1.2 (海外)引越荷物をセーブするのだ
アパートから引越し荷物をすべて出し切り、最後の最後に仕上げの掃除をして、これで海外引越は最後になるなと思うと、感慨深さよりも「ミッションコンプ感」が全身に押し寄せた。特に私の場合は、規定の段ボール箱に収まらない電気製品や家具以外はすべて、自分で梱包するスタイルなので、海外引越プロジェクトは、実に一ヶ月を超える。その前段階として、引越荷物に含めないものの取捨選択と廃棄期間を含めると、実に数ヶ月に及ぶ大仕事なのであーる。
ちなみに海外(いわゆる西洋諸国)の方々の海外引越は、「家の中にあるものはゴミでも何でも全部そのまま運ぶ」だけ。まぁ、そういうコストも一切合切を会社が負担するので、社員の彼らは知ったこっちゃないらしい。私のママ友の米国人女性は、地下一階、建物三階建、庭付きのほぼ新築物件に住んでいて、彼女自身も絵画が趣味で、家の中にアトリエもあり、彼女の描いた巨大なキャンパスも大量に並べられていたけれど、引越時に彼女が何かしたとか、大変だったとかいう話は一切なかったな……
もとい、私たちの場合は、海外転勤時の引越費用はありがたいことに会社負担して頂けて、そしてデフォで「おまかせパック」なので、本来ならば私が汗水垂らして梱包する必要はないのであるが、引越費用の会社負担額には上限がある。つまり引越容量に制限がつき、それ以上は自費になるのであーる。
非常に困るのだな、これが。
こういうのは会社ごとに規定があるので一概には言えないのだが(制限なくすべて会社負担のところもあれば、上限があるところ、自己都合の退職なら引越費用は一切でないところも多いだろう)、会社負担分が規定されている以上、その範囲内に収めようというモチベーションが働くのは自然なことだ。
それならば、引越業者さんの見積もりを経て、その範囲内で取捨選択だけすればいいのだろうが、ここに次なるトラップが!
日系の引越業者さんは、海外でもそのレベルを下げることなく徹底的に傷がつかないように壊れないように丁寧に(過剰に)ふんだんに梱包材を使って梱包してくださるので、ざっくり見て私が梱包するよりも容積が1.5倍くらいに膨れ上がってしまう。その上、かなりざっくりと箱の中に配置していくので、ここでまた私が詰める容量の倍以上になってしまう。
自分で梱包する場合は、大きなアイテムを中心に配置したら、その周辺に衣類を置いてクッションの役割を果たしつつ、開いた隙間に、その隙間形状に合致するような別アイテムを配置することで、隙間を有効活用して、全体として運べるアイテムの絶対容量を増やすことができるのだ。
つまり自分で梱包する場合と、プロにお願いした場合で、運べる絶対アイテム数と容量に大きな差ができてくるので、日々自分の時間をかけて少しでもムダな空間を残さず密度の濃いボックスを作り上げるかの闘いを繰り広げるのである。
っていうかさ。
時間単価が高い人がこんなことしてたらコスパ悪すぎで(汗)、そこは自腹切ってもプロに任せた方が結局は安上がりということが往々にしてあるのだが、自分で詰めると、荷物の整理が終わっていることになるので開梱時間を短縮して、すぐに新生活を始められるというメリットがある。私の友人で引越後に半年以上経っても開けていない段ボールがまだまだ沢山あると言っていた人がいた。過去数年間にわたる持ち物の断捨離(取捨選択)を引越元でするのか、引越先でするのか、それは個々人の性格と好みによって違いがあって当然である。が、その移動の際の量に違いがあり、かかるコストにも違いがあるなら、そこは節約しておきたいのであーる。
そんなこんなで引越費用をセーブするために、実際に長い期間をかけて荷物の整理をして、その荷物を出し切った暁には、その土地を去ることについて感慨深くなったりすることもなく、ただただある一つのタスクを終えたという小さな達成感だけが残った。
お世話になった管理事務所の方、不動産会社の方、カナメの会社の総務の方が総出で、私たちが今まで住んでいた部屋のチェックをしてくださった。
そこから空港近くのホテルに移動して、翌日はとうとう出国というところまでこぎつけた。ホテルやフライトの予約もすべて私が段取りをつけたので、その日からのスケジュールにおいても、まだまだ積み残しタスクがある状態だった。だから、まだまだ心の底から、約17年に及ぶ海外生活を総括するような気分にはならず、淡々と目の前のやるべきことをやるだけだなと再確認しただけだった。
ただただ疲れた。カナメが退職するとか、私自身の仕事のことを考える余裕もなく、次のミッションへと駒を進めるのみだ。そんな心境だった。
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