あとりえず〜む (のっぱらの扉)🌈
生きる=アート。奇跡を起こすパワースポット
あとりえず〜む、代表のかとうさんを一言で表すなら、(歩く)パワースポットだ。そして、あとりえず〜むが積み重ねてきた功績は奇跡と呼ぶにふさわしい。社会とのズレ、それが起こすハプニングをバネに、30年以上活動を続けてきた。ず〜むに集まる人たちは、皆パワフルでユーモアに溢れている。
水戸駅北口から那珂川の方へくだった場所に、あとりえず〜むはある。
川と大きな木々に囲まれた、大きな一軒家。
(隣には、これからオープン予定のカフェを建設中☕️)
ず〜むでは、アート教室をメインに、アートセラピーなどをおこなっているが、"教室"と聞いて思い浮かぶイメージとは一線を画している。現代アートのアーティストたちの共同体のように、ひとりひとりが全く異なる表現活動をするために、利用者それぞれのための独自の空間がつくられている。
紙コップに黙々と着色をしつづける彼。
彼の使うパレットがあまりにも素晴らしいので、丸ごと残してあるという。
箱には何十個ものパレットがぎっしりと詰まっていた。
その隣には、アクリル絵の具をこれでもかと重ね続ける多作のアーティストのスペース。彼は、ここに来るまで絵を描くことはなかったという。
アトリエ内を一歩進むごとに、まったく異なる風景が飛び込みつづける。
織物や染色、絵画、陶芸(なんと焼き窯まである!)、紙を永遠にちぎり続けている子がいれば「パフォーマンス!」とかとうさん。同じ空間で、スタッフがオンライン形式のデジタルツールを使った絵画教室まで開いていた。
あとりえず〜むのアート教室は、障害のあるないに関わらず、通うことができる。実際、障害を持つ子が7割、障害のない子が3割いる。ここでは、"障害のある子"たちに、"障害のない子"たちが必死についていく、社会からしたら逆転現象と言ってもよいことが起こっているという。自分らしくあること、自分を表現することのプロフェッショナルである"障害を持つ子"たちに感化され、"障害のない子"たちの表現方法が広がっている。
かとうさんは、社会が生み出す差別や偏見、教育格差、社会問題もアートによって解消されていくのではと考え、活動を続けている。この、セレンディピティがパンパンに詰まったようなアトリエに、一度は訪れてみてほしい。
●背景・経緯
1992年に自宅リビングを開放したのが始まり。2006年にビルの一室を借りるが、車椅子の生徒が車の乗り降りに時間がかかったことで、トラブルが起こる。その時に感じたやるせなさと行き場のない怒りから、一念発起。
3.11が起こる半年前の2010年に、現在のあとりえず〜むを建設。2019年より、就労移行支援事業、就労継続支援B型事業である手仕事工房「のっぱらの扉」を開設した。アート教室でつくられるものを商品化するなどの活動をおこなっている。
●大切にしていること
ケアするケアされるという関係性をなくしたい。相手を許したり、支えるという考えではなく、常にフラットな関係をつくる場が必要だ。お互いが社会的な立場をなくし、ありのまま、対等に向き合うためにアートがある。
●課題
全国各地や世界の"障害"と"アート"にかかわる議論や盛り上がりをみて、いつか茨城でも…という気持ちでこれまで頑張ってきたが、県内の人や施設、団体とつながることが難しい場合が多かった。
●支援センターに期待すること
茨城県で、こういった活動がはじまること、支援センターができることをずっと待っていた。県内に軸となる場、情報を知るための機関が必要だと感じている。ムーブメントを起こしてほしい。なんでも手伝います。
アートスペース「自由空間 あとりえず〜む」「あとりえ"ひとは"/東京支部」
(月)16:00~ (火)定休日 (水)15:30~ (木)15:30~
(金)18:00~ (土)9:00~ (日)9:00~ ※各曜日、月3回開催
🎨こちらからスケジュールを確認できます
就労移行支援事業・就労継続支援B型・日中一時
「手仕事工房 のっぱらの扉」
※のっぱらの扉の商品は、こちらから購入できます👛
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話した人:かとうさとこ(加藤里子)さん(株式会社ひとは 代表取締役)
聞いた人:ミヤタユキ(ROKUROKURIN合同会社 代表、現代美術家)
聞き取り日:2021.11.4 Thu.