ウェルビーイング・ライブラリー
本Noteも気づけば10記事目となりました。 皆さんご覧いただき本当にありがとうございます。 現状、私の思考像やそれを構成する書評もごく一部に留まっていることもあり、ほぼステルス状態なのですが、今回は書評でなく、私の論考を書いてみようと思います。 (なお本論考は、昨日のMorning Page(書く瞑想)で自分の中で整理した内容ですので、まだまだ浅薄な部分もありますがご了承ください) 逃避は悪か?誰しも一度は、環境やコミュニティ、特定の人間関係から逃げ出したいと感じたこと
今回は、本Noteでもたびたび解説に利用してきた、「成人発達理論」について解説します。 これまでの私の学習や経験では、ビッグファイブやMBTIといった「パーソナリティ心理学」(自己・他者理解の切り口)と、成人発達理論やインテグラル理論などの「発達理論」(自己・世界を見つめるレンズ)の二つのフレームワークを用いることで、人の本質的な成長を支援することができると感じています。 パーソナリティ心理学は今や若者の間でブームとさえなっている一方、発達理論は日本ではまだまだマイナーです
本日ご紹介する本は、岸田秀による「ものぐさ精神分析(増補新版)」です。 岸田秀(1933-)は日本の著名な精神分析家であり、フロイトの理論をベースに、人間の本質や社会との関わりについて深く考察した独特の思想(唯幻論)で知られています。 今回扱うのは彼のもっとも有名な著作である『ものぐさ精神分析』です。 初版は1977年に出版され、伊丹十三、橋本治、内田樹等の多くの人物に影響を与えたと知られています。 しばらく新品書籍が手に入りにくい時期が続きましたが、24年2月に増補新版が発
本日ご紹介する本は、ジョナサン・マレシックの『なぜ私たちは燃え尽きてしまうのか―バーンアウト文化を終わらせるためにできること』です。 マレシック氏は、大学時代の恩師の影響で大学教授に憧れ、実際に大学教授となり、テニュア(終身在職権)まで手にしましたが、その後バーンアウトし、テニュアも手放して大学教授の職を辞します。 そうした彼が、専門である神学に加え、あらゆる学問を研究しながら、現代の職業観が燃え尽き症候群の原因となっていることを明らかにし、社会が求める労働観を超越した新しい
本日ご紹介する本は、精神科医であり、TVコメンテーター等でもご活躍する名越康文氏による、『SOLO TIME「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』です。ちなみに名越氏は前回ご紹介した岸見氏同様、日本においてアドラー心理学を研究していらっしゃる方でもあります。 本書は、題名こそソロ活やソロ充的なにおいがしますが、内容としては、心理学や発達理論における「自立」「自己主導」「自己実現」といった内容です。 「出世」「年収」「幸せな家庭」など、気づけば社会や親から期待されるよ
本日ご紹介する本は、哲学者であり、日本で早くからアドラー心理学を研究し続けていらっしゃる岸見一郎氏による、「アドラーをじっくり読む」です。 アドラーと言えば、「嫌われる勇気」、またその続編としての「幸せになる勇気」などでお知りになった方も多いのではないでしょうか。 岸見一郎氏は、上記二冊の著者でもあり、アドラーの書籍の日本語訳も担ってきた方ですので、本書はアドラーの心理学を深く理解するための一冊です。 アドラー心理学は、人間の可能性や自己変革に主眼を置いた、厳しくも希望に
ご訪問ありがとうございます。 東京都で現在はコーチ、コンサルタント等をしている「もりや」と申します。 このページではコーチングや各種お仕事依頼を記載しております。 何かお力になれそうなことがあれば、お気軽にご連絡ください。 お問い合わせは下記のお問合せフォームからお願いいたします。 (メールにてご返信いたします。) 簡単な自己紹介このように、これまでのキャリアでは、資本主義のど真ん中、何なら「世の中の企業価値の総和を最大化することで人類は幸せになる」と考えて生きてきま
本日ご紹介する本は、日本放送系ラジオ「テレフォン人生相談」で半世紀以上、様々な方の人生相談に乗ってきた社会学者・心理学者である加藤諦三氏による、「真面目なのに生きるのが辛い人」です。 何を隠そう私自身がかなりの陰キャでして、本書の内容はぐっさぐっさと刺さるとともに、自己理解に大きく寄与しました。 本書は特に「真面目な人」、つまり「楽しさがわからないから真面目に生きるしかない」と感じている人々に向けて書かれています。著者は、性格形成の根本に幼児期の経験があると考え、特に幼少
記念すべき第1回の本は、20代の私の認知のフレームを大きく変えた、「サーチ・インサイド・ユアセルフ」をご紹介します。 Googleのエンジニアであったチャディー・メン・タン氏が情動的知性(EQ)を高めるため、マインドフルネスを核に開発しGoogle社内研修として開始された「サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)」。 その後メン・タン氏は独立し「SIYLI」を創設し、「世界平和」のために「SIY」のプログラムを全世界に広めています。 本書はそのSIYの要点をまとめたマインドフ