駐在まえのはなし(1)
主人のアメリカ駐在が決まって、いろいろと心の準備を始めていたころの話です。
前職の同じチームにいたアメリカ人に、ちょっとお会いする機会がありました。
イリノイ州出身の親切な方で、自身も家族も、自動車業界に関わる人が多くいるようでした。
(セリフを日本語で書きますが、実際のところはだいぶ下手くそな英語で質問をしています。なんとか理解しようと努めるかわいそうなオリバーさん・・・)
私「日本からアメリカに暮らすのに、何か持っていったらいいものってあるかなー?」
オリバー「そうだなぁ。生活する上で必要なたいていのものは揃っているはずだよ。だから、自分の好きな食品や嗜好品、日本限定のものがあるなら、可能な限り持っていったらどうかな?」
私「なるほど!」
オリバー「もみじさんの住むところはVERY good cityだよ。アメリカ人でそこに住みたいと思っているひと、たくさんいるんじゃないかな。」
私「へぇぇ、本当?!なんだか楽しみになってきたなぁ」
当時は、何を基準に「良い町」なのか、さっぱりわかりませんでした。ただ、オリバーさんが力強く"VERY"と言っていたことだけはよく覚えていました。
オリバー「あと、日本のウォシュレットをアメリカに持っていく、っていう人がいるのも聞いたことがあるよ。北米でもそういうの多少は買えるみたいだけどね」
私「へぇぇ!ちょっとおもしろい引越し荷物だね(笑)うまく取り付けられるのかしら。あったらいいのかもしれないねぇ」
そんなこんなで、両国のちょっとした違いなどを話してくれました。
日本の関連会社にExpat(駐在員)として4年もやってくることになるとは。オリバーさんはきっと思っていなかったのではないでしょうか。
奥さまもお子さんたちも、アメリカとはだいぶ違うライフスタイルや文化に、戸惑いやストレスを感じたのではないかと想像します。
例えば、キッチンのシンクにディスポーザーがついていなくて、生ゴミをどう片付けてるの?という奥さんに排水ネットのことを伝えたり。
また、お子さんの習い事の費用を振込むのに、振込先「カタカナ」の入力がわからなくて、会社近くのATMで画面操作を手伝ったこともありました。
日本育ちの日本人なら、本当に何ともないようなことだけれど、
アメリカ育ちを経て、日本に暮らすのは…。
正直、住みやすくないかも!と思います。
さて、持っていくべきものの話を
なんやかんや話しているうちに、いつも朗らかなはずのオリバーさんの顔が、少し曇りがちになってきました。
続きます
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