中台育心園🎻♬
音楽を楽しむ心は人間本来のもの
日本のミュージック・ケアの草分け的な存在であり、この40年来続けてきた。エア楽器による模擬演奏のクラシックオーケストラは圧巻。自主性と強調性を重んじている。
「今日も5曲、集中して演奏できるかな?」の先生の声にうなずくオーケストラ員。演奏する時の約束3つを利用者が発表する。「指揮者の見える立ち位置をキープする」「指揮者をよく見る」「みんなの音をきく」。積極的に手が挙がる。
指揮者の利用者がアイコンタクトすると、一瞬の静寂が訪れた。曲選びも利用者が積極的に行う。この日は「おもちゃの世界メドレー」「双頭の鷲の旗のもとに」「カルメン」「アルルの女」「宇宙戦艦ヤマト」の5曲を披露してもらった。観客はたった一人(私)だったが、いつもより良い意味で緊張したそうである。重度の自閉症の若者2人が、いつもより長く席に座っていられたというのが嬉しかった。「感想が大好物なのでお願いします」と言われ、感動したこと、楽しかったことを伝えた。
●背景・経緯
設立当初(1980年)、日本では音楽療法が全国に浸透していなかった。音楽療法の数少ない専門家の一人である故加賀谷哲郎氏が、2年間にわたり4回訪れて礎を築いた歴史がある。
模擬楽器の提案は加賀谷氏のもの。楽器制作は利用者と職員で行った。木をくり抜いて作られたバイオリンは40年もの。塗料を塗り直して大切に使われている。一番最初に取り組み、演奏した曲は「ドナウ川のさざなみ」。
●大切にしていること
「声をかけ、働きかけをし続ける」は千葉桂資さんの理念。自主性と協調性を重んじる支援方針は、当たり前の生きる喜びを地域の中で実現することを目指している。
●課題
最近、入所者の高齢化が進み、新たな入所者は重度の自閉症者が増える傾向にある。問題行動や安全性に不安があり、思うように地域に出られないのが悩み。
●支援センターに期待すること
表現機会の創出。
地域に温かく受け入れてもらうための障害者の実態の見える化に何らか貢献して欲しいと思います。
施設入所支援 定員46名
生活介護 定員60名
短期入所 定員2名
共同生活援助 定員9名
日中一時支援 定員2名
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話した人:千葉桂資さん(中台育心園 園長)
千葉浩子さん(相談支援専門員)
聞いた人:小堀幸子(いばふく、いばらき中央福祉専門学校 広報)
聞き取り日:2021.11.5 fri.