【コンロ使わないもん】ミートパイが食べたい
うちの子供たち、なぜか小さい頃は外食(Eat-out)が好きではなかったみたいで。
子供というものは、同世代が複数人集まると、それはもう遠足状態になるというのは想像に難くないであろう。我が家は割と歳の差の開いていない4人姉弟たちなので、外に出た瞬間から私は幼稚園の引率の先生と化し、あっちの手を引っ張り、こっちに大声を出し........という状態になっていた。
脳内は常に「1、2、3、4」と点呼をとり続けていたので心休まる時はなく、外食しようものなら悪ふざけが始まる。私はそれをすごい形相で止めていたのだろう。
「外で食べるより(きゅうくつだから)、家で自由に食べたい」という気持ちになったのか、外食計画が持ち上がる度に、いつも誰かがウダウダと揉め事を起こし、それをカナメに激怒されるというお決まりのパターンに陥り、ますます子供たちは親と一緒に外食することを嫌った。
カナメ「俺らが子供の頃なんて、こんなにしょっちゅう外食なんてできなかったからか、外食って嬉しいものやったけどな。」
いや、うちの子供たちもテキトーで料理に関心のないママの手作りご飯を食べさせられるより、外食したかっただろうな(汗)。キミが激怒しなければ、私がイライラと行動を制止しなければ。
外食することを手放しで喜ぶようになったのは、全員が一人暮らしをするようになってからなので、この5年くらいの話である。
「タダ飯が食える」
くらいの話かと(大汗)。
そんな状況の中、滞在していた国における、彼らなりのソウルフードというものがある。
韓国では、習い事をしていた帰り道にあった、コンビニや屋台の(韓国式)おでんとその辛味の効いた出汁スープであったり、唯一子供たちが大喜びでついてきたサムギョプサルであったり。
狎鴎亭の떡쌈시대というお店のサムギョプサル店には通いすぎて、お店のおじさんに顔を覚えられる程だった。おじさん、お元気にされているかしらん。
そして、オーストラリアでのソウルフードは、家の近くにあったNando'sというチキン店と、間違いなくミートパイであろう。ちなみに末っ子のバクにとっては、それがベジマイトトーストだったりする。あちらの保育園育ちだからだ。
私自身にも「ミートパイが食べたい」という欲求が定期的にわき起こり、その度にホットクックさんにミートフィリングを作ってもらい、冷凍パイシートに包んで焼いて食べている。フツーに美味しいので、割とよく作っている。
でもちょっと違うのよね。あの時に食べたソウルフードとしてのそれとは。
いつの間にか、コレが日本に上陸してた。
とはいえ、かなり高いらしい。
子供たちが小さい頃は、一人2〜3個ずつ食べていた。冷凍庫からこのパッケージを無造作に開けて、どでかいオーブンに入れて一気に12個を焼く。セール時には迷いなく大量に買い込み、冷凍庫に常備していた。
それがニッポンにやってくると突然高額商品になってしまう。セブンでは、一個278円(税別)というバカやろープライスである(汗)。これを12個焼くとか、無理無理である.........orz
2年以上前に高速バスに乗って行ったコストコの方が随分と安かった記憶があるので、コストコで買いたいのだが、またまたマンボーモードとなりそうな今となってはアクセスできそうにもない(涙)。
つまり、自分で作るしかない。
あの形で再現したいと思って色々と検索をかけていたら、ようやく米国アマゾンでミニパイの型を見つけた。日本の通販では見つけられなかったのだが、こんなもののために国際便を使って取り寄せなければならないのかと思うと残念すぎるわ。
ところが。
求めよ、さらば与えられん.........である(違)。
ずっとミートパイの型について考えていた時に、バターを室温に戻そうと取り出したこのカップを見て、思わず叫びそうになって口に手を当てた。
これでええやん!!セリアのシェラカップ(持ち手なし)である。
酷使しすぎで汚くなってはいるが、まだまだ現役で使える。屋上BBQの時には、直火の上にこれをのせて、ニンニクを大量に入れてオリーブオイルをかけて揚げ焼きにする。韓国の焼肉店でよく見かけるアルミカップの代わりである。我が家ではこのニンニクがなければ焼肉にあらずという感じで、高頻度で使うアイテムである。
ただ、我が家には一個しかないので、セリアで調達してきたよ。アルミ取り皿が、意外にいい仕事をしそうなので、こちらもゲット。
そして、長女セリに教えてもらったレシピで、ショートクラストペイストリーも作ってみることにした。
ミートフィリングについて色々と探してみたのだけれど、要するにミート(ひき肉だったりダイスカットの牛肉だったり)を使って、ペッパーを効かせてミートソースの粘度を上げればOK(小麦粉を多めに入れる)という雰囲気を感じ取ったので、今回もテキトーな感じでやってみる(汗)。
バク「あのオーストラリアのやつだよね?ミートソースじゃないよ。」
私「ステーキビーフのヤツ?(昨日作った)ビーフシチューっぽいヤツだよね。」
バク「違う。ミートソースじゃないけど、ビーフシチューでもない。」
言いたいことは分かるが、ちと難しいな。グレービーソース的テイストを強めに出せばいいのかな?
先にビーフを炒めて、それに調味料をあれこれと突っ込んでいくと、それっぽいものができるのかなと勝手に解釈(汗)。
焦がし気味のガーリック風味があれば何でも美味しくなる仮説を立てているので、それを使ってみる。
玉ねぎがキライでニンニクが大好きという謎の好みをもつバクくんのために、エシャロットを使う。なぜ料理好きでもない私の家にエシャロットがあるかというと、実家の母が送ってきてくれた荷物の中に入っていたからだ。
母はいつもこうやって、わかりやすいシールを貼ってくれる。感謝である。
母はお料理上手であるが、そのエシャロットで私に何を作れと(汗)。
「バクくん、玉ねぎがキライでもエシャロットはどうかしら?」と思い立った。
試してみるしかない。
その前に、ちらっとこういう動画を見てみた。
イメトレ完了。作っていくど。
1、ホットクックの内鍋に、粗みじん切りしたニンニクとオリーブオイルを入れ炒めるモードで3分加熱。
2、エシャロットを刻んで内鍋に入れて、さらに3分追加加熱。
3、そこに牛ミンチ肉を入れて、塩コショウでさらに5〜15分加熱。加熱時間は量によって調整。
うちの近所のスーパーマーケットにはなぜか牛ミンチが売っていないので、合い挽き肉を購入。ちょっとビーフ感を出したかったので、牛肩ロース肉の角切りも別途購入。これをダイス型にカットして混ぜ込んでみた。
4、肉汁がたっぷりでたところで、ミンチ肉の塊がなくなるように木杓子でほぐしながら、醤油とウスターソースをテキトーに回し入れる。オールスパイスをパラパラ入れて、最後に粗挽きの黒コショウを死ぬほど効かせる気でバンバン入れる。そこにトマトピューレ&ケチャップと小麦粉も投入。煮物をつくる(まぜあり)モードで20分加熱。
コンソメをぶち込みたい衝動をグッと堪える。それを入れちゃうといつものミートソースになってしまふ。今日はちょっと何かを変えてみたいのだ。
5、できあがったら味見をして、納得がいくまで微調整する。
私はここで、さらに死ぬほど粗挽きコショウを投入。
6、冷凍パイシートや手作りのクラストシートを、オイルを塗った型に敷いて、ミートフィリングを入れて、さらにフタをする。中心部に穴を開けて、卵の黄身を表面に塗り、200度〜220度に予熱したオーブンで焼き、良い色合いになったら温度を下げて十分に焼く。
オーブンによって温度と時間は異なるが、焼き時間はトータルで25分〜30分程度かな。シェラカップで型抜きをする。この同じ大きさでアルミカップ型用の生地も切り出す。
型にオイルを噴霧。
無事焼けた〜!!
冷凍パイシート版と手作りのクラストシート版の2種類作ってみた。結論としては、手作りのエネルギーに、味と食感を考えると、冷凍パイシートを使うのがベストだと思ったよ。
型については全て合格。シェラカップも問題ないし、持ち手付きのシェラカップでも、角皿の場所をとってしまう以外は特に不満なし。コスト的には何度も使えるシェラカップの方がいいとは思うけれど、アルミ容器の利便性は別次元。このまま冷凍できて、冷凍庫からすぐにオーブンに突っ込めるので、割といい選択肢だと思ったよ。
カナメ「これ、最初っからアルミのやつでええんちゃうの。」
確かに。
今回作ったミートフィリングが、意外と美味しくて我が家で受けたので、今後もこのレシピで行こうかなと思っているところ。玉ねぎ大嫌いのバクが、エシャロットが入っていることに一切気づいてなかったので、エシャロットは合格ということね。
これで終われば良かったんだけどさー。
根本的な、かつクリティカルな大問題にぶち当たったのだ。
このミートパイの底部分が、上手く焼けなかったのだ。
ここ数日の間に、ポーリッシュ種を使い切るべく、カンパーニュを3回ほど焼いてみたりもしたのだが、こちらの方もマジで上手く焼けない........orz
何度焼いてみても、表面はキレイに焼けるのに、天板に当たっている部分(パンの底)が十分なレベルで熱が入っていかないのだ。下ヒーターのパワーが圧倒的に足りていない気がする。
過去に何度かパンやクッキー、ピザを焼いてみたけれど、こんなにうまくいかなかったことは初めてで、ちょっと愕然としているところ。
ヘルシオオーブンが火力不足であるというのは聞いていたのだが、ここまで焼けないとは。
ハード系のパンを焼く以前に、この程度の厚みのミートパイも十分に焼けないとは!
パン生地と格闘する前に、手持ちオーブンとの戦いが待っていたとは!
私の目標がまたまた迂回(汗)。我が家の貧弱なヘルシオウォーターオーブン環境でのBAKE作業の最適解を、まずは見極めねばならないのだ。
戦いはまだ始まったばかり.........。
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