3.15 リノベで手に入れたいもの
実家のリノベすると決めてから、一時的に滞在しているところの近くにTSUTAYAがある。そのTSUTAYA内にタリーズがあり、ちょこちょこ利用していたのだが、中で珈琲飲んでいる人たちが勝手にTSUTAYAの本を持ち込んで読んでいるのを見かけて驚いてしまった。
ネットで検索してみると、タリーズで飲食している人は、一回に3冊までTUSTAYAの本を持ち込んで読んでもいいと書かれてあった。
「うそやん」
TSUTAYAに何のメリットがあるのかどうかわからないし、具体的なシステム(一旦TSUTAYAのお兄さんに逐一許可を取るか否かとか)がわからなかったので聞いてみた。
システムは、先に珈琲を注文してからということと、ビニール袋に入っている書籍以外であれば何でも3冊までタリーズ側に持ち込んで、読み終わったら元にあったところに返してもらえればOK、ということだった。
そこまで聞いてもTSUTAYA側に何のメリットがあるのかはさっぱり分からなかったが、いいと言うならやってみよう!と、それ以降は毎日の様にタリーズに通い、ひたすら一冊も買わずにリノベの本を読み漁った。
最初は大判の写真が多く掲載されているリノベ雑誌をパラパラと見ていたのだが、そこで気づいたのは「世の中、お金持ちばっかりやな…」ということだった(笑)。敷地面積が巨大で、建築デザイナーさんにコンセプトだけ語ったら、彼がこんなにステキな家をつくってくれました~。見て見て、素敵でしょ?みたいな家のオンパレード。お掃除は誰がするのかなぁ?それより子供がまだ小さくて、そんな家を建てられるキミの職業は何?実家の援助?
本題とは全く関係ないどうでもいい疑問がフツフツとわいてきて、全く何の参考にもならない(汗)。
リノベなんてね、お金さえかければ、どこまでもカッコいいのができるのだ。ハイセンスなリノベに強いデザイナーさんに依頼して夢を語って向こうの言い値を払えばOKなのだということだけは分かったが、はて。
うまく言えないが、私が目指しているのはそこでないことだけは分かった。
自分がしばらく住む家だから、使いやすくて居心地がいい部屋にはしたいが、限りある貯金をごっそり吐き出すほどのリスクなど取りたくない。だからといって妥協できるところと妥協できないところがある。
自分の中での優先順位がなんとなく明確になってきた様に感じた。
リノベで絶対実現したい暮らしとは。
- 自分にとって必要なものはすべてあるけれど、不要なものが一切ない場所。
- 寒くなくて暑くなくて、カフェのような空間。
- 生活のすべてが完結するけれど、生活感が感じられないようなシンプルでハイセンスな場所。
そんなことを考えていたら、自分の欲しい空間が少しイメージできるようになってきた。
私が欲しいのは、お金さえかければ手に入るデザイナーズハウスではなく、どこにもないけれど、実際に住む私たちが暮らしやすく、そして都会の雰囲気が漂う場所なのである。一歩外に出れば田舎という現実がある限り、都会育ちの私には、家の中にURBAN(都会的)な香りが漂う暮らしが落ち着くのである。
そこからのリノベ構想は、次のステージへと進む。
何をもって都会的というのだ。何があればカフェっぽい雰囲気になるのだ。生活感とはどこから出ているのか、シンプルとは何か。
寒暖に耐え得る家であれば、二重窓にする、ハイパワーの冷暖房機を入れる、床暖房にするなどなど、すぐにイメージできる。でも都会的なカフェっぽい空間って何を指すのかが、そもそもわからない。
しかも。
DIIYリノベも考えていて、色々と本も読んでみたが、なぜか全く参考にならない気がしてきた。DIYリノベのビフォーアフター写真もたくさん見たが、色々と雑然としていて、やりたいことを全部やりました!というのは分かるのだが、「プロに任せた方がいいのかも.....」と思うようになってしまった。自分で作りたいものを作っていったら、結果として全体としての整合性がとれてないような気がしたのだ。なぜその壁紙の色にしたのかな、なぜその素材を使ったのか、はたまたどうしてそんなにたくさんモノを置くのだ?と色々と疑問がフツフツと湧き上がってきた。
苦しい。
餅は餅屋じゃないけど、プロのデザイナーはさすがプロだなと思う。多くを語らず「ざっくりとコンセプトだけ語って、あとはデザイナーさんにお願いしました」という家の、なんという完璧なまでの統一感!
私たちは素人だから、自分でリノベしたらあかん気がしてきた。でもコストかけられないし。
そんな時に、本当に偶然なのだが、街中の小さな壁紙店を見つけた。びっくりするくらい狭い店舗にビックリするくらい大量の壁紙が飾られていた。しかも壁紙貼りの講習会などもやっているそうだ。天井までビッチリと壁紙のサンプルがあった。たぶん倉庫は別にあるんだろうな。一見して「輸入壁紙だな」と分かるようなユニークでインパクトのある壁紙が並んでいた。店長さんが声をかけてくださった。
店長さんのお話は、実に示唆に富んだものだった。
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