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なぜ、病院再編が必要なのか

おはようございます。医療ソーシャルワーカーの風谷です。

2021年5月21日に参議院本会議で医療法改正案が可決・成立しました。その中でも病院再編への支援恒久化を定めた医療法について着目しようと思います。

なぜ、病院再編が必要なのか

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今後の少子高齢化に伴う医療ニーズの質・量のの変化や、労働人口の減少を予測して、質の高い医療を効率的に提供できる体制にするために、医療機関の機能分化・連携を強めていく必要があります。

各地域における2025年の医療需要と病床の必要量について医療機能ごとに推計し、地域医療構想として策定しています。

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医療機能は4つ

①高度急性期機能

急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能

②急性期機能

急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する機能

③回復期機能

急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能

④慢性期機能

長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能


このように、病院は少子高齢化の影響もあり、機能別に分けています。入院前の面談でご家族によく驚かれるんです。

「1つの病院でずっと入院できるわけじゃないんですね」

私の子どもの頃はそうでした。生前入退院を繰り返していた祖父がガンで他界した時は、急性期機能のある病院でしたね。

機能別に分けるメリットは、やはり、必要な人に必要な医療を届けることができる点だと考えます。

「断らない病院」と「面倒みのいい病院」

奈良県の取り組みを例として挙げました。

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断らない病院とは

医療機能を強化。緊急で重症の患者を受け入れる役割の向上。後方病院(回復期、慢性期)との連携、退院支援の強化を通じ、在院日数の短縮を進めていきます。

面倒みのいい病院とは

在宅・介護(連携)機能を強化。高度な医療よりも介護事業者との連携・重症化した時の対応などを求められます。地域医療構想を進めるためには、病床数だけではなく、地域における病院の機能に着目する必要があります。

地域ごとに、人口、世代、病院数等異なります。各自治体が数値化して2025年以降の医療について見据えていくことで過剰な医療の提供を防ぎ、医療従事者の人数配分を適切に行うことが可能になるのではないでしょうか。

実際、「面倒見のいい病院と称する慢性期の病院」で働いているんですが、季節によっては入院数が激減することがあります。なので介護保険のショートステイのようにレスパイト入院として病床を利用してもらうこともあります。こうすることで経営を悪化させないようにしている実情。リハビリは病名がないとできませんし、期限もあるので寝て過ごすことがほとんどになってしまいます。病院というところは介護事業のようにレクリエーションがありません。認知症の方はどんどん認知症が進行してしまう。これについては疑問を感じてしまいます。

適材適所ではないですが、患者の様態に合わせた入院や介護施設の利用が望ましいと考えています。そのためにも病院再編は必要不可欠なのです。

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具体的な取り組み

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回復期の充実(急性期からの病床転換)

その際に必要な施設・設備の整備は、「地域医療介護総合確保基金」により、補助を行い、病床転換を誘導します。

②医療従事者の需給見通し、養成数の検討

回復期の病床の充実のためには、リハビリ関係職種の確保を進めていくなど、病床の機能分化・連携に対応して、医療従事者の需給の見直しを検討が必要になります。

③慢性期の医療ニーズに対応する医療・介護サービスの確保

「地域医療介護総合確保基金」を有効的に活用して、在宅医療・介護施設等を着実に整備していく必要があります。

これからの日本の医療福祉のあり方

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医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される体制、つまり、地域包括ケアシステムの構築を実現していきます。

たとえ重度な要介護状態になったとしても住み慣れた場所で生き、最期を迎える。専門職が連携力をよりいっそう高めていき、医療福祉を必要とする人たちを地域単位で支えていく。医療ソーシャルワーカーとして救急医療がひっ迫しないように、4つの機能別病院が連携し合うことの重要さを日々感じます。

コロナ禍における医療提供体制

※福岡県の医療提供体制

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新型コロナ感染者の増加に伴って、陽性患者の入院先を拡大していきます。陽性患者によって容態は異なるため、適切な医療を提供する必要があります。

急変リスクのある中等症および軽症の患者が安心して療養できる体制を段階的に整えていきます。一時、地域包括病棟をコロナ病棟に変えるなどの取り組みがなされています。つまり、医療崩壊を防止するためにリスクマネジメントはされているのです。

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今回は、病院再編への支援恒久化を定めた医療法について着目してみました。コロナ禍における医療逼迫問題がリンクされがちですが別問題だと考えています。

参考になると光栄です。ありがとうございました!

【参考文献】厚生労働省HPより 良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案について 、地域医療構想 、地域医療構想実現に向けた奈良県の取組について 福岡県HPより 新型コロナウイルス感染症患者の増加に伴う医療提供体制






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