【リノベ備忘録】嫌なことから逃げるために知恵を出す

 新築の家を建てる時、リノベを計画する時、自分自身が望むライフスタイルを追求すべきだと書いた。

それは他の誰かが代わりに考えてくれないし、自分の好むものは自分にしかわからないからだ。

が。

毎日のように、うちは住みやすいねぇ、ストレスないねぇ、と自画自賛してしまう我が家の生活が、なぜこんなに良いと思うのかと考えた時に、意外なことに気付いてしまった。

自分たちが望むものを追求したところ、結果として自分が想像したもの以上のものが手に入ったって、ちょっと変じゃないかと自分で感じて、それからずっと考えていたのだ。

希望通りなら「満足」でいいんだけど、「想像以上、満足超えてる」となぜ思うのかが、ずっとわからなかったのよね。

それが、ちょっと分かっちゃったのだ。

私たちは、リノベの最中に色々と意見を交わしていたのだが、その中で、「それだけは嫌なんだよね」というものがいくつかあった。

例えば、私の場合は、
- 食器洗いが大嫌い
- コンロの掃除は更に嫌い
- 浴槽の掃除もキライ
- 寒いのは無理

カナメは、

- 深夜に起きることがあるから、トイレが遠いのは絶対にアウト。
- (海外生活が長かったので)日本式の直接照明で部屋全体が蛍光灯で真っ昼間みたいに明るいのは御免。
- 近所に遠慮して大音響で音楽聞けないのはイヤだ。

などなど。

なので、当然ながら、こういう細かい自分にとって「絶対にやりたくないこと/イヤなこと」はすべて潰したのだ。その点においては妥協していない。やりたくないことは絶対にやらないで済むように考えた。

そして考えてみたのは、少なくとも私たちにとっては、なんとなく求めたUrban Cafe風な家が手に入ったから満足しているというだけではなくて、嫌なことをしなくていいし、嫌なものが一つもないために、過去最大級にストレスフリーな生活となっていることが、期待以上の結果となっているのだと気がついた。

「良いことがたくさんあるけど、不便なこともちょっとある」と

「辛いこと不便なことは一切ないし、良いこともそこそこある」

を比べてみた時に、後者の方が実際の満足度は高いのではないかと思うに至ったのである。

ネットで動画を見ていると、とてもステキで広いお家を建てて、愛するモノに囲まれて絵に描いたような幸せなお宅なのだが、洗濯機と物干し場の動線が悪くて苦労している、という例を見つけたりすることがある。人間が生活していれば、ある程度の不便は仕方がないかもしれないのだが、ちょっとした知恵で解決できることもある。苦労することで人格を磨こうと思う人もいらっしゃるかもしれないが、私自身は、家事ごときに大事な時間を奪われたくないと思っちゃう方だ。

よく職業選択において、自分が本当にやりたいことがわからないという声を聞くことがある。だが、私の友人たち、子供たちを見ていると、「やりたいこと」を求めてうまくいった例も、やりたくないことを避けまくって選んで、うまくはまった例もある。例えば、スーツを着たくないから学校の先生になった友人もいるし、毎日決まった時間に電車に乗るのが嫌すぎて起業した友人もいた。

なので、リノベにしても、就活にしても、自分にとって絶対にイヤなものを「どうしたらやらないで済むか?」と考えて、それを具現化すると、想像以上に快適だということに、この歳になって気づいたのだ。

理想の家がわからない時は、絶対イヤなことを排除するにはどうしたらいいかを考えると良いかもしれない。

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