機づけのセット」とは?
やる気を高めるための動機づけでよく知られているのが「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」です。内発的動機づけのほうが優れていると紹介されることがありますが、両者は動機づけの方向性が異なるだけで優劣はありません。むしろ片方に寄りすぎるほうが問題といえます。
以下の記事では、2つの動機づけを効果的にセットした「エンハンシング効果」について解説し、その応用としてAI解析に基づく評価の仕組みを紹介しています。
「健康な人ほど無関心」な状態を防ぐには?
健康問題は誰もが関心をもちやすい話題とはいえ、その度合いは人によって異なります。特に、現在健康と自覚している人の多くは予防的な健康行動は関心が低くなりがちです。未病の人も含めたポピュレーション・アプローチの難しさは、関心の度合いにかかわらず健康行動を起こし、維持させなければならないところにあります。
以下の記事では、この解決のヒントとして、毎日手軽に活用できるスマートフォン・スマートウォッチのアプリを使った健康行動の習慣化について解説しています。
自発的に続けたくなるしかけとは?
無関心層へ働きかけるしかけとしてチェックしておきたいのが認知行動科学の考え方です。特に、自発的に繰り返したくなる「ゲーミフィケーション」は楽しく続けたくなる要素が多く、ポピュレーション・アプローチと相性がよいしかけといえます。
以下の記事では、ゲーミフィケーションの考え方を紹介し、健康管理を促すヒントとして「ランキング」の活用を解説しています。
組織全体で健康意識を高めるには?
企業という組織の単位で健康行動の底上げを図ろうとすると、一部の人だけが極端に積極的になるしかけではうまく回りません。多様な人が集まる組織で意識を高めていくために有効な考え方のひとつに、ほどよい競争で関係性を強化し、互いの行動を高め合う「ピア効果」があります。
以下の記事では、ピア効果を発揮させるポイントを紹介するとともに、健康行動だけでなく職場の仲間づくりにも効果的な「イベント」の活用について解説しています。
【動画解説】
R4健康経営度調査 概要の動画配信中
R4年度健康経営度調査【確定版】について、変更点や重点ポイントなどを詳細に解説するウェビナーを配信しております(30分)。
全体的な解説はぜひ動画を御覧ください。また、調査票資料も無料でご提供いたします。
以下のリンクよりご視聴いただけます。
<URL>https://docs.google.com/forms/d/1TWzleB_g2tyC03NNy17M8-jNTPCPEca2ImPh1x18m3E/edit
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