0 ダラダラと時系列で日記を公開する理由

 実家のリノベを決めた時にはすでに、Kindle本にして出版しようと思っていた(結局、noteにしたけど.....)。これからの時代に私と同じように、実家に住むことになったから、自分たちで好む空間にリノベしよう、もしくは実家に住む親のために住みやすくリノベをしてあげようと思う人が増えると思ったからだ。

 「実家をリノベして住む人が増える」と考える理由の一つに「現金(貯金)を減らしたくない」というシニアの切羽詰まった思いがある。

 高度経済成長期、世界の誰もが日本を羨ましく思い、世界の時価総額上位の大半を日本が占めるような時代とは違い、入ってくる現金が右肩上がりになるとは無邪気に信じられない時代になっている。年金の支給年齢も引き上げられ、その額も目減りするかもしれない、インフレになって価値が下がるかもしれない。30年ローンで新築建てるのバカ、みたいな言質が表舞台で見られるようになった。

現金は少しでも残しておきたい。そして老後に備えたい。

専業主婦の比率は減り、ヒマな専業主婦のマウンティングのために、新築キラキラの不動産を買い、30年ローンにしばられ夫は嫌な職場も辞められず……

そんな時代は終わった。見栄のために自分自身がしんどい思いをするのはやめだ。本当に自分らしい暮らしをするためには、他にも選択肢はあるのでは?とみんなが思い始めてきている。

 今後、私のようにリモートで仕事ができる人が増えれば、住居を職場の物理的場所に近く設定する必要はない。古い実家に贅沢な住空間がある人もいるかもしれない。でも古い家で魅力的ではない。そこを自分好みに変えることで快適に住めるなら、そしてそれが考えているよりも安く実現できるとしたら、そういう選択を選ぶ人も必ず増えていく。でも意外にも、そういう人に向けた本がない。

 リノベーションに対するアプローチとして最も参考になったのが、ちきりんさんの「徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと」だ。自分の住む家に対しても、既成概念に囚われることなく、自分の好む空間を追求していいと思わせて頂いた。彼女はそれを適正な価格でプロに依頼することで実現した。私の場合は、予算に応じてプロにお願いすることと、自分でできることを組み合わせて、予算内に収めることに成功した。そしてその結果得られた生活空間が、自分が当初思い描いていたもの以上に快適であったことは、私自身に少なからぬインパクトを与えたのだ。想像以上の結果が、自分達の「創造」から出てきたという事実は、今までにあまりない経験だった。そして、そこに至る過程は、決して簡単なものでも楽でもなかったけれど、私がそれを記すことで、さらに合理的にリノベを完遂させる人が一人でもいれば、この顛末記を記す意味があったと思う。

 プロの手を借りて、自分たちで設備等をネットで購入し、自分の手でできる部分は自分たちでやる。その具体的なプロセスが記されて一つにまとまっている本がなかった。私たちの試行錯誤のグダグダも晒すことで、つまづきやすい問題も、少しは感じ取ってもらえればと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?