単騎マグナムは規制されるべきだったのか
こんにちは。うぇるちです。
デュエプレも26弾を迎え、UKパンク、アルファリオン、VANがスタン落ちしたNDは新時代を迎える…
はずでした。
私の予想としてリリース前は、赤白バイクが環境トップになり、単騎マグナムを巡る複雑な駆け引きが産まれる面白いゲームになるのかと思っていましたが、現実はとんでもないものでした。
単騎マグナムナーフ
単騎連射マグナムはデュエプレ実装に当たってターン1になるというナーフを受けました。
天門を踏んでもすべて無効化してしまっていた紙の単騎マグナムが4枚使えては、受けの人権が消滅するという判断でしょう。
しかし、その判断が思わぬ事態を招くことになります。
理不尽の台頭
26弾でまず注目されたのは、緑単サソリスとギョギョウの相性の良さでした。
ギョギョウがいる間は、相手クリーチャーが出るたびにそのコスト以下のクリーチャーを何度でも出せるため、ラグマールを出し続けて相手のコスト4以上のクリーチャーを残さないプレイができたのです。
単騎マグナムがターン1になった影響により、バイク側がこれを乗り越えるのはかなり難しくなっていました。
単騎を出して一回きりのストックを使い切ると、もうまともに動けなくなってしまうのです。
次に注目されたのはヘルボロージア(以下へロージア)
というデッキタイプです。26弾でホーリーやヴェイダーなどの強化を手に入れ、環境でも十分に戦えるようになってしまったデッキです。
ドラゴンズサインからのヘブンズロージア踏み倒しを主体としているデッキですが、ヴェイダーのドローを行うために、デッキ内のクリーチャートリガーの比率を高める方針を取っています。
そのため、単騎マグナムを設置後、へロージアにレッドゾーンなどでTブレイクをした場合に、複数のクリーチャートリガーが捲れることは珍しくないため、ターン1のロックでは、かなりあっさりと突破されてしまいます。
これら2つのデッキはプレイヤーからのヘイトをかなり集めるデッキとなっており、環境の閉塞感を高める原因にもなっています。
単騎マグナムを採用することの困難さ
単騎マグナムをデッキに採用することはかなり難しいのです。
単騎マグナムというカードはスピードアタッカーも持っていないため、基本的に設置したらターンをそのまま一度返すような状況になりやすいです。
また、これを設置しても相手のターン中の動きは特に止まらないため、かなり難しいカードとなります。
速度にモノを言わせて殴るようなデッキでは、単騎マグナムを設置して1ターン待つ、これはかなりのロスに繋がります。
トップから引いても解決札になりにくかったり、トリガーの呪文で先に除去されると無力だったりと、様々な問題を抱えています
紙の単騎はなぜ強い
では、紙のデュエマにおける単騎マグナムがなぜ強いのかを考えていきましょう。
単騎マグナムは当初、天門ループへのメタカードとして刷られたというのが通説です。
実装して半年程は特殊なメタカードとしての立ち位置で環境に存在しました。
風向きが変わったのはドギラゴン剣の登場からでしょう。クローシスバスターなどと呼ばれるデッキにて、リンネビーナスを2回使い回して単騎とラフルルを同時に釣り上げてワンショットする動きである単騎ラフルルが始まりました。
その後は5cバスターなどでも同様の動きが行われ、単騎マグナムとラフルルの両名は殿堂入りとなります。
その後も"ミッツァイル"などで"マリゴルド"によってマナから踏み倒されるなどで活躍します。
現代では豊富な手札リソースを抱えられる赤青マジックにて、"迷いはない"や、"パーフェクトファイア"などから踏み倒されることによって天門デッキなどへの確かなフィニッシュ手段として活用されています。
これらのデッキを見てもらえばわかる通り、単騎マグナムが暴れているのはすべて、強力な踏み倒しを行えるデッキなのです。
コストを支払わずにクリーチャーの受けを止めたらさすがに強いよねという話です。
単騎マグナムというカードそのものは、種族にも大したシナジーがなく、普通に出す分にはただのメタカードなのです。
また、上記のデッキに当てはまる点として、呪文を止める手段も持っているということです。
しかもほとんどのデッキがそれをタダでやります。
そのため、
"クリーチャーが出せないなら呪文を唱えればいいじゃない"
という理論が破綻してしまうのです。
ちなみに紙では単騎マグナムをプレミアム殿堂にできない事情があります。
紙では天門の出力がとんでもないことになっていたり、盾を殴れば理不尽なトリガーの暴力に晒されることが日常となっており、ビート側は単騎が1枚入ってようやく勝負になる世界になっています。
へロージアのもっとやばいやつがウジャウジャいる感じです。
単騎が及ぼす悪影響
これまでは単騎マグナムを肯定的に評価していましたが、単騎にも負の側面はあります。
それは、相手との盾を通じた対話が不可能であるということです。
カジュアルデッキや環境外デッキとの戦いで顕著になりやすいのですが、なけなしの防御ギミックでワンチャンス作ろうとするカジュアルデッキを単騎マグナムは無慈悲に否定することになります。
相手がニンジャストライクを入れようがウェディングゲートを入れようがカオスマントラで耐久しようが関係ありません。
単騎マグナムはすべてを無慈悲に否定します。
希望すら残さずに
インフレしたゲームの業とも呼べるものを単騎マグナムは一人で背負っているのです。
デュエプレ単騎のこれから
ランクマッチのことだけを考えるならば、私個人としては単騎マグナムを元の性能に戻して欲しいと思っています。
デュエプレというゲームでは、受けデッキの盾を無視して勝つことが基本的に不可能になるよう設計されています。
現状の防御ギミックすらも単騎で対応できていないのに、これからインフレを加速させていくこのゲームで、今の単騎が強固な受けを崩すことのできるカードになれる可能性は限りなく低いです。
天門デッキなどの正直な防御ギミックまで否定してしまうことが単騎の業ではありますが、ここまで天門が活躍していた事自体が夢幻のようなものなのです。
デュエプレがデュエマへと向かっていくに当たっては、単騎に業を背負わせる必要があると私は思います。
おまけ
紙の単騎が殿堂入りしない世界を考える
天門がTier1になることはないだろう。
ブレインスラッシュなどのカードもソリティアカードとしては注目されても受けカードとしてはあまり注目されなかっただろう。
呪文のトリガー+なんかがかなり重宝されるのではないか
タマシードのプッシュで対タマシード版のルピア炎鬼みたいなカードが出てくる
やられる前にやるといった殺伐としたゲームが展開される。
呪文ロックが規制されやすくなる。
環境が回って受けが呪文まみれになり、みんな単騎を抜き出す
地雷としてブレインスラッシュなどを使ったクリーチャーで受けるソリティアが出てくる
クリーチャーで受けるデッキが少ないので、単騎をサーチで引っ張れる1、2枚程度の採用に留める構築が増える。
メタゲームに影響はあるかもしれないが、たくさん入れてもそこまで変わらないので2枚以下で半数くらいのデッキに採用される程度と予想。
単騎マグナムの存在を前提にした環境になると思う