#04 ずっと、長く、働き続ければ「3K」の不安は解消できる
~過去投稿はマガジンから~
では、「3K(お金・健康・孤独)」に対する不安を解消するにはどすればよいのか。
結論的にいえば、私は「ずっと、長く、働き続ける」ことがその解決法だと考えています。
お金の不安についていえば、働き続ければフローの収入が得られます。
収入が多いか少ないかは別として、退職金や預貯金を取り崩さなくてすむとはいわないもでも、取り崩す額を抑え、スピードを緩めることができます。
孤独の不安については、定年退職後に新しい仕事に就けば、そこで新たな人間関係が構築されるので、
家にこもって孤独を感じるようなことはないでしょう。
2019年3月、内閣府は、40~64歳までの中高年のひきこもりが全国で推定61万人以上にのぼるという、驚きのデータを発表しました。
この結果を定年退職と即座に結び付けることはできませんが、中高年のひきこもりとまったく関係がないともいえません。
その意味でも、「ずっと、長く、働き続ける」ことで人間関係を豊かにしておくことは、孤独という不安を払拭するのに有効だと思います。
健康の不安についても、仕事を持つことが有効であることはいうまでもありません。
前述したように仕事を持てば、それが規則正しい健康的な生活を送るペースメーカーになるからです。
しかし、ほとんどの会社が60歳で定年、定年再雇用をしても六五歳で終了という制度を導入しているかぎり、
同じ会社でずっと働き続けるのは事実上不可能です。
以下お話しする、私が提案している「トリプル・キャリア」は、「ずっと、長く、働き続ける」ことで、
この「3K」の不安を解消することを目的にしています。
具体的には、現役時代の「雇われる働き方」、
定年後の年齢・体力・経験・目的や収入などを考慮した「雇われない働き方」、
これをさらに2段階に分け、働き方を全体で3段階に分けて考えるという提案です。
※本コンテンツはCOCORO 34号をもとに再構成しています
・・・・・・・・・・・・・・・
著者プロフィール
大杉 潤(おおすぎ じゅん)
1958年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。日本興業銀行(現みずほ銀行)に22年間勤務の後、新銀行東京の創業に携わる。人材関連会社およびメーカーの人事責任者を経て、2015年からフリーの経営コンサルタント、研修講師、ビジネス書作家として活動。
合同会社ノマド&ブランディング・チーフコンサルタント。
著書に『定年ひとり起業』(自由国民社)、『定年ひとり起業 マネー編』(自由国民社)、『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)などがある。がある。