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経営日記 240911

トレードをしているほとんどの人は、雰囲気でトレードしているように感じます。大きな上昇があれば、材料の精査をせずに飛び乗るなどです。ようするにイナゴであって、仕手株が存在する理由ですよね。仕手株であれば、本尊の一定の買いが入りますから、上昇確率は高まりますが、力をもった本尊が入らない仕手株に飛び乗れば、大きな損失は免れません。

また、経営においても、雰囲気で行っている人というのは、一定数いるように感じています。これも材料の精査を丁寧に行わずに、周りの人たちがやっているからと経営をするパターンです。材料が本物であれば、それを買い手がつく可能性がありますが、材料が偽物であれば、買い手がつかず、大きな利益を上げることもできないのですよね。

雰囲気で物事を判断する人と合理的な理由をもとに判断をする人の決定的な違いは、材料の価値判断をちゃんとやっているかどうかです。雰囲気で判断している人の材料というのは、多くの場合は感情です。上がりそうであれば買い。下がりそうであれば売り。このように感情を根拠として判断しているのですよね。一方で合理的な理由をもって判断をする人の特徴は、判断材料がしっかりしています。

例えば、AIが一時期とてもブームになりましたが、最近では少し落ち着きつつあります。生成AIの限界やデメリットが認識されるようになったからですね。ここで価値を過小評価する人は雰囲気で判断している可能性大ですね。AIの技術を理解していれば、AIをうまく活用する企業が生き残り、AI活用が遅れた企業は淘汰されることは明白なのですよね。

実際、広告の分野では、AIが実践で生かされている様子がわかります。ソフトバンクグループ・およびソフトバンク、LINEYAHOOの決算を見ていれば、わかります。とてつもなく生産性が改善されています。このように、AIを活用することで、生産性は大きく改善する事例が出てきているのですよね。この実績・事例を材料として判断している人は、AIの可能性や利便性をよく理解しているはずです。もちろん、エヌビディアを含む、GPU、NPUなどの会社、データセンター建造需要が今後も永遠に続くというわけではありません。AIソフトプロバイダーが設備投資を終えて、これからAIプロダクトを世の中にローンチしていく準備が整ったフェーズなのですよね。NVDA、半導体関連はいったん落ち着くかもしれませんが、今後はソフトウェアベンダーである、マイクロソフト、METAなどが競争優位性を確立して、世の中の市場を飲み込んでいくでしょうね。

日々の相場への向き合い方、商談への向き合い方というのも同じで、判断材料を探すということから出発しなければいけません。情報収集(RESERCH)というのは、材料を探すためにあるのです。材料をもとに世の中がどのように変化するのかを検討しないといけないのですよね。経営でも同じことです。お客さんが求めているニーズというのが、材料です。また、会社の変化というのが材料になります。世の中というのは、常に変化していますから、変化の材料が、次の変化への起爆剤になるのですよね。変化の材料が他にも影響を与えて、新たな変化の材料を生むということを繰り返しているというのがこの世の中です。政治・経済の世界では、特にこの材料の価値判断がパフォーマンスの源泉になります。常に世界から変化の材料を探すというのが、トレーダー・経営者の世界への向き合い方だと思いますね。

経営者であれば、お客さんと面談をして、材料探しですね。そして、トレーダーであれば、株価に影響を与える材料を探すという習慣が必要になります。究極的には、自分自身が感じるニーズで、世の中に影響を及ぼせるほどになれば、自分が材料になって、お客さんから材料を引き出せますよね。相場においても、有名なインフルエンサーになれば、自分の発言が材料になって株価に変動を与えることになるでしょう。これが最高の状態ですね。視聴率の低い材料を拡声器で多くの人に知ってもらうことができるわけですからね。

経営者というのは、マーケットから材料を集めます。特に商品市場から材料を集めるのですよね。そして、トレーダーとは、同じマーケットですが、資本市場から材料を集めます。材料というのは、必ず原因があります。材料を生み出す源ですね。優秀な経営者が成長市場にポジションを取って入れば、多くの好材料を生産する可能性が高まりますし、無能な経営者が衰退市場にポジションをとっていれば、悪材料が数えきれないほど生み出されるでしょう。材料というのは、先ほど申し上げた通り、変化の材料が、次の変化の材料に影響を与えて生み出されるのです。ただし、多くの場合は、材料が出たら、それに合わせて学習して、変化していくわけですから、同じトレンドが続くとは限りません。ただし、その材料が模倣困難であることや、継続性のあるものだとトレンド化します。

好材料と悪材料を判断するには、日ごろから材料を分析しておくしかありません。例えば、トレードであれば上昇・下降した銘柄の材料を特定したうえで、現状を調べておくのですよね。どういう材料が出れば、この会社はV字回復できるのかを予め予想しておくということですよね。そして、その材料が出たら、できるだけ早く、価値判断して好材料であれば買い、悪材料であれば売りのポジションを持つということです。トレーダーの多くは、材料の良し悪しを詳細に判断することはできません。なので、素人目線から見て、材料は判断しておく必要があることは間違いありませんが、本物の材料であれば、材料の分析さえ行わない、テクニカル分析派の人やファンダメンタルの長期トレーダーも参入してくるので、大相場になる可能性がありますよね。
好材料と悪材料とは、何なのか?好材料とはポジティブな変化のことです。会社でいえば業績が上がる、利益が出るなど、ファンダメンタルに良い影響を与えるものが好材料ですね。逆に悪材料というのは、業績などに悪い影響を与えるものです。特に業界のルール変更によって、逆風になるケースや競合の参入などは悪材料になります。

好材料が出やすいか、悪材料が出やすいかは予想することができます。ただし、予想や期待を入れた時点で勘違いであるリスクが大きくなります。短期トレードでは、予想を的中させることで利益を上げるのではなく、予想を素早く判断することで利益を上げる手法です。よって、予想を的中させる手法は長期投資の領域なので、短期トレードとは明確に切り分ける必要があります。トレードというのは、材料の価値判断スピードの速さを競う競技です。短期トレードでも、長期トレードでも本質は変わりません。価値判断の質とスピードが速いものが、遅い人から利益をもらうというものです。つまり、利益の源泉は、時間ということになります。判断を難しくさせる理由は、価値判断が正しくとも、一方向には、値動きは進まないということです。あくまで、買う人と売る人の需給バランスで価格は形成されるので、判断が速かったとしても、翌日に地合いが悪くなる材料が出て、相場全体が下がれば、判断が遅かった人の方が安い値段で株を仕込めるということはあり得るのですよね。材料というのは、日々出るものです。そして、人間というのは、昨日までの最強の好材料があったとしても、今日の悪材料に流されて行動するものなのです。そういう意味で行くと、短期トレードは、トレーダーの判断能力がパフォーマンスに現れ、長期トレードは、経営者の判断能力がパフォーマンスにつながるということになりますよね。なぜならば、日々の悪材料・好材料を的確に判断して、成長という好材料を生み出す人になるわけですからね。まさに経営者というのは、好材料(価値)を創造することが仕事ですね。トレーダーと共通するのは、価値判断ですね。判断能力がすべてということです。

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