移住するならコスト面から地方都市がええよ
最近よく見ている軽井沢と移住系のチャンネルで、「軽井沢の生活コスト」についての動画を見つけた。私が想像するよりも、観光&避暑地における越冬コストが無視できないレベルであることを知り、正直ビビってしまった。
長い間、韓国のソウルに住んでいたから、寒いエリアのリアルは知っているつもりだった。冬になり、積雪が予想されるとタイヤを変える程度のことはあっても、室内はオンドルのおかげで常に真夏の如くぬくぬく。その自宅から車に乗り、ショッピングセンターの駐車場に車を止めてショッピングをしている間は、冬の寒さを意識することなどない。つまり、寒いエリアの住居は、そういう暖かく過ごすための知恵がデフォでついているのかと思ったのだが、そういうわけでもなさそうだった。自分で対策しないといけないということだ。
ところで、このチャンネル、めちゃくちゃオススメである。インテリご夫婦(たぶん高学歴&海外在住歴あり)の会話がとても知的でウィットに富んでいて、しかも情報はまとまっていて余分なウダウダがなく、非常に聞きやすい。音楽もお二人の声質も癒やし系で、疲れている時に見ると脳から何かが溶け出してしまいそうなほどに耳に心地よい。
ところで、私たちは、自分の住むエリアを自分で決めたわけではなくて、単にカナメ(夫)の実家をリノベして住んでいるだけなので、居住場所の選定というプロセスをすっ飛ばしている。過去にカナメの仕事の関係で、海外を含め複数エリアに住んだことがあるので、私にとっては「与えられた場所に住む」のはフツーのことである。そこに慣れるプロセスも人生であり、かつ面白いし、新しいものを発見する喜びに満ちたものなので、ぶっちゃけどこでも住めるとは思っていた。
が、この動画を見て、やはりコスパ的には地方都市に住むのが良いと改めて思った。経済的に余裕のある人は、世界中どこでも(避暑地や高級リゾート地でも)暮らせるけれど、経済的制約があるのであれば、生活コストは重要な判断因子である。つまり安いなら安い方がいいのだ。やはり。
うちのエリアは、県庁所在地までは電車に乗って40分ほどかかり、そのコストは一人往復千円を超える。そこまで行けば百貨店はあるし、レストランやショッピングエリアも、そこそこ充実している。都銀の支店もある。オシャレなカフェの集うストリートもあるので、東京や大阪といった大都会に行きたいという気持ちはほとんどない。いざとなれば、時間とコストを少しだけかければ、そこそこ高感度エリアに行ける。
我が家の周辺に住む人はほとんどいないのだが、少し離れると住宅地もあり、駅に近いところには分譲マンションもいくつか建っている。スーパーマーケットも図書館もある。それなりに飲食店も居酒屋もある。自転車に乗って隣の市に行くと、国道添いに、そこそこ大きなショッピングセンターや大手チェーンのレストランもたくさんある。そこにTSUTAYA&カフェがあるので、月に2回くらいは行く。
我が家の徒歩圏内に、クリニック(内科)、歯科、皮膚科、整形外科などは一通りそろっていて、少し歩くと総合病院もある。
もちろんゴミの収集も問題ない。これは市の管轄なので、周囲の方に頭を下げながらということもなく、指定された場所に指定された曜日の朝にゴミ出ししておけば、キレイに収集してもらえる。
びっくりするほど、生活に困らない。
田舎の生活をグリグリとディスってやろうと思っても、特につっこめるところがない。生活コストも安いし、生活に全く困らない。我が家が発する大音量の音楽にも(二重窓だから外にはほとんど漏れてないけど)、屋上でBBQやっていても、クレームをつけられることもない。
つまり、地方移住を考えていて、かつその目的が生活コストを下げるためであれば、種々の追加費用がかかったり、基本的に割高になってしまうような「人口が極端に少ないエリア(限界集落など)」や「酷寒の地」ではなく、自家用車がなくても生活できる地方都市の駅近物件に住むのが良いと私は考えている。そういうエリアは同時に、子供の学校にも、そこそこの選択肢がある。
地方都市に住むメリットをまとめておく。
1、不動産価格が安い。固定資産税が安い。賃料が安い。
都会のワンルームの価格で、2LDK~3LDKに住めたりする。
2、(駅の近くに住めば)車は不要。
これが地方都市住まいをオススメする最大の理由である。車を必要としないエリアに住むと、維持費もかからない。車両費が一切かからないので、必要な時にはタクシーを使っても、それほど財布が傷まない。
3、生活に最低限必要なもの(スーパー、コンビニ、病院など)はそろっているので、生活に困ることはない。
逆に言えば、住むエリアを決める時に、自分の生活に必要なものが徒歩圏内(または自転車や公共交通機関を使ってアクセス可能なエリア)にあることを事前に確認することが重要になってくる。お子さんがいらっしゃる方は、更に学校へのアクセスが最重要ポイントになると思う。
4、(西日本なので)猛暑や寒波などの影響があまりない。そのためのコストも不要。
これはライフスタイルによって状況が違うと思う。ウィンタースポーツが好きな方は、逆に長野県や北海道なども選択肢に入るだろうし、マリンスポーツが好きな方は、海に近いエリアが良いのかもしれない。ただ、暑すぎず、寒すぎない、災害が少ないエリアを選ぶと、その対策費を最小限にすることができるのかもしれない。
5、人が少なく、自転車で歩道を走ることに危険性が少ない。
とは言え、地元に住む人たちは、基本的に自家用車を複数台持っている方が大半なので、歩道を歩いている人、自転車をこいでいる人が圧倒的に少ない。そのため自転車事故を起こす確率が圧倒的に小さい。以前、東京の歩道を歩いていて、あまりにも自転車がビュンビュンと通り過ぎるので、怖くて泣きそうになったことが(汗)。
6、すぐ近くに、ど田舎も感じられる(汗)。
ちょっと歩くと、見渡す限りの田んぼと畑が........。
7、新鮮な食材が安く手に入りやすい。
畑がいっぱいあるということは、農産物もたくさん採れて、その地元の食材は、やはり安い。いただくこともある。
8、外食費が意外と安い(観光地ではないので、特に高くなる要素はない)
不動産が安い、つまり飲食店の固定費も安くなるため、都会と同等レベルのものでも圧倒的に安い。しかも、インド料理と中華料理は、日本のどこの地方に行っても、インド・スリランカ・ネパール系の方、中国・台湾系の方がオーナー・料理長さんのお店があり、ホンモノが食べられる。
ホントに困らないのである。
ついでに、個人的なデメリットは、次の通り。
1、コストコがない
個人的に、これが一番悲しい。生鮮食料品以外では、コストコオンラインで購入できるものも多いので、それほど問題ではないのだが......。
2、IKEAがない
これも送料のコストを支払えばオンラインで購入できる。でも直接お店に行きたいなと思うことがある。
3、都銀の支店がない
頻繁に行く用事はないので、今となってはそれほど不便とは思わないし、県庁所在地に行けば良いのだが、「田舎住みであるという事実」を再認識させられる。
4、家電量販店の品揃えが少ない
ヨドバシカメラやビックカメラに行きたいと思うことが、割とあるw
5、レストランのバリエーションが少ない
そのため、自宅にピザ窯を設置してしまった。食べられないものは自分で作るしかなく、道具も増えていく(汗)。
6、外タレ来ない
PentatonixやZeddやMaroon5が、うちの県に足を踏み入れたことなどないだろう(涙)。
7、バスの本数が少ない(時刻表にあわせて動くので、実際はあまり困っていない)
車を手放した高齢者の方もいらっしゃるので、バス路線はよく考えられいて、市内の主なスポットは網羅されている。が、問題はその頻度が1~2時間に一本であること、終便がおどろくほど早いので、都会での生活のように、なんとなく出かけて、なんとなく帰るという技が使えない。行きも帰りもバスの時間を事前に確認する必要がある。
余談だが、最近になって、カナメがトイドローンを購入した。
事前に調べて、あえて200g以下のものを選び、飛行禁止エリアも確認した上で購入し、念の為に市役所で飛ばしても良いエリアを確認したところ、
飛ばせる場所はなかった..........orz
市役所が公開している情報によると、飛ばしてはいけないエリアというのが明確に規定されていて、それ以外はOKの様に読めるような文章だったが、現実的には個々のエリアで明確に許可がとれる場所は一切なかった。例えばかなり広大な公園でも、周辺住民によってボール遊びすら禁止になっている状況で、ドローンなど許可されるわけもないということだった。
海に行くしかない。GOTOトラベルするしかないか。